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【読書記】ファラデー「ロウソクの科学」

読書をしたら、読書記を書くっきゃない!ということで、今日から少しづつnoteに放出していきたい所存のさやかさんです、こんばんは。

こちらの記事は、
「ロウソクの科学」(角川文庫)ファラデー(著)、三石 巌(訳)
「吉野彰 特別授業『ロウソクの科学』」(NHK出版)
以上2冊を読んだ感想となっております。

ファラデーこと、”マイケル・ファラデー”。19世紀の化学者・物理学者です。「ロウソクの科学」の原著が出版されたのは1861年のことでした。日本では1933年に初めて翻訳され、現在までに、様々な翻訳本や解説本が出版されているようです。

先日、国立科学博物館に訪問した際、複数のノーベル賞受賞者が「ロウソクの科学」を紹介していたのをきっかけに、私も興味を持つようになりました。

講義形式で話が進む

個人的には物理学者としてのイメージが強いファラデーですが、この本の中では、”ロウソク”を通じて、化学的に起きる現象や物質の性質について、講義形式でわかりやすく伝えています。

実際に全6回で行われた講義を記録したものだそうで、もしその時代に生きていたら、参加してみたかったですね。

ただ、内容としては、現代の化学の基礎を知ってさえいれば”当たり前”なこと、例えば、個体のロウソクが燃えた後は気体に変わることなどを、実験を通じて可視化しながら伝えています。

もちろん私も化学の専門家ではないので、一酸化窒素の特性など、知らなかったこともあったのですが、多くのことは既知の内容だったため、あまり深く本質を捉えることができませんでした。

なので、他のわかりやすそうな本も読んでみることにしました。

吉野彰先生の”講義”

吉野彰先生が「ロウソクの科学」をテーマに特別授業を行なった様子を編集した「吉野彰 特別授業『ロウソクの科学』」。後で気づいたのですが、国立科学博物館で出会っていたのは、この方の展示コーナーでした。

こちらは、高校生向けに講義をしたそうなのです。羨ましい限りですね。

私は、化学の世界がどのように発展してきたかよく知らなかったので、この本を読むことで、当時の時代背景やファラデーの出生などを知り、どのような意義があったか理解することができました。

そして、あれから100年以上経った現代において、どのように「ロウソクの科学」を読み取るか、そして、常識にとらわれない発想をするにはどうすればよいか、学生とコミュニケーションを取りながら語っています。

「私を科学者にした原点」

後半では、吉野彰先生が2019年にノーベル化学賞を受賞した技術が生まれるまでの経緯と今後の課題について述べられています。

研究というのは、根気も(ある種の)運も必要な、険しい世界だということを改めて感じつつ、このような素晴らしい科学者を生み出すきっかけになったファラデーという人物の偉大さを改めて感じました。

吉野彰先生の講義も、次の科学者の卵たちのきっかけになっていることでしょう。(実は、この本を読みながら、少し涙目になっていたのはここだけの秘密で。笑)

余談ですが、修士課程を卒業された後、「企業に入って新しい製品を作りたい」という理由で就職されているところにも、密かに親近感を持ちました。(その後、博士号も取得されています。)

偶然見つけた本でしたが、サクッと読めた上に、学びと感動を得られた良書だったと思います。ぜひ、ファラデーの本を読んでから、読んでみることをおすすめします。

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