【1989年100日旅】71日目。東ベルリン
1989年6月15日は旅の71日目。ブランデンブルク門へ。門の奥に白く見える壁がベルリンの壁だと教わった。門の手前は広くスペースが取られ、二重の鉄柵が冷たく接近を阻む。遠くに見えるブランデンブルク門の上に乗った馬の彫像は東ベルリン側に走り出しそうなのに、止められているようだった。
鉄柵の内側では衛兵が見張っていた。平日だからか、人はあまりいなかったが、門を見つめて泣いている女の人がいた。両親から、ベルリンの壁を超えて西ベルリンに行こうとして射殺された人がいる、壁はある日突然できたので、家族と離れ離れになった人もいると教わった。
ホテル近くにはノイエ・ヴァッヘという戦没者の追悼所があり、衛兵の交代が見られた。灰色のヘルメットに長銃を持つ衛兵は観光客用のパフォーマンスだったのかもしれないが、顰め面と数人が揃って高く振り上げる足は物々しく、ブランデンブルク門を見た後だとひやりと感じた。
そんな感じの71日目。旅は残り29日。
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