5.【心の中のかけら】 波打つ悲しみ
昨日は朝方ベッドに潜ったものの、あまり深くは眠れずに目が覚めた。頭のなかは未だ思考が散らばったままだった。
昨日は色々な感情に出会った。感情を無くしたかった過去からその癖が抜けず、今でもその起伏が少ないわたしだが、久しぶりに人前で溢れてきた涙に、わたしは自分の限界を知った。きっとわたしはもうずっと、わたしのことを我慢していたのだ。
一度現れた感情を目にすると、もう知らなかったころには戻れなかった。何をしても涙で目の前が霞んだ。久しぶりに夜道を泣きながら歩いた。それでも夜はわたしを隠してくれるから、だから、わたしは夜が好きなのだ。
本当は、本当のわたしは、誰の目にも触れたくないし、世界のどこか片隅でひっそりと暮らせたら、この世からわたしの存在がもう少し薄れたら、最近はそれくらいが自分に合っているような気もしている。
この悲しみは自分のすべてではなく、今ここにいることを選んだのはわたしだから、以前のようにすべてから逃げ出そうとは思わないけれど、この悲しみの意味をもうずっと見つめ続けている。その度に自分から出てくる身勝手な感情も、溢れる涙も、心とは正反対の行動も。
今はまだその答えが出ないから、せめて今日は、自分のために過ごそうと思う。
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