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熱きバーテンダーからもらった大きな自信

皆さんこんにちは!ヨガインストラクターの吉田紗弥です。
お盆も過ぎ、もう8月も終わりへと近づいてきましたが皆様いかがお過ごしでしょうか?

今日もヨガの哲学のお話から入っていきたいと思います。
以下から約2000年前に成立されたとされる根本経典「ヨーガスートラ」には私たちの生活をよりよくしていく賢者の教えが記されております。

その中から一説ご紹介いたします。
「神に全てを委ねることによってサマーディーは達成される。」
なにやら怪しいになりますが最後までお聞きいただければ嬉しいです。

まず神についてですが、私たちは普段教会や神社にいくと神様という存在を意識しますが、ヨガでは神のは私たちの目の前に広がるもの、起こる全てのことを神様というふうに考えます。起こること全ては神様の思し召し、そして起こることは全て意味があると考えます。
そして、「サマーディー」というのは、簡単にいうと「至福感に包まれている状態」「光のシャワーを浴びたような幸せな状態」を意味します。

ですのでこの一説は「起こること全てに身を委ねていくことによって至福感を得ることができる」という意味になります。目の前にあること全てを流れに身を任せていくことで私たちは人生の可能性を広げていくことができるのです。

私たちは、自分の望む通りのことが起きた時や嬉しいとき楽しい時が起こった時、「神様ありがとう!」と素直によろこんだり、感謝したりすることができるのですが、一方で自分の望まない現実が目の前に差し出された時、途端に「神も仏もあるものか!」と悪態をつき、悲しみ、嘆いてしまいます。
そして「こんなはずじゃなかった!」「もっとこうあるべきだったのに!」と目の前の現実に抗う気持ちを抑えられずに悩んだりしてしまいます。

けれどもその望んでいなかった現実を拒絶するのではなく、その背後にある意味を探ってみると本当に私たちの求めている至福感へのステップがあり、それに気づくことができれば私たちは自分の思いもよらなかった人生の新しい扉を開くことができるのです。

例えば、学生の頃は国語が苦手で学校でその国語の宿題が差し出されます。その差し出された苦手な宿題を避けることなく、こなしていくと、次第に文章が読めるようになり、漫画や本が読めるようになり、新聞や、小説、様々な書物を通して世界と繋がっていくことができるでしょう。

このように私たちは人生という学校で差し出される宿題のような課題、そして起こることに身を委ねて受け入れていくことで自分自身の大きな可能性を広げていくことができるのです。

私のお話になるのですが、私は10年以上前にカナダにワーキングホリデーとインターンシップをしておりその後さらに海外で仕事をしたかったのでアメリカでインターンシップをすることになりました。
しかしビザや金銭面の関係で一旦日本に戻ることになり、約1年ほどいわゆるフリーターで生活をしておりました。そしてビザ自体は3ヶ月で取れたのですが、ある程度必要な金額を貯めるために、英語を使い接客の仕事をしたかったので新宿のホテルで仕事を始めました。

そのホテルでの仕事は和食のカジュアルダイニングにての接客でした。
毎日朝から夜まで仕事をするのですが、名前は外資系であったのですが、中身は日系のような雰囲気があり、仕事が終わるとさらっと帰る雰囲気がなく、みんなで当日余ったおつまみなどをみんなで食べながら賞味期限が切れそうでお客さんに出せないお酒などを飲んで話す、という変な時間がありました。

私自身アメリカに行くためにお金を貯めるだけの期間だと思っていたので、あまり人間関係もそこまで深く踏み込みこともせず、仕事が終われば早く帰りたかったのですが、そのスタッフの方と気まずくなるのも嫌だったので、仕方なくそのお付き合いを続けていました。
また帰るのもみんなと同じで同じ埼京線に乗るまで一緒というなんだかめんどくさいことになっているなぁと感じながら仕事を続けておりました。

そしてそのレストランに私が配属された時、同時くらいにバーラウンジから移動してきた先輩で同じ四国出身の方がいらっしゃいました。彼は山下さんという方で
元々バーテンダーだったのですが、カクテルや飲み物に関して情熱のある方でたくさんいろんなことを教えてくれました。

