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「失敗」の対義語が「成功」って、割りに合わない
こう思うのはわたしだけ?
いま30歳のわたしが発する回数は失敗50に対して成功1、くらいじゃないかな。
"失敗"は小さいことから大きいことまで、"成功"はある程度の規模感と重要度がないと使いにくいような気がしてしまって。
辞書をひけば、失敗の対義語は成功だ、と書かれてはいるけど。
失敗
やりそこなうこと。目的を果たせないこと。予期した効果をあげられないこと。しくじり。⇔ 成功
(三省堂 大辞林 第三版より)
成功
①仕事・計画などがうまくいくこと。目的を達成すること。 ⇔ 失敗
②相当な地位や財産を得ること。
(三省堂 大辞林 第三版より)
ただ、この意味を基本としても、個人レベルで "ことばがもつ温度と湿度" はちがう。
そうか。わたしは「成功」という単語に熱をもたせすぎなのかもしれない。
成功とは、焼きたてパンの温度
じぶんのなかで成功と貴重度と温度がおなじなのは、"焼きたてのパン "。
焼きたてのパンの香りはものすごい幸福感をくれるし、パン屋さんで焼きたてを見つけたときはものすごくラッキーだ!と嬉しくなる。
でも、「大好きなパン」×「焼きたて」に出会うことってほぼない。ここ10年でも片手で数えられるくらいしかないかもしれない。ここも「成功」を発する割合とちょっと近い。
しかも本当の焼きたてを手に取るとものすごく熱いし、食べても中からの蒸気でヤケドしたりする。
幸福度も貴重度も、ものすごく高いけど、ちょっと危険をはらんでいるというか。それがわたしのなかでの「成功」ということばの温度。
失敗とは、温度に加えて湿度も範囲が広い
対して「失敗」は
・アボカドを買ったら中身が真っ黒だった
・日差しがあるのに風が強くてさむい、コート着ればよかった
この程度なのだ。冷たかったり、なまぬるかったり、なんというかぼんやりしていて幅広いのが失敗の温度。湿度だって、カサカサにかわいたような失敗も、ドロドロベタベタした血みたいな失敗もある。
成功の温度を下げるのか、失敗の温度を上げるのか
できることなら、もっと頻繁に成功だと思いたいし、必要以上に失敗だと思うことは減らしたい。
成功の温度をさげて、すぐに手で触れるくらいのことばにするのか
逆に失敗の温度をもっとあげて、常に触れられることばではなくするのか
どちらの方が簡単かなあ。