2020年 今度こそ社会はよくなる
東日本大震災からまもなく9年。あれからの時間を振り返る時に思い出すのは、2011~12年くらいにかけて、「これだけの大変なことがあった後には社会はきっとよくなるに違いない」というほのかな希望を感じる時期があったということ。私は1995年の阪神大震災の時は高校生で(当時はインターネットも普及していなくて)今ほど社会の空気に敏感ではなかったので分からないけれど、もしかしたら阪神の後にもそういう空気を感じた人たちはいたかもしれない。
2011年に関して言うと、そういう希望が生まれたのは、福島第一原発事故の影響が大きくて、だからこそエネルギーや消費行動が変わるかもしれないという希望、いや願望が生まれたんだろうと思う。
もちろん、その「ほのかな希望」を感じた人もいれば感じなかった人もいるだろう。同じように、その希望がある程度実現したと感じた人もいるかもしれない。
私自身は、いつの間にか(少なくとも2014年くらいには)、そんなほのかな希望は雲散霧消してしまったと感じていた。少しはよくなった部分もあっただろうけれど、それ以上に社会の格差、ヘイト、不寛容といった日本のありようはひどくなってきたと思うことのほうが多かった。
そして、2020年。
私はいよいよ今度こそ社会、いや世界はよい方向に進み始めるのではないかと思う。裏を返せば、2019年は底を打った年として記憶されると期待したい。
震災後たくさんの災害に見舞われ、その中でも2019年は人口の多い都市部も被害を受ける災害が多かった。多くの人は災害を他人事ではないと感じただろう。いつ自分が被害を受けるかもしれないし、逆に自分の暮らしぶりが気候変動につながり、それが日本か世界のどこかの洪水被害につながっていることを否が応でも意識した人は少なくないと思う。
ブラック労働とか社会の格差についても、利便性を求める消費行動が根底にあることが、以前は理屈ではわかっていたことが、だんだんとリアリティを持ってきたし、消費者の声に経営者や投資家も耳を傾けざるを得ないという潮流は強まってきた。
震災後は正直、「意識の高い人が覚醒した」という規模の変化だったと思う。それが2020年は大部分の人が覚醒する、と予言しておきたい。
2020年はおそらく本当の意味でSDGs元年とでも言うべき年になる。
ならないと本当に手遅れになる。
とてつもなく抽象的だけれど、そして新年早々世界情勢はきな臭いけれど、今この瞬間はそう確信している。
(写真は今の岩手山ではなく数年前の1月の岩手山)
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