そのレストランは和食カジュアルダイニングということでカウンターとテーブル席があり、そして当時は飲み放題のプランなどがありお食事もお酒のあてになるような単品料理がいくつかありました。
ですのでその飲み放題に合わせてカクテルを作ったりドリンクを用意したりするのも私たちの仕事となっており、山下さんはそのカクテルだけでなく、その他のカクテルの作り方までみっちり教えてくれる方でした。

バーテンダーが使うシェイカーの振り方やマドラーの回し方、メジャーカップの持ち方まで細く教えてくれました。
正直なところ、私自身はカクテルに興味もなく、これからアメリカへ経ち、インターンシップをするのでその知識は別に必要ないから!と、若干その山下さんの熱さについていけず、仕事もなんとなくこなすだけになっていました。

けれども山下さんの情熱は変わらず、私にカクテルの美味しい作り方や、ビールの淹れ方などまたグラスの持ち方、カウンターに立つ時の姿勢など細く教えてくれます。
ある時は横浜にあるキリンの工場へ見学、ビールの美味しい淹れ方の講座を無料で受けられるからと連れて行かさました。キリンドラフトマイスターズという修了証をもらえるのですが、それだけではなく、ビールのできる工程を見たり業者さんとお話する機会などがあり、名刺の交換から接待のような飲み会まで参加し、ペコペコしながら気遣いで疲れてしまいましたが、やっと終わると今度は折角横浜に来たのだから勉強のため!と言って、知り合いがいるという横浜にあるホテルのバーに連れ回されるハメに・・。そこでもバーの仕事のありようをつらつらと話され頭はぼーとしたままになっておりました。

正直今のこの仕事は人生にとって必要なんだろうか?この時間は何か本当に役に立つことがあるのだろうか?とイヤイヤながらに山下さんに指導してもらう日々が続きある時、何ヶ月かに一回の恒例と言われるレストラン内のカクテルコンペティションなるものが開かれることになりました。
このカクテルコンペティションはスタッフが必ず全員参加しオリジナルカクテルを作るというもので、そのコンペティションに上位だった人のカクテルがオンメニューされるというものでした。

そのコンペティションが近くなるとさらに山下さんの熱に火がつき、終電近くまでカクテルの試作に打ち込むハメになりました。
カクテルを飲むことは好きでしたが自分で作ることは全く興味もなく早く帰りたい一心でしたが、次第に山下さんの情熱の深さから次第にバーテンダーという仕事の奥深さに魅了されていきました。

バーテンダーの世界ではさまざまなリキュール、ジュースやまた果物、スパイスなども使い、定番と言われるカクテルからオリジナルのカクテルまで可能性に富んでおり、そのバーテンダーの美しい動きや華やかさ、接客のコミュニケーションの高さに感動させられるようになりました。

期待してくれているという気持ちと恩もあり、オリジナルカクテル作りに励むようになり、自分で安いカクテルキット(シェイカーやメジャーカップ、マドラー)を購入し、あれでもないこれでもないと試行錯誤しコンペティションに挑みました。
審査はマネージャー陣だったのですが、結果はもちろん山下さんのカクテルは毎回オンメニューで、私の作ったカクテルもオンメニューされることになったのです!

嬉しさと達成感もありましたが、何よりこの仕事の楽しさを実感することができました。そこから業務もカウンターで接客することが楽しくなり、ホテルの飲食の醍醐味を感じるまでになりました。

そしてそのホテルでの短い1年が過ぎ、アメリカへ行きインターンシップを終えても、日本に帰ってきてまた自信を持ってホテル業で飲食に携わることができたのです。正直めんどくさいなと思ったカクテル作りや山下さんとの付き合いの経験は今もなお、私の大事なキャリアアップのステップの基盤になっています。

私たちは常日頃、興味のないことや正直めんどいなと思われることが、自分に与えられることがあると思います。
けれどもそれは人生という舞台で与えられる私たちの宿題で、それを拒否するのではなく、受け入れていくことで私たちはさらに人生の可能性を広げていくことができるはずです。

まるで与えらえた宿題をやりぬき、たくさんの学びを得ていく子供達のように私たちも人生という舞台で目の前に差し出される課題に背を向けるのではなく、ありのままに受け入れ人生の可能性を広げていくことにしましょう!

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