紅茶オタクが教える、初心者でもおいしく淹れられる紅茶の淹れ方「ゴールデンロニ子ルール」

寒くなってきて紅茶がおいしい季節になりました。ロニ子です。
趣味で紅茶を勉強してきて紅茶教室に通ったりもしてきたので、ここらで「初心者向け紅茶の淹れ方総まとめ」を書こうかと思います。

1 紅茶って何?

紅茶とは、緑茶の茶葉を発酵させたものです。
なので日本人がよく飲む緑茶と、植物としては同じ葉っぱです。
味の特徴はタンニンによる渋みが特徴で、緑茶に比べて「渋い飲み物」というイメージがあるかと思います。
ですが、緑茶と同じ甘味成分カテキンも含まれているので、飲みやすい淹れ方や種類を選べば甘くて渋みの少ない飲み物になります。
本場はイギリスと思われがちですが、原産地は中国、今の主な生産地はインドやスリランカやアフリカです。日本でも最近は生産が増えてきて、和紅茶なんて呼ばれますね。
中国からイギリスに輸入されて淹れ方の作法が出来上がり、イギリスからさらに日本に入ってきたので、イギリスのものというイメージがあるんですね。
歴史の話はこのくらいで。


2 紅茶を淹れる時に用意するもの

・茶葉
・ティーポッド
・茶こし(ティーバッグでない場合)
・お湯
・ふた
用意するのはこれだけです。
カップに直接1杯分つくる場合はお皿をふたにするのがおすすめです。
ふたをする理由は温度を下げないため。


3 これさえ守ればおいしい!淹れ方の“ゴールデンロニ子ルール”

1935年にアメリカの紅茶の本で提唱された「ゴールデンルール」という淹れ方があるのですが、これは古くなってきて変わってきたなーと経験上思っているので、新たに「初心者はこれさえ押さえれば大丈夫!」な「ゴールデンロニ子ルール」を考えたので書きます。

ゴールデンロニ子ルール
・汲みたての水道水を使う
・お湯は必ず沸騰させる
・ポッド、カップを温める
・ポッドやカップにフタをする
・パッケージに書いてある分量と時間を守る

それぞれ解説していきます。

・汲みたての水道水を使う

日本の水道水は軟水(ミネラルが少ない)で、お茶の成分が早く抽出されます。海外は硬水なので抽出されにくく、日本と海外で淹れ方が実は違ってきます。
おいしい紅茶を淹れるためにわざわざミネラルウォーターを使ったり、海外の水を使う必要は全然なく、水道水が一番良質でおいしいです。


・お湯は必ず沸騰させる

紅茶の成分(タンニン)は100度で抽出されます。沸騰直前でやめたりすると、紅茶本来の味が出ないということです。
他のコツも、すべて「お湯の温度を下げない」ためのものです。


・ポッド、カップを温める

茶葉とお湯を注ぐ前に、お湯だけ入れて回し、ポッドやカップを温めます。
お湯を他の冷たい容器に移すと5度下がると言われており、せっかく沸騰して100度になったお湯の温度が下がらないよう、ポッドやカップはお湯を入れて回して捨て、温めておきます。


・ポッドやカップにフタをする

茶葉とお湯を入れたあと、フタをしないと熱が逃げてしまいます。これもお湯の温度を下げない工夫です。


・パッケージに書いてある分量と時間を守る

地味にこれが大事。茶葉によって抽出時間と茶葉の量が違うので、メーカーの人がいろいろ試しておいしかった淹れ方、箱に書いてあるやつをまずは守りましょう。


3 茶葉の種類

紅茶の茶葉にはいろんな種類がありますが、あの名前は基本全部「産地」です。
ダージリンはインドのダージリン地方で採れた茶葉のことです。「静岡茶」みたいなものですね。
もちろん産地によって味に違いがあるので呼び分けがされています。
ここではメジャーな茶葉の特徴を軽く紹介します。


・ダージリン

高級茶葉とされ、ストレートで飲むのがおすすめの茶葉です。「紅茶のシャンパン」と呼ばれるくらい香りがいいです。緑茶に近い風味。


・アッサム

大衆的なミルクティー向けの茶葉です。コクや渋みのパンチがあるので、ストレートだと飲みにくいため、ミルクティーやチャイにするとよいです。


・オレンジペコ

フルーツのオレンジの風味がするわけではなく、「origin」から発音がきているらしいです。
癖のない風味で、ストレート、ミルク、ともにいけます。


・アールグレイ

ベルガモット(ハーブ)の風味がつけられたフレーバーティーです。紅茶に他のフルーツやハーブなどの風味をつけたものを「フレーバーティー」と呼びます。
ベルガモットはベルガモットオレンジに似た香りのするハーブです。
アールは伯爵という意味で、イギリスのグレイ伯爵が持ち帰ったレシピなのでアールグレイと呼ばれています。
柑橘系のフレーバーなのでストレートが基本ですが、意外とミルクも合います。栃木のレモン牛乳みたいなものです。


・ウバ

ミルクティーに向いているお茶です。結構独特の風味があり、午後の紅茶のミルクティーに使われているのがウバとキャンディです。


・ディンブラ

上質な風味の紅茶といればこれ。色、香り、味、すべてバランスよくおいしいです。ストレート、ミルク、どちらもおすすめ。


・キーマン

中国の紅茶で、スモーキーな独特の風味があります。ストレートもミルクもおいしい。中国茶に近い味です。


・ケニア

アフリカ大陸のケニア産の紅茶です。全然癖がなくて渋みも少なく、ストレートでも飲みやすいです。


・CTC

紅茶の産地のことではなく、状態を示す用語です。クラッシュ(砕く)、ティアー(切り裂く)、カール(丸める)の略で、茶葉を砕いて丸めた粒のような形をしています。
葉っぱの構造が壊れているので成分が早く濃く出やすく、ミルクティーに向いています。「アッサムCTC」のように呼びます。


4 道具の選び方

ティーポッドとカップの材質はなんでもいいのですが、ひとつだけ気をつけるのは「鉄製は避ける」ということです。
鉄分とタンニンが結合しておいしくなくなってしまいます。
色を楽しむという意味でも、白の陶器やガラス、アクリルがおすすめです。


5 基本の紅茶の淹れ方

ストレートでもミルクでも、紅茶を淹れる手順は同じです。
基本の流れを紹介します。

紅茶を淹れる基本の流れ
・お湯を沸かす
・お湯が沸いたら、カップとポッドに少し入れる
・カップとポッドを回して全体を温めたら、お湯を捨てる
・茶葉を入れ、お湯を注ぐ(ゆっくりではなく一気に)
・フタをして時間通り待つ

お湯を一気に入れる理由は、温度を下げないためです。
茶葉の量と抽出時間は、箱に書いてある通りにしましょう。
書いてない場合は、

・茶葉2g(ティースプーン1杯)
・お湯150ml
・抽出時間 ストレート1分から2分(自分で試してお好み、ミルクなら2〜5分(お好み)

でやるといいと思います。
1分でも渋いと感じる方は、茶葉を変えるか、40秒くらいにしてみましょう。
また、茶葉は一回使い捨てだと思ってください。緑茶は何回も淹れますが、紅茶は一回で成分のほとんどが出てしまうので、二杯目を淹れるときは新しい茶葉を使いましょう。


6 よくやる「おいしくない淹れ方」

よくある「おいしくない淹れ方」は、カップに電気ポッドで保温していた(汲みたててでない、100度より低い)お湯を入れ、フタをせず、ティーバッグをポンポン動かして色がついたらあげる、というものです。
これは色付きのあんまおいしくないお湯になります。


7 レモンティーはおすすめしない

レモンはおすすめしません。酸味は紅茶に本来合わないからです。午後の紅茶のレモンティーがおいしく感じる人は、あれはレモネードに紅茶を混ぜたものだと知っておきましょう。
レモンティーが流行ったのはアメリカの万博で、アメリカ人が大好きな飲み物である甘酸っぱいレモネードを紅茶に混ぜて氷を入れたらおいしかったからです。つまり紅茶がメインではなく、レモネードがメインなのです。
あたたかい紅茶にレモンのスライスをちょっと入れる、のような飲み方は、好きな人には申し訳ないですが、基本的にはおいしくないとされています。
ただし!自分がおいしいと思うなら、それは貫いてほしい。私はあんまり好きじゃないだけです。


8 ミルクティーをおいしくするコツ

ミルクティーはミルクの味で全然風味が変わります。
おすすめは「低温殺菌」のちょっと高い牛乳を使うこと。有名なのは明治の「おいしい牛乳」、タカナシの「低温殺菌牛乳」です。
どちらもとてもおいしいのでやってみてください。
紅茶を入れるのが先か、ミルクを入れるのが先か、は、イギリス人が大好きな議論です。よければ順番を試して自分の立場をはっきりさせてからイギリスに行ってください。


9 アイスティー、煮出しチャイ

これらは応用編でおいしい淹れ方が違うので、別の記事を書きます。


10 ロニ子おすすめの茶葉3選

ロニ子がいろいろ飲んできておいしかった茶葉を3つ紹介します。

・マルコ・ポーロ(マリアージュ・フレール社)

チベットの花の香り。ミルクでもストレートでもいけます。これで紅茶好きに目覚める人は多い。


・金駿眉

最近出てきた中国紅茶の最高峰。とんでもなく甘く、濃く、なんと抽出時間は10秒。絶対にストレートで飲むこと。
あまりにも成分が濃いので、通常は1回しか淹れられない紅茶のはずが、何回もお湯を注いで淹れられます。
マロン系の甘い芳醇な香りが、何度も淹れるうちにすっきりした中国茶の風味に移り変わっていく。
高級茶葉ですが、一度は飲んでみる価値があります。ストレートの紅茶が好きになるかも。
楽天とかで20g 1000円で売ってるやつで試してみてほしい。


・モーニング(フォション社)

イングリッシュブレックファーストと呼ばれるブレンド紅茶を各社が出しています。このブレンドはメーカーによって味が違いますが、共通しているのはイギリス人が朝食の時にミルクティーで飲む用の茶葉ということ。
その中でもフォションのモーニングは、甘い飲み口で濃厚に仕上がる、毎日というよりは特別元気が欲しい曇り空の朝に飲むのがおすすめのとっておきの茶葉です。


以上、初心者向けの紅茶の淹れ方でした。
これからの秋、冬、紅茶をおいしく楽しんでもらえるとうれしいです!

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