9月から計画通りに行動するために計画時に考慮するたった一つのこと
2024年も9月に入り、2/3が過ぎました。
皆さんの2/3年は、いかがでしたか。
ここで、現在地を確認してみましょう。
1年後のビジョンや目標を言語化している方は、それとすり合わせて今自分がどこにいるのか、どこまで来たのか、を確認します。
2/3の所まで来ているでしょうか。
いやー、全然来ていないですね、という方も多いと思います。これは、私たちの感情と思考の関係に関連しています。
なぜ計画通りにいかないのか?
私たちの行動を司っているのは、主に、感情です。私たちは、感情に動かされて、行動します。やる気が出ない出るもそうですし、コンディションや体調が悪かったり、悲しかったり、怒っているときには、やろうと思っていたことができなくなったりします。また、それより楽しそう!なことがあると、計画していないのに、そちらを選んだりしてしまいます。
人間は、考えて行動することより、感情で動くことの方が、断然多いのです。
ですが、計画を立てるときは、どうでしょうか。計画を立てるとき、私たちは、思考を使います。思考とは、今週はこれをやって、今月はこれをやって、夏にはこれをやって・・・、と頭で考えることを指します。
思考するとき、私たちは、「自分が100%合理的に動く」ことを前提にしています。これは2時間でできること、少し余裕を持ってこれに3時間見ておけばいいだろう。午前中にこれをやって、ご飯を食べて、午後は、これをする。
そんな風に考えると思います。ですが、大抵の場合、計画倒れに終わる。それは、なぜでしょうか。
意志が弱いからでしょうか。
自分の能力を見誤ったのでしょうか。
計画が甘すぎなのでしょうか。
どれも、そうかもしれませんが、主な理由ではありません。
計画した通りに行動できない主たる理由は、計画を立てるときに、私たちは、「行動する際に自分がどんな感情になっているか」を考慮していないからです。
計画を立てる時には、一番合理的に動ける自分を想定しています。ベストコンディションで、機嫌が良く、サクサクと動ける自分を想定しています。
例えば、何月何日には、その翌週のプレゼンの準備をする、と決めるとき。その前の会議で〇〇さんにマウントを取られてