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ひとりの少年の命を奪い、私の人生を変えた「事件」と「英単語」

Hello!

ご覧いただき、ありがとうございます。金井(かない)さやかです。

人生の転機、といえるタイミングがいくつかあります。
そのひとつが、これでした。

◆あの事件

私の場合、一人暮らしをしながら大学に通っていたころ、ある日見た新聞記事とニュースが自分の人生を変えました。(この事件を覚えているのは40歳以上の方かも)

事件は1992年、10月に起きました。

アメリカ・ルイジアナ州で、日本から留学していた高校生が、銃で撃たれて亡くなったのです。

20年以上たった今も海外で話題になるほどの事件です。
https://www.bbc.com/news/world-us-canada-50063364

(以下 英文はリンク先記事から。日本語訳は金井さやか)

Yoshi, as he was known, was a 16-year-old Japanese exchange student on his way to a Halloween party in Baton Rouge, Louisiana.

(ヨシは、この名前で知られているが、16歳の日本人留学生で、ルイジアナ州バトンルージュでハロウィンパーティーに向かっていた。)


◆あの英単語

ホームステイ先で、ハロウィンイベントの行き先の住所を間違え、その家の住人に話しかけようとして "Freeze!"(止まれ)と言われたのに近づいて行ってしまったそうです。

彼は仮装していて、家を間違えていることに気づかず(その家にはハロウィンの飾り付けがしてあった)、出てきた住人もパーティーの参加者だと思ったのかもしれません。

"We're here for the party!" 

(パーティーに参加しに来ました!)

こう言いながら、銃を持った住人に近づいてしまったのです。


Peairs shouted "Freeze!" but Yoshi seemed not to understand and kept moving forwards.

(ピアーズは「フリーズ!(止まれ)」と叫んだが、ヨシは理解していなかったようで、前へと進み続けた。)


そして、銃弾が彼の命を奪いました。

私はこの英単語を、もう忘れません。 

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◆ヨシくん

服部剛丈(はっとり よしひろ)さん、当時16歳。

彼の死は、当時の日本に衝撃を与えました。


初めての海外で友達をたくさん作ろうとしていた16歳の少年です。

日本から、英語と異文化を学びに、ワクワクドキドキ、向かったことでしょう。

留学先のホストマザーは、彼について次のように話したそうです。

"Yoshi was very ebullient, a total extrovert."

(ヨシはとても活発で、非常に社交的でした)


"The kids at McKinley High School loved him because he was such a free spirit."

(マッキンリー高校の生徒たちは彼のことが大好きでした。彼は本当に自由な精神の持ち主でした)

◆事件が私の人生を変えた

この事件の犠牲者・ヨシくんは、私の直接の知り合いではありませんでしたが、私が卒業した高校の後輩でした。

この事件以前に、両親が「留学してみる?」と私に聞いてくれたことがあったと記憶しています。(今思えばありがたいことです)

でも、私の答えは「NO」でした。

「アメリカは銃があって怖いから」という理由で、当時は他の国を検討することもなく、その話は終わりました。


そして、何年もたたないうちに、この事件が起こりました。

「留学は怖い」という印象がさらに強くなり、私が学生時代に留学することはありませんでした。


(あとからパフォーマンス(パントマイム)のためにイギリスに行ったり、一人でアメリカまでツアーの下見に行ったり、動き回るようになるのですが…… それはずいぶん後のことです)

海外の刑事ドラマなどでよく出てくるのですが、 "Freeze!" を聞くたびに、胸が痛みます。

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◆いま、願うこと

大事な子どもを突然失った ご両親の悲しみ・つらさはどれほどのものだったかと思うと、こうして文章を書いていても涙が出ます。

(ヨシくんのご両親は、アメリカの銃規制を求める運動に力を尽くし、今も活動されているといいます)

10月17日、Yoshiくんの命日がきます。

ヨシくんの事件は、私に大きな影響を与えました。

海外には、日本と違う「当たり前」があることを強く感じました。

そういう違いを乗り越えて、人と人はつながっていかなければ、と思いました。


学生時代に留学をした友人は何人もいましたが、留学しなかった私のほうが、英語やコミュニケーションの仕事をしています。


人間同士、文化が違っても、その違いを前提としつつ、理解し合える、尊重し合える関係を築くことができれば、不幸な事件は減り、国際社会でのひとりひとりの居場所ができていくのではないかと思うからです。

語学の壁や、コミュニケーションで傷つく人たちがいます。

語学やコミュニケーションの力をうまく使えば、チャンスを広げることもできます。

私のアクションは、人と人とがよりよくかかわるための手伝いをし続けること。

そして、少しずつでも、子どもたちの成長や異文化交流のために寄付をし続けることです。


世界中に「この人と関わってよかった」と笑顔で言える人が増えるように。


長文を読んでくださり、ありがとう。

これを読んでくださったあなたとのご縁も、末永く続きますように。

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(写真は2019年のイングリッシュキャンプより。毎年企画・引率してきた英語のイベントです)


Thank you for visiting. Have a great day!
Sayaka

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【自己紹介】日本で最初(!?)の「英語コーチ」金井さやかが大事にしている一つのこと。
https://note.com/sayakakanai/n/n25cb9e03b2dd

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Sayaka Kanai 金井さやか(元祖・TOEIC満点英語コーチ、イングリッシュキャンプの校長せんせい、「英語の先生の先生」)
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