私の「働く喜び」と「モチベーション」
昭和の企業戦士父の呪文
7年前に亡くなった私の父は、昭和の企業戦士で「24時間働けますか!」を地で行くような人だった。朝早くから遅くまで仕事ばかりしていた。平日一緒に夕食を食べた記憶はほとんどないし、週末は仕事やゴルフで不在がちだった。私が思春期の頃は、関西で単身赴任をしていた。そんな父がいち早く帰宅する日が年に数日あった。ボクシング世界戦ビックマッチの日。生中継を観るために、その日は早く帰宅し(きっと19時くらい)さっさとお風呂に入って、父一人夕食をとりながら世界戦観戦。家族全員、父のTV観戦を邪魔せぬよう、ピリピリしていた。チャンネルの主導権はもちろん父だ。
そんな父は、私が子供の頃から「仕事は苦しいもの。」とよく言っていた。私が日本で教員をしていた頃も、何度も言われた。その呪文のせいで、子供の頃の私は働くことが恐怖でさえあった。父の呪文が「働くこと」や「働く喜び」を考え続ける原動力になっているかもしれない。ちなみにデンマークの友人や同僚が、「パートナーの帰りが遅い!18時よ!夕飯にやっと間にあう時間にしか帰ってこない!!!」と愚痴っているのを何度も聞いている。ところ変わればである。
私の答え「働く喜びとモチベーション」
今の職場に就職して7年。毎年MUSで答えている「働く喜びと仕事へのモチベーション」(MUSについては、昨日の記事をご覧下さい。)答えは毎年ほぼ同じ。キーワードは「子どもの成長・発達」「同僚との協働」「クリエイティビティー」だ。更に詳しく考えてみた。
「(同僚と)あれこれ試行錯誤して、個々の子どもの課題の解決の糸口が見えた時」「それを同僚と喜び合って、次に進む時。」「子どもと関係性が出来つつある時」「教材、題材、環境作り、ペタゴギック(日本語だと教育学。理論と実践に基づく、目標達成するための当事者との関わり方。)が子どもにはまった時」「子どもたちのが学んでるのがみえる瞬間」私の専門のひとつは美術。「子ども達が想像力を使って作品作りしているのがみえる時」「子どもが作品作りに熱中しているの時」「出来上がった作品を誇らしげに見せてくれる時」ここ4年関わっている、地元美術館との共同プロジェクトは大きな喜びだ。その他日常的に、子どもたちの喜こんだり、愛らしかったり、誇らしかったり、といった顔。同僚、上司、保護者からのポジティブなフィードバック。
日本で5年。デンマークで7年。特別支援教育にかかわって12年になる。他の仕事もしたけれど、特別支援教育に落ち着いた。この仕事が好きなのは、クリエイティビティーにあふれているから。特別支援教育はアートだ!とさえ思う。個性豊かな子どもたちに合った、教育、ペタゴギックを作り出していく。一人担任ではなく、チームで担任するのも私は好きだ。チームでお互いの専門性、経験を活かしてお互い高め合い、更にいい仕事をするのは楽しい。
個々の「働く喜び」であふれる職場が、「いい職場」なんじゃないか、とここ数日仕事について書いての感想。
noteの記事を父が読んだら何て言っただろうか。昭和企業戦士にデンマーク人の働き方は、どう映るのだろう?聞いてみたかった。
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