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白黒思考をやめねばと思う

白黒はっきりさせたほうがわかりやすいので、私は答えを急いで求めがちである。でも、この白黒思考はよくないのではないかとも思う。実際、白か黒かはっきりさせられるもののほうが世界には少ない。現実に即した考え方ではない。では白黒思考はやめねば、と思ってしまうのも白黒思考なのだ。白黒思考でもまあいいじゃない、くらいにゆるくあらねばならないのだろう。ここでまた「ねば」という言葉を入れてしまっている。そういうところだ。染みついた考え方の癖なので、そう簡単には変わってはくれない。

最初に書いたように、白黒はっきりしていたほうが「わかりやすい」から分けたいのである。灰色にはどう対応したらいいのかがわからないのだ。灰色の具合によって対処方法は違ってくる。そのいちいち違う方法を考えたりすることが私には難しいか、面倒かなのだろう。両方とも正解だと思うが特に後者だ。面倒くさがりなのだ。

微妙に彩度や明度の違う灰色がいくつも並んでいるのが現実であり、そんな灰色たちに逐一対峙できる人は現実をちゃんと見ている人であろう。そのように、灰色の状態と長く接し続けられる人を私は尊敬する。灰色への対処法を考え、実行してみて、結果を受けて、微調整を加えて、再挑戦したりできる人の根気強さに頭が下がる。自分にはその行動がうまくできないにしても、せめて、簡単に割り切れない物事がこの世界にたくさんあることだけは、わかっていたい。


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大場さやか
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