ハプニングの末の最高の旅
みなさんこんにちは。梅雨の晴れ間が続いて爽やかな天気が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今日もヨガの哲学のお話から進めて参ります。
今から約2000年前に成立されたとされるヨガの根本経典「ヨーガスートラ」には私たちの生活をよりよくしていくための賢者の教えが記されております。その中から一説ご紹介します。
「否定的観念によって妨害されたときはその反対の肯定的考えが念想されるべきである。それがプラティパクシャバーバナである。」
この一説は簡単にいうと「ポジティブシンキング」の教えとなります。否定的観念はネガティブなこと、そしてそれが浮かぶときはその反対である肯定的考え、つまりポジティブな考え方にしていきましょうという教えです。
私たちは日頃何か自分の望まない現実が目の前に差し出されたとき、肩を落としてできなかったこと、失敗したことに目をむけ嘆いてしまう時がありますが、できないことやできなかったことに目を向けるのではなく、できることやできたことに目を向けることで私たちはもっと前向きに前進していくことができます。
そのポジティブシンキンングを実践した歴史上の人物がエジソンです。
彼は電球の発明のために2万回ほど実験を繰り返したと言われていますが、彼自身は「私は失敗をしたことがない。うまくいかない方法を見つけただけだ」と言葉を残しております。
私たちもエジソンのようにこの「プラティパクシャバーバナ」つまりポジティブシンキングを日常で生かしていくことができます。
例えば、最近雨が多く、うんざりしてしまうなと感じてしまうときは
「そうだ!雨は湿度が高いからお肌にとてもいい環境だ!」「雨の日こそおしゃれなレインブーツを履いて雨だけのおしゃれを楽しもう!」と考え方を変えていくことができるのではないでしょうか。
私の話になるのですが、私は以前ホテルの正社員として仕事をしており、ホテルから別のホテルへ転職を決めて仕事先を終えた後有給を何日かもらうことができ、次の仕事まで時間があったので、旅行に行くことにしました。
平日の旅行だったので、専業主婦の母と海外旅行に行くことになり、どこの国へ行こうかと決めている時、海外旅行が好きな友人がマレーシアを勧めてくれました。
東南アジアは行ったことがないので行ってみたい!と早速旅行の計画を立て始めました。私は1人で海外旅行に行ったことがあり慣れているので今回も旅行会社を使わずに、ホテルや航空券など自分たちで手配することにしました。
旅行の計画を立てるのですが、まず母は都会のクアラルンプールで有名なモスクが見てみたい、また有名な夜市で街をぶらぶらしてみたいと言っており、私としては、旅慣れしている身として、田舎の方のあまり観光客がいない場所でまったりゆっくりしたいと思っていました。田舎の海辺でマリンスポーツなども楽しみたいと思っていました。
けれどせっかくの母との旅行なので、母の行きたいところに行くことにして、旅の計画を立て始めました。
地球の歩き方などの雑誌を買い、いくところに印をつけたり、ホテルも決めましたが、東南アジアは物価が安いため、ちょっとの料金を出しても中級以上のホテルに泊まれるため、ホテルもいろいろとおしゃれなホテルや観光客に人気なホテルを探し予約をしておりました。
そしていよいよ出発の日となり、羽田空港からの直行便だったため、母と一緒に羽田に行き、チェックインや荷物の受付を待っていました。私が旅行に慣れていたため、チェックインの行列に並ぶのは億劫だったので列の人数が少なくなってきたところで列に並び、パスポートを渡しました。
するとスタッフの人が私たちのパスポートを持って何やら奥で話しているのです。
ちょっと時間が過ぎ、不安になりながらも待っていたら、スタッフの人が
「お母様のパスポートの期限が足りませんので渡航ができかねます」
と言われたのです!
「えー!」とお互いギョッとし「どうにかなりませんか?!」と抗っても
「このパスポートの期限だとタイなら渡航できます」と言われ顔が真っ青になり、そして母も腰を抜かしたようになり、どうすることもできずにいると、
スタッフの人が「もう飛行機が経つ時間が迫っています、お嬢さんは渡航できるので急いでください」と言われ、「お母さん、ごめん!」と母をなだめる暇もなくダッシュで搭乗口まで走りました。
もう搭乗口には人もほぼおらず乗客は席に座りくつろいでいました。
急いで席に座ったものの、母の様子が気に掛かりラインをすると、仕方なく家に帰るという返事がきました。
席に座ったものの、驚きと悲しさと悔しさのなんとも言われない感情になり、飛行機に乗ったものの旅の予定も崩れ、これからどうしようと不安な気持ちが押し上げてきたのです。
そしてクアラルンプールに着き、そこで何日か滞在予定でしたが、そのホテルもキャンセルしたので行く当てが見つからず迷いに迷い、自分が当初行きたかった場所へ行くことにしました。国内線で乗り継ぎ、ランカウイという島に行くことにしたのです。
小さいな島でで、小さなホテルを予約し、着いてチェックインを済ますと途端に大雨が降ってきたのです。スコールと呼ばれる東南アジアの雨がまるで私の気持ちを表しているような気がして、寂しさと切なさが込み上げ、ホテルの近くのカフェで落ち込んで座っていると、現地の暇を持て余しているようなおじさんに話しかけられたのです。
「どこからきたのかい?」と聞かれこれまでの経緯を話していると「この島はたくさん楽しめることがあるよ、ジャングルの探検ツアーだとか、パラセリングも楽しいよ。」と励ましてくれたのです。
そしてこのおじさんの通り、母との旅行は無くなってしまったけれどこの旅を楽しむことにしたのです。
そして次の日天気は昨日とは全く反対の綺麗な晴れの天気になり、パラセリングをする良い機会に恵まれたと思い、初めてパラセリングに挑戦してみました。大空を高く飛び、大空から綺麗な海を眺めるのは最高の瞬間でした。ずっとまだ空で漂っていたいと思うような体験でした。
そしてパラセリングを終え、3日ほどランカウイ島を満喫したあとはマラッカという都市へ向かいます。
このマラッカはマラッカ海峡の近くで、夕日と水上モスクがとても綺麗に見えるということで楽しみに向かいました。
夕方近くになるとたくさんの人がこの夕日とモスクを見ようと集まり、夕日とそのグリーン色にライトアップされたモスクは今まで見た夕日の中で最高のものだったと思います。
この夕日を見ながら「そうだ、今回の旅は母とは来れなかったけど自分の行きたかった場所に全部来られて、案外楽しんでるかもしれない!」「この出来事は最悪だと思っていただけど最高の出来事だ!」と思えたのです。
そしてランカウイ島、マラッカと一人旅を満喫し、行けなかった母にたくさんお土産を買って帰ったのでした。この出来事は初め、最悪な出来事かもしれないと思ったけれど、見方を変えれば一人旅を満喫できた最高の旅となったのです。
私たちは、日頃自分の望まない現実が目の前に差し出されたとき、「最悪だ」「ついていない」と肩を落として悲しんでしまう時があります。
けれども見方を変え、できることに目を向けポジティブに前に向かって進んだ時、その出来事の先には最高の幸せが待っているはずです。
まるで雨の中を、愛らしいレインブーツを履いて遊ぶ子供のように私たちも、自分が望まない現実が目の前に差し出された時、一件ネガティブに思える現実もポジティブな面に目を向けて虹のかかった美しい人生を想像しながら人生を楽しく謳歌していきましょう!
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