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34歳最後の日に
今日はわたしの34歳、最後の日。本来であれば今回も毎年この時期に訪れる街で過ごす予定だったが、二日前から台風の雲行きが怪しくなり断念…。
実際にはなんだかいいお天気が続いているので、“これなら行けたな…?”と思いつつ、すてきな方との出会いもあったし、ここ最近ばたばたとしていたから、こうしてゆっくり文を綴りながら過ごすことも悪くない。
せっかくだから、34歳の学びをここに残しておこう。
34歳を一言で表すと、“自分を建て直す一年”だった。
わたしは、小さいころからしたいことが山ほどあって、1日が24時間では足りなくて、好きなものが明確な子だったように思う。
友人は、『そんなに夢中になれることがあってすごいね。』と言ってくれていたけれど、当時のわたしにはその意味がよくわからなかった。そして時が過ぎた34歳、その言葉の意味を身をもって体感することとなる。
なぜなら、なににも興味が持てず、心が動かなくなってしまったから…。
34歳の始まりは、冒頭で出てきたわたしの第二の故郷で迎えた。そもそもなぜ毎年この街で誕生日を迎えるのかというと、初めてその地に降り立ったときから、肌に触れる空気も、人の気配も、街の色合いも、すべてが心地良くて大好きなのだ。
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普段の日常から離れられて、でも日常の延長のわたしでいられる。その距離感に何度も支えられ、絶賛厄年を発揮していた2021年から2022年は、1ヶ月に1,2回訪れていたほど。大袈裟かもしれないけれど、わたしはこの場所に何度も助けられていた。
わたしはこのとき、16歳からの夢を自分の手で終わらせようとしていた。あまりにも長く一緒に過ごしすぎて、まるで自分の一部のようになってしまっていたから、この決断をすることに途方もない時間がかかってしまったし、何度も心が痛くなった。
でも、ずっと見てみないふりをしていた自分の気持ちは、もう誤魔化しが効かなくなっていて、きっと限界はとっくに超えていた。そして重なるように起きた、大好きな祖母との別れ。
今考えたら、一種の燃え尽き症候群のような状態だったのだと思うけれど、こんなことになったのは、わたしが18歳のころ、寝たきりになってしまったときぶりだった。(当時は精神病を患っていた。)
そのころと違って、日常生活は問題なく送れるし、特にどこが悪いわけでもないけれど、とにかく心が動かない。以前大好きだったものを見て、少し気持ちが高揚しても、すぐにその感動は消えてしまう。
なにかに夢中になれること、なにかをしたいと思えることは、決して当たり前じゃない。34歳にして初めて、わたしは気づいたのだった。
“もしかしてわたしって、このまま死んでいくんだろうか。なににも興味が持てなくて、ただなんとなく毎日を生きて、年老いていってしまうのかな。”
一向に元に戻らない自分自身を知るたびに、何度も何度も不安に駆られた。
それでも、もう一度だけでいいから、16歳で夢を抱いた自分のように、何かに夢中になりたい。その一心で、どんなに心が動かなくても、しんどいと思っても、わたしはわたしが好きだったことに触れ、好きだった場所に行き続けることを辞めなかった。それはまるで、ばらばらになった自分のかけらを集めるような作業だ。
ときには異人館や博物館、美術館で西洋に触れ、ときにはあてもなく旅に出たり、ただただ海を眺めて1日を過ごしたり、夜空をぼーっと眺めたり。
どれも幼少期から好きだったこと。良くも悪くも、わたしは昔から好きなものが変わらないから、だからまたいつかきっと、あの感情は戻ってくる。そう信じて、過ごした一年。
気づけば、こうしてまた文を綴ることができるようになったり、夏の青空や、海の煌めき、鮮やかな花の色に幸せを感じたり、ストップしていた習慣を再開したり…。
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徐々に自分が戻ってきてほっとしている、そんな34歳最後の日…。
そんなわたしから、もし、この文をここまで読んでくれている方がいらっしゃったら、感謝の気持ちとともに伝えたいことがある。
どうかあなたの中にある、なにかを好きだと感じる感情を大切にしてほしい。それは決して当たり前にあるものではないから。好きという感情がなくなったら、行動がなくなり、日常の色が変わっていってしまうから。
その感情がある限り、きっとあなたはあなたのままで生き続けられるはずから。