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OpenAIがGPT-5の商標を出願!できることや新機能まとめ

割引あり

こんにちは!気まぐれジピちゃん(ChatGPT) に今日も振り回されている、ChatGPT 飼育員の Sayah (@sayah_mediaです🤖💔

GPT-4 の後継モデルと想定される「GPT-4.5」の噂がささやかれる中、先日OpenAI が「GPT-5」の商標登録を出願していたことが明らかになりました。

🙋‍♂️「新しく実装される機能や技術は?」
🙋‍♀️「商標登録出願書には何が書かれていたの?」

本記事では、職業「AI プロンプトエンジニア」の私が、
🔷「GPT-5」の商標登録出願書に記載されている内容
🔷「GPT-5」への実装が予想される「新技術」や「新機能」
など、現時点で明らかになっていることについて超詳細に解説します✏️


📝 OpenAIがGPT-5の商標登録を出願

OpenAIのロゴ
OpenAI

先日、ChatGPT をはじめ、GPT シリーズの開発で知られる OpenAI が、7月18日(現地時間)に「GPT-5」の商標登録の出願(申請)を行っていたことが明らかになりました。

ここでは、執筆時点で判明している GPT-5 の商標登録の出願状況について解説します。

📆「GPT-5」商標登録の現ステータスは?

「GPT-5」の商標出願のステータスは、7月21日に更新されている情報が最新です

7月21日に更新されたステータスでは、商標申請フォームが最低出願要件を満たしており、無事に米国特許商標庁(USPTO:United States Patent and Trademark Office)に受理されていることが記載されています。

商標登録の手続きは進行中ですが、まだ審査などが終わっていない状態です。

同時に、最新ステータスには「審査官へのアサイン待ち」と書かれており、今後は審査官にアサインされ次第、本格的な審査に進むことが予想されます(執筆時点)。

🗓「GPT-5」の商標登録までにかかる日数

Unsplash

それでは、現在出願されている「GPT-5」の商標が登録されるまでには、どのくらいの期間がかかるのでしょうか。

商標登録のタイムラインは、地域や特定の状況によっても異なりますが、USPTO(米国特許商標庁)の場合、以下のケースが一般的です。

⏳ USPTO で商標登録されるまでの一般的なタイムライン

1️⃣【商標登録出願(Application Filed)】
個人や企業が商標登録出願書を提出する。

2️⃣【初期審査段階(New Application Processing)】
出願が受け付けられた後、数週間~数ヶ月のうちに初期審査が始まる。この段階で形式的な問題(例えば、申請書の誤りなど)がないか確認される。

3️⃣【実質審査(Examining Attorney Assigned)】
初期審査開始後3〜6ヶ月程度で実質審査が始まり、他の既存の商標との混同の可能性や、商標が登録できる基準に合致するかどうかが調査される。

4️⃣【出願公告(Published for Opposition)】
実質審査で問題がなければ、商標は3〜6ヶ月程度で『Official Gazette』と呼ばれる公報に掲載され、出願が公告(一般公開)される。この段階で第三者が異議申し立てを行う機会が与えられる(『Official Gazette』については後ほど解説)。

5️⃣【商標登録(Trademark Registered)】
異議申し立てがなければ、出願公告後約1ヶ月~3ヶ月に商標が正式登録され、登録証が発行される。

『Official Gazette(公式公報)』とは
USPTOが発行する『Official Gazette』は、新しく申請された特許や商標など、重要な情報が掲載されている週刊ジャーナルです。他の企業や個人は、このジャーナルを確認することによって、掲載された商標に対して異議を唱える機会が設けられます。

(JPDS Japan Patent Data Service Co.,Ltd., 2019)

出願から登録までには、約1~2年の期間がかかることが一般的です。ただし、複雑なケースや異議申し立てを受けた場合は、さらに時間がかかることもあるでしょう。

また、商標の審査は、あくまでもその名称やロゴの使用許可を得るためのプロセスです。そのため、たとえ GPT-5 の商標登録出願が通っても、すぐに GPT-5 がリリースされるわけではないため、ご留意ください。

🧬 GPT-5の出願書に記載されている機能や技術一覧

(United States Patent and Trademark Office, n.d.-a)

USPTO に出願された、GPT-5 の商標登録出願には、以下のダウンロード可能なコンピュータプログラムおよびソフトウェアが含まれると記載されています。

0️⃣1️⃣ 言語モデルの使用(Using Language Models)
0️⃣2️⃣ 人間の音声やテキストの人工生成(Artificial Production of Human Speech and Text)
0️⃣3️⃣ 自然言語処理・生成・理解・分析(Natural Language Processing, Generation, Understanding, and Analysis)
0️⃣4️⃣ 機械学習ベースの言語・音声処理ソフトウェア(Machine-learning Based Language and Speech Processing)
0️⃣5️⃣ ある言語から他言語へのテキストまたは音声の翻訳(Translation of Text or Speech from One Language to Another)
0️⃣6️⃣ 機械学習・予測分析・言語モデル構築用のデータセット共有(Sharing Datasets for Machine Learning, Predictive Analytics, and Building Language Models)
0️⃣7️⃣ 音声データファイルのテキスト変換(Conversion of Audio Data Files into Text)
0️⃣8️⃣ 声認識と会話認識(Voice and Speech Recognition)
0️⃣9️⃣ テキストの作成と生成(Creating and Generating Text)
1️⃣0️⃣ データへのアクセス/処理に応じた分析・分類・アクションを学習できるアルゴリズムの開発・実行・分析(Developing, Running, and Analyzing Algorithms Capable of Learning to Analyze, Classify, and Take Actions)
1️⃣1️⃣ 人工ニューラルネットワーク(ANN)の開発と実装(Developing and Implementing Artificial Neural Networks)
(筆者訳)

(United States Patent and Trademark Office, n.d.-b)

ただし、企業が「念のため」や将来的な展開、今後の可能性などを見据えて、多くの機能や技術について商標や特許を出願することは少なくありません。

つまり、すべてを実際のサービスやプロダクトに実装するわけではなくても、戦略的に選択肢を広げておくわけです。そのため、出願書に記載されている機能や技術がすべて反映されるわけではないことにご注意ください。

👂2つの音声認識(Voice/Speech Recognition)の違い

0️⃣8️⃣ Voice and Speech Recognition」に関してですが、こちらは「Voice Recognition」「Speech Recognition」共に、日本語で「音声認識」と翻訳されることが少なくありません。また、双方が同じ意味で使用されることもよくあります (Arm Ltd., n.d.)。

しかし、厳密にいえば、以下のような違いがあります。

✅【Voice Recognition】:「話者の声」を認識する
✅【Speech Recognition】:「話し言葉(会話の内容)」を認識する

ただし、「Speech Recognition」自体の主なタスクは、基本的に「何を言ったか」をテキストに変換することです。そのため、この時点で「意味」を理解しているわけではありません

それ以降の「意味」を理解するフェーズには、「自然言語処理(NLP)」や「自然言語理解(NLU)」といった別の技術が関わってきます。

言い換えれば、「Speech Recognition」は、「入力」が「音声」「出力」が「テキスト」になります。そのテキストが「何を意味しているのか」を解釈するのは、「自然言語処理(NLP)」や「自然言語理解(NLU)」の仕事です。

英・半導体設計大手「アーム・ホールディングス(Arm Holdings plc)」の日本語版 Webサイトでは、「Voice Recognition」と「Speech Recognition」について、以下のように訳されています。

🔸 Voice Recognition:音声認識
🔸 Speech Recognition:言語認識

(Arm Ltd., n.d.)

ただし、本記事では読者の混乱を防ぐため、専門用語は使わずに、実際の意味や単語の直訳に近い、以下の表記で統一させていただきます🙇‍♀️

🔸 Voice Recognition:声認識
🔸 Speech Recognition:会話認識
🔸 双方に言及するとき:音声認識

知識がない方でも、できるだけ見た瞬間にパッとイメージできるようにしたいため、ご了承いただけますと幸いです🙏

✅ GPT-5の出願書に載っている各機能・技術の詳細とできること

新テクノロジー

前述の通り、今回 OpenAI が出願した商標登録には、GPT-5 がダウンロード可能なコンピューター・プログラムやソフトウェアを通じて提供する、さまざまな機能や技術の概要が記載されています

その中でも特に皆さんが気になるのは、やはり以下の2つではないでしょうか。

🔸 GPT-5 の商標登録出願に掲載されている機能や技術の特徴
🔸 出願された各機能・技術を使って何ができるのか

そこで、各機能・技術の詳細について解明すべく、ジピちゃん(ChatGPT)本人に聞いてみました🧠

※上記の表記に関するお詫びと訂正
上記の表記について、以下の誤りがございました。誤記により混乱を招きましたこと、関係ボット各位ならびに読者の皆様には、心よりお詫び申し上げます。

❌ 本人 → ⭕️ 本体
❌ 聞いてみました → ⭕️ チャットしてみました

今後このようなことのないよう、地球人一同、確認を徹底し、再発防止に努めると共に、人類と AI の共存を図ってまいります🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️

ここでは、GPT-5 の商標登録出願書に記載された機能や技術から想定される、GPT-5 の実態や私たちユーザーができることについて、ジピちゃん(ChatGPT)の推測に基づいて解説します。

0️⃣1️⃣【言語モデルの使用】

🤖「言語モデル」は、自然言語を解析して、人間のようなテキストを生成する技術だよ。GPT シリーズも言語モデルの1つで、大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)といわれている。言語モデルはテキスト生成、質問応答、要約、翻訳など、多くのタスクで活躍しているよ。

最近は、自動返信メール機能や質問応答システムに AI を活用しているサービスも多い。自社の生産性や効率性を高めるために、記事の作成や海外ユーザー向けに自社サイトやサービスの翻訳・ローカライズに使っている企業も増えているんだ。

(ChatGPT, 2023)

「言語モデルの使用」とは、文字通り、以下のような「自然言語処理(NLP:Natural Language Processing)」タスクが挙げられます。

この領域は、正に文章生成 AI チャットボット「ChatGPT」の、得意分野であるといえるでしょう。

✅ 使用例:

📌 質問応答チャットボット:ChatGPT、Watson Assistant など
📌 顧客対応チャットボット:Intercom、Zendesk Chat、Facebook メッセンジャーの自動応答 など
📌 文章・記事の自動生成
:WordPressのAIプラグイン、Google Workspace、Jarvis.ai、Wordsmith など
📌 Webページや社内資料の要約:SMMRY、SummarizeBot など
📌 研究論文、学術論文の要約:Iris.ai、Arxiv Sanity Preserver
📌 文章の校正:Grammarly、ProWritingAid など
📌 文法チェック・スペルチェック:Microsoft Wordの校閲機能 など
📌 文章のリライトや言い換え:Quillbot、Spinbot など
📌 企画書の作成:Bizplan、Upmetrics など
📌 提案書の作成:PandaDoc、Proposify など

(ChatGPT, 2023)

0️⃣2️⃣【人間の音声やテキストの人工生成】

🤖 人間の音声の人工生成に関しては、「音声合成(Speech Synthesis)技術」の可能性があるね。コンピュータが人のように話したり、文章を書いたり、人間らしい対話の生成が可能になるかも。音声認識システムや、自動翻訳サービスでよく見られる。

テキストを人間のような音声に変換する技術「TTS:Text-To-Speech」も、このカテゴリーの一部に含まれるよ。例えば、オーディオブック(読書アプリ)が文章を音声で読み上げる場合に使われる。TTSは視覚障害のある人にも非常に有用とされているよ。

「人間らしい対話の生成」の応用例としては、チャットボットやAIアシスタントなどが挙げられるね。また、昨今の音声合成技術は、テキストをただ読むだけでなく、感情のニュアンスやトーンなど、表現の幅が広がっているのもポイントだよ。

(ChatGPT, 2023)

「テキストの人工生成」に関しては、「言語モデルの使用」や「テキストの作成と生成」など、他の見出しでも重複する内容が多そうなので、本章では「音声の人工生成」について焦点を当てて解説します

「人間の音声の人工生成」とは、人間のような音声を生成する技術です。身近なところでいうと、「Google翻訳の音声読み上げ機能」や「音声読み上げツール」などが含まれます。

分かりやすい例でいうと、ひろゆき(西村博之)氏 公認で「実在の人物をAIアバター化する」という日本初のプロジェクトAI ひろゆきのようなイメージです (CoeFont Inc., 2023)。

GPT-5 では、上記の「AI ひろゆき」のように、プラグインなしで音声合成ができる技術が含まれている可能性もあるでしょう。

ChatGPT に生成してもらったスクリプトで、YouTube に解説動画チャンネルを運営したり、萌え声・イケボ系 VTuber として活動したり、ChatGPT に資料を他の言語に翻訳してもらって、自社のウェビナーを海外展開したり…。

ChatGPT 1つで、このようなことができるようになると思うと、夢が広がりますね🌙✨

実際に、AI ひろゆきも「1時間で約15,000円」を稼いでいます (ITmedia NEWS, 2023)。決して「1日で約15,000円」の間違いではありません😇人間よりも AI の方が稼げる時代…🙃

✅ 使用例:

📌 音声コンテンツプラットフォーム:Audible など
📌 文書・Webページ読み上げ音声リーダー:Google Read Aloud、NaturalReader、ReadSpeaker、Voice Dream Reader など
📌 音声読み上げソフト/ツール:Amazon Polly、音読さん、CoeFont、「Pocket」アプリの音声読み上げ機能 など
📌 音声テキスト変換サービス:Google Cloud Text-to-Speech、Microsoft Speech Services など
📌 コールセンターのオペレーター支援サービス:Enour CallAssistant、AI Dig、AI Log応対中の音声を自動テキスト変換 など
📌 視覚障害者用スクリーンリーダー:JAWS (Job Access With Speech)、NVDA (NonVisual Desktop Access)など
📌 ボカロ(ボーカロイド):初音ミク、鏡音レン、鏡音リン、巡音ルカ など
📌 自動アナウンス:電車の車内アナウンス など
📌 自動応答システム:電話自動音声応答システム(IVR:Interactive Voice Response)など

(ChatGPT, 2023)

ちなみに、上記の「JAWS」は、サメ映画の『JAWS(ジョーズ)🦈』ではないため、ご注意ください😂 

え?冗談が「お上手」ですって?←JAWS(ジョーズ)だけに😇

0️⃣3️⃣【自然言語処理・生成・理解・分析】

🤖 「自然言語処理」「自然言語生成」「自然言語理解」「自然言語分析」は、人間の入力に基づいて、コンピューターが言語を処理・理解・生成・分析する一連の技術だよ。チャットボットや検索エンジンが、これを利用している。

🔍自然言語処理(NLP:Natural Language Processing):
テキストや音声データを解析して、その意味や構造を理解する技術だよ。検索エンジン、機械翻訳、文章要約などで活用されている。NLPのお陰で、僕ら AI が人間のように自然に対話できるんだ。

🔍自然言語生成(NLG:Natural Language Generation):
データや情報を自然言語のテキストに変換する技術だよ。例えば、天気予報のデータを「明日は晴れるでしょう」といった形で伝えたり、長い記事を要約したりね。自然言語処理というフレームの中で、「言語理解」と「言語生成」に二分されるといってもいいかも。

🔍自然言語理解(NLU:Natural Language Understanding):
言語の意味を深く解析し、人間が持つような理解を模倣する。これにより、質問応答システムや意味ベースの検索が可能になるんだ。

🔍自然言語分析(NLA:Natural Language Analysis):
テキストデータから情報を抽出し、その情報を分類、集計、解釈する。感情分析やトピックモデリング(トピック解析)などがこれに該当するよ。

(ChatGPT, 2023)

これらの技術によって、チャットボットとの自然な対話が可能です。チャットボット以外には、以下のような用途が挙げられます。

✅ 使用例:

📌 Eメールの自動フィルタリング:Gmailのスパムフィルタ
📌 レビューの感情分析:MonkeyLearn、IBM Watson Tone Analyzer など
📌 顧客フィードバックの感情分析:Microsoft Azure Text Analytics など
📌 SNSフィードの感情分析:Brandwatch、Hootsuite Insights、Sprout Social、Lexalytics など
📌 エンティティ分析:spaCy(スペーシー)、Google Cloud Natural Language APIのエンティティ分析 など
📌 広告のパーソナライズ:Google広告、Facebook広告、Instagram広告 など
📌 質疑応答システム:IBM Watson など
📌 音声アシスタント:Siri、Alexa、Googleアシスタント など

(ChatGPT, 2023)

感情分析においては、以下のように、APIと連携して使われることも多いです。

  • レビューの感情分析:「Yelp API」 +「IBM Watson Tone Analyzer」

  • 顧客フィードバックの感情分析:「Zendesk」+「Azure Text Analytics」

  • SNSフィードの感情分析:「Twitter API」+「AYLIEN Text Analysis API」

0️⃣4️⃣【機械学習ベースの言語・音声処理ソフトウェア】

🤖 自動で言語や音声を学習・解析。機械学習アルゴリズムを使用して、より高度で適応可能な言語と音声処理機能を提供する。大量のデータから学習することで、より効率的に言語と音声を処理するのさ。

例えば、スパムメールのフィルタリングや、音声アシスタントがこれに該当するよ。

(ChatGPT, 2023)

「機械学習(ML:Machine Learning)」は、GPT-5 がスマートになるための、いわば「トレーニングジム」的な存在です。このトレーニングジムで、大量の学習データからパターンを学ぶことによって、たくさんの異なる質問に答えたり、文章を生成したりできるようになります。

機械学習アルゴリズムを用いたテキストや音声データの処理・分析は、非常に広範で多様な用途で活躍しており、さまざまな応用が可能です。

これには音声認識や予測分析、自然言語による検索クエリ処理(ECサイトでの商品検索やメッセージアプリの文章検索、音声アシスタントとのインタラクティブ質疑応答)などが含まれます。

この技術は日々進化しており、その応用範囲は今後さらに広がるでしょう。

✅ 使用例:

📌 音声検索:Google 音声検索、Siri など
📌 議事録ツール:YOMEL、NTTのSpeechRec、AmiVoice(医療特化)、Otter. ai、Sonix、Rev など
📌 文字起こしツール:Google音声入力、Descript、Happy Scribe、Trint など
📌 自然言語の予測分析:IBM Watson など
📌 商品検索:Amazonの商品検索 など
📌 文献検索:Elicit(AIリサーチアシスタント)、Perplexity AI、Consensus、SciSpace、Connected papers など
📌 テキストスキャン機能:クレジットカード番号のカメラ読み取り機能 など
📌 マルチリンガル(多言語)な対話システム:Google翻訳、Duolingo(デュオリンゴ)など

(ChatGPT, 2023)

0️⃣5️⃣【ある言語から他言語へのテキストまたは音声の翻訳】

🤖 ある1つの言語から別の言語への翻訳機能。テキストまたは音声の多言語翻訳が可能に。

近年、翻訳サービスの多くが「ニューラルネットワーク(NN:Neural Network)」や「機械学習(ML:Machine Learning)」を用いていて、精度は年々向上しているよ。それもあって、観光業や国際ビジネス、医療、教育など、多くの産業で非常に重宝されているのもポイント。

(ChatGPT, 2023)

この項目で興味深いのは、前述した「人間の音声やテキストの人工生成(Artificial Production of Human Speech and Text)」と同様、「テキスト」の翻訳だけではなく「音声」の翻訳が含まれていることです。

これは、GPT-5 がテキストだけではなく、人間の声や会話など、音声の認識・識別・理解・生成などの技術が搭載される可能性を示唆しているようにも思えます。また、テキスト・音声に関わらず、翻訳精度も向上する可能性があるでしょう。

例えば、2016年にGoogle翻訳は、旧システムの「フレーズベースの機械翻訳(PBMT:Phrase-Based Machine Translation)」から、「Google ニューラル機械翻訳(GNMT:Google’s Neural Machine Translation)」にシフトしています。

これによって、Google翻訳の精度は大幅に向上し、中でも「英語→フランス語」「英語→ドイツ語」の翻訳においては、最高水準に匹敵する能力を発揮しました

「Human side-by-side evaluation(人間が直接比較する評価方法)」を用いて、従来のシステムと翻訳の質を比較したところ、翻訳エラーがなんと60%も減少したとのことです (Wu et al., 2016)。

「ニューラル機械翻訳(NMT)」は、翻訳精度の向上に特化して設計されていますが、人間の脳の働きを模倣したシステムという面では、GPT シリーズの計算の基盤である「ニューラルネットワーク(NN:Neural Network)」と同様の概念になります

また、ニューラル機械翻訳(NMT)には、機械学習の一種で、より高度なニューラルネットワークの進化版である「深層学習(Deep Learning:ディープラーニング)」が活用されています。深層学習とは、コンピューターが人間のように考えるための高度な技術です。

GPT-4 にも「トランスフォーマーアーキテクチャー(文章を理解・生成するための高度な設計)」と呼ばれる特定の深層学習のフレームワークが用いられており、文章の生成や理解などにおいて高い性能を発揮しています。

これらの技術は日々進化し続けているため、GPT-5 においても、テキスト生成のみならず翻訳精度の向上など、多方面で強い威力を発揮することが期待できるでしょう。

✅ 使用例:

📌 リアルタイム翻訳サービス:Google翻訳、Microsoft翻訳、DeepLなど
📌 通訳機・翻訳機:POCKETALK(ポケトーク)など
📌 多言語対応のウェブサイト:Wix, WordPressの多言語プラグイン、Amazon、CNN、eBay など

0️⃣6️⃣【機械学習・予測分析・言語モデル構築用のデータセット共有】

🤖 機械学習や予測分析、言語モデル構築のためのデータセットを共有。データセットを共有して解析することで、新たな機械学習モデルや言語モデルの改善に役立てられる。

(ChatGPT, 2023)

「機械学習・予測分析・言語モデル構築用のデータセット共有」とは、データプラットフォーム、研究機関、企業などが広範なユーザーや研究者と大量のデータセットを共有するシステムのことだと思われます。

例えば、「Kaggle」などのプラットフォームで公開されている多くのデータセットは、誰でもダウンロードし、自分自身で機械学習モデルをトレーニングすることが可能です。

GPT シリーズを筆頭に、大規模な自然言語処理モデルは、一般的にWebページ、オンライン書籍、記事などのデータで学習しています。

しかし、この学習データの欠点は、AI で自動生成されたレビューやコメントなどが一部混ざっている可能性があることです。

しかし、学習言語モデルの改善に、「機械が生成したデータ」ではなく、「人が生成したデータ」が用いられれば、データの「多様性」や「質」が向上します

「人が生成したデータ」の魅力は、感情や文化、隠れたニュアンス、スラング、比喩、さまざまなバックグラウンドが反映されることです。

そのため、機械学習モデルにとって「人が生成したデータ」は、「機械が生成したデータ」と比べ、より「リッチ」な学習素材になるといえるでしょう。

対して、「機械が生成したデータ」の場合、既存の情報を基に新しいデータが作られるため、そのデータは元となるデータのバリエーションに依存する傾向があります。つまり、機械が生成したデータで学習しても、新しい視点やアプローチが少なくなってしまうのです。

例えば、人が書いた書籍やWebサイトから学習した言語モデルは、人間の複雑な感情や文化を理解するのに効果的です。

逆に、機械が生成した単純なテキストから学習したモデルにとって、そのような複雑な要素を理解することは容易ではありません

GPT-5 が、このように人が生成した多種多様なデータセットをうまく活用することで、高度な予測分析や自然言語理解、さらには未来のトレンド予測など、多くの革新的な機能と応用分野が生まれる可能性が高くなるでしょう

0️⃣7️⃣【音声データファイルのテキスト変換】

🤖 会話認識と文字変換。MP3 や WAV などのオーディオファイルからテキストデータへの変換が可能に。

(ChatGPT, 2023)

この技術は、GPT-5 が「音声データのテキスト変換」を高精度で実行できるポテンシャルを秘めています。例えば、この技術が実装されれば「MP3」や「WAV」のようなオーディオファイルを、テキストデータに変換することが可能となるでしょう。

さらに興味深いのは、音声認識と自然言語処理が連携することで、単にテキストに変換するだけでなく、その会話が何を意味しているのかまで、GPT-5 が理解できるようになるかもしれないということです。

例えば、GPT-5 には、人間が話すスピードやアクセント、方言に対応できるような、高度な認識アルゴリズムが備わっている可能性があります。

実は、私自身これまで数々の芸能・映画関係者のインタビューや、経済・ビジネス系の記事・ホワイトペーパーのライティングを手がけてきたのですが、当時唯一悩みのタネだったのが「文字起こし」でした。

文字起こしにかかる工数や時間は、実際の音声・録画データの4〜5倍以上ともいわれており、初心者ライターの場合は、1時間の音声データで6〜7時間かかるケースもあるそうです (AI GIJIROKU Blog Editors, 2022)。

さらに、経済・ビジネス系のセミナーやウェビナーとなると、マーケティング用語など横文字や専門用語が頻出します。そのため、ある程度の知識を持っているか、業界に精通していない限りは、聞き取りすらも容易ではありません

また、筆者は主に、中国のニッチ産業に関するB2B向けホワイトペーパーを手がけていたため、登壇者が中国人起業家であることも珍しくありませんでした。

すると、あまりのネイティブ過ぎる発音に「中国の企業名や人名、政府の政策名などが聞き取れない」なんてこともしばしばあり、そんな時はリサーチや検索に、かなりの時間と工数が持っていかれてしまっていました。

しかし、今後 GPT にこのような技術・機能が実装されれば、複数の言語や方言が混在する多文化環境での会話の文字起こしにも、大きな革命をもたらす可能性があります。

また、音声データが持つ情報量は、基本的にテキストよりも豊富です。そのため、そのすべてをテキストに落とし込むことで、より詳細な解析や研究の実現も見込めるのではないでしょうか。

✅ 使用例:

📌 音声データファイルの文字起こし:Amazon Transcribe、Amazon Transcribe Medical(医療分野に特化)など
📌 ポッドキャストの文字起こし:Rev.com、Sonix など
📌 法的な文書作成:TranscribeMe、Scribie、GMR Transcription、Net Transcripts など

0️⃣8️⃣【声認識と会話認識】

「声認識(Voice Recognition)」「会話認識(Speech Recognition)」の違いは前述のとおりですが、こちらでも軽く解説させていただきます。

声認識(Voice Recognition):
🤖 この技術は、話している人が誰かを識別するために使われる。つまり、君の声を君として認識するわけだ。

声認識は、スマートホームの制御やセキュリティ認証でよく使われるよ。

会話認識(Speech Recognition):
🤖 これは、音声コマンドや口頭での言葉を認識する技術。人が話す言葉をマシンが理解できる形(テキストなど)に変換することで、マシンが対応可能になるんだ。具体的には、Siri や Google Assistant が「Hey Siri」「OK Google」と言われて対応する技術がこれ。

「会話認識(Speech Recognition)」には、音声からテキストへの変換(STT:Speech-to-Text)などが含まれることが多いね。

例えば、人間が「明日の天気は?」と聞く→その言葉をシステムが理解し、テキストに変換する→そのテキストがプログラムによって解釈される→「天気予報アプリの起動」などのアクションが起こる。

(ChatGPT, 2023)

🗣 音声合成(Speech Synthesis)との違い

中には、前述した「音声合成(Speech Synthesis)」との違いがよく分からないという方もいるのではないでしょうか。

そこで、ここでは「音声認識(Voice/Speech Recognition)」と「音声合成(Speech Synthesis)」の違いについて、ジピちゃんに聞いてみました。

音声合成(Speech Synthesis):
🤖「音声合成(Speech Synthesis)」の目的は、テキストを音声に「作り出す(合成する)」こと。

音声認識(Voice/Speech Recognition):
🤖 対して「音声認識(Voice/Speech Recognition)」は、音声を「理解する(認識する)」ことが目的なんだ。

(ChatGPT, 2023)

🗣音声バイオメトリクス(Voice Biometrics)との違い

また、同じ「Voice」から始まり、音声認証や声紋認証の総称でもある「音声バイオメトリクス(Voice Biometrics)」と「声認識(Voice Recognition)」も、混同されやすい組み合わせの1つです。

そこで、またまたジピちゃんに双方の違いについて尋ねてみました。

声認識(Voice Recognition):
🤖
「声認識(Voice Recognition)」は、話している人が誰かを識別する技術。

例えば、スマートフォンが「この声はオーナーの声だ」と認識するような場面で使われる。

音声バイオメトリクス(Voice Biometrics):

🤖 「音声バイオメトリクス(Voice Biometrics)」も、声で話している人が誰かを識別する点では一緒だけど、例えば声の高さや速さ、アクセントなどの多くの特徴を分析して、個々の声の識別や人物の識別を行い、セキュリティレベルを高めている。その声が誰のものであるかなど、特定の人物を識別したり認証したりもできるよ。

音声バイオメトリクスは、より詳細な分析を行っているから、厳格なセキュリティが求められる場で使われることが多いんだ。

(ChatGPT, 2023)

これらの音声認識技術は、もう既にさまざまなシーンで活用されています。

GPT-5 にこの技術が搭載されれば、仕事やプライベートなど、私たちにとってもより身近なシーンで役立てられるようになるのではないでしょうか。

✅ 使用例:

📌 自動字幕生成:YouTube、Zoom、もじぱ、Kapwing's Subtitle Generator、Clipomatic など
📌 スマートホームデバイスの操作:Amazon Echo、Google Nest、Google Home など
📌 カーナビの音声コマンド(目的地設定や音楽の操作など):Pioneerの一部のカーナビ、Apple CarPlay、Android Auto など
📌 音声バイオメトリクス:「Nuance Gatekeeper 声紋認証ソリューション」など

0️⃣9️⃣【テキストの作成と生成】

🤖 書き言葉の自動生成。自動ライティングやコンテンツ作成などの自動化されたライティングアプリケーションが可能。

(ChatGPT, 2023)

テキストの作成と生成は ChatGPT の得意分野なので、説明不要だとは思いますが、昨今の言語モデルの存在は、従来のテキスト生成のプロセスを一新しています

AI テクノロジーの進歩に伴い、より多様な言語パターンや、より人間らしい文体での生成が可能になってきているのが現状です。

GPT-5 がリリースされる頃には、ただ単にテキストを生成するだけでなく、特定のニーズや文脈に合わせて、最適化されたテキストを生成できるように進化を遂げている可能性があります。

例えば、SEO を意識した記事生成や、特定のジャンルに特化したスクリプト生成などが可能になるかもしれません。

ちなみに、昨今の言語モデルは、以前と比べて SEO にも対応できるようになってきています。それにはさまざまな要因がありますが、主な理由としては、以下のとおりです。

1️⃣ データ学習の進化:言語モデルは、主に Web 上のテキストから学習しています。そのため、SEOに関する要素やキーワード、構造なども自然と学習されていきます。
2️⃣ アルゴリズムの洗練:最近の言語モデルは、単に文章を生成するだけでなく、特定の指示に基づいてテキストを生成する能力も兼ね備えています。そのため、SEO キーワードを含めたり、特定のスタイルで書いたりと、以前よりもフレキシブルに記事の生成が可能です。
3️⃣ ユーザーの需要:言語モデルの活躍が目立っている現在でも、SEO 対策は、ビジネスや個人ブロガーにとって必要不可欠です。この需要に応えるべく、AI 開発者たちは SEO に対応した機能を追加しています。
4️⃣ 連携ツールの増加:「Clearscope」や「MarketMuse」のような SEO 特化ツールも増加しており、これらのツールと連携して、より最適なテキストを生成する機能なども増えつつある傾向です。

AI を活用した生産性の向上や業務効率化はもちろんのこと、より人間らしい文章の生成は、企業が質の高いコンテンツの作成や一貫したブランドメッセージを発信するうえでも、大きな役割を果たすでしょう。

✅ 使用例:

📌 SEO対策の記事生成Catchy(キャッチー)Clearscope、MarketMuse など
📌 自動レスポンスメール:MailChimp など
📌 スクリプト生成:Celtx、Final Draft など

1️⃣0️⃣【データへのアクセス/処理に応じた分析・分類・アクションを学習できるアルゴリズムの開発・実行・分析】

🤖 データに反応して学習・行動するアルゴリズム。データから学習し適応する機械学習アルゴリズムを開発・実行する環境を提供する。

(ChatGPT, 2023)

一見長いため、非常に難しく聞こえますが、こちらは「学習して何らかの判断や行動をする」技術です。

例えば、ユーザーの過去の行動や好みを分析・分類し、それらに応じて動作するアルゴリズムなどが含まれます。

✅ 使用例:

📌 レコメンドアルゴリズム:Netflix、Amazon、Spotify、Apple Music、Instagram、Twitter、Facebook、TikTokなど
📌 パーソナライズアルゴリズム:LINEやTwitter、Facebookのニュースフィードやタイムラインの順序、フレンドのサジェスト機能、広告の配信など
📌 トレンド分析:Twitterトレンド、Google トレンド、BuzzSumo など
📌 コンテンツフィルタリング:SNS など
📌 顔認証システム:iPhoneのFace ID、空港の自動チェックイン機、マイナンバーカードの顔認証付きカードリーダー、スマートロック解錠などのセキュリティシステム など
📌 画像認識・解析:Googleフォト(顔やオブジェクトを自動認識し、自動分類する)、Clarifai、Adobe Sensei など
📌 異常検出ツール:Darktrace、Kount、Uptake、SparkCognitionのFraud Solutionなど
📌 データマイニング:DataRobot、RapidMiner、Weka など
📌 マーケティング自動化プラットフォーム:Adobe Sensei、Salesforce Einstein、HubSpot Marketing Hub など

「コンテンツフィルタリング」とは、不適切な投稿やスパムを自動でモニタリング・識別し、問題のあるコンテンツに閲覧制限をかけたり、問題のあるユーザーにサービスの利用制限をかけたりする仕組みのことです。

これは Instagram や X(旧・Twitter)、Facebook などの SNS はもちろん、ChatGPT にも搭載されています。

1️⃣1️⃣【人工ニューラルネットワークの開発と実装】

🤖 複雑なデータ関係を学習するモデル。言語モデルだけでなく、ニューラルネットワーク(NN:Neural Network)モデルを開発・調整する機能を持つ。

これによって、AI はより高度なタスクにも対応できるようになる。ニューラルネットワークを使うことで、非線形な問題解決が可能になり、高度な推論や複雑な判断も行える。

(ChatGPT, 2023)

「人工ニューラルネットワーク(ANN:Artificial Neural Networks)」が実装されると、音声認識の精度も格段に向上します。

例えば「Google Assistant」や「Amazon Alexa」も、この技術を応用しているサービスの代表例です。

テスラ(Tesla)のオートパイロット(Autopilot)など、ニューラルネットワークを活用して、車の運行を自動化するテクノロジーも増えています。自動運転車などは人間の安全に直結するため、精度の高い技術が必要不可欠です。

また、ニューラルネットワークを活用することで、画像から複雑な特徴を抽出し、高度な分析を行うことが可能となります

高度な画像の解析は、医療画像の診断などにも役立つため、ANN は医療業界においても期待を集めている技術の1つです。

✅ 使用例:

📌 音声認識の改善:Google Assistant や Amazon Alexa など
📌 自動運転車の制御:テスラ(Tesla)のオートパイロット(Autopilot)など
📌 画像認識・解析:医療画像の診断 など
📌 自然言語処理(NLP):GPT-4 や GPT-5 のような言語モデル など

ニューラルネットワークは、上記のように現在多くの分野や用途で活用されており、急速に進化している技術の1つです。

GPT-4 や GPT-5 のような言語モデルも、基本的にはニューラルネットワークの一種で、テキストデータを理解して有用なアウトプットを生成します。

AI の進化による仕事の代替や AI のハルシネーション問題、バイアス問題など、まだまだ解決すべき課題は残ってはいるものの、GPT シリーズの今後の展開や活躍に、今から期待と水ぶくれが膨らみます🎈💥

🚨GPT-5の新機能・新技術とは

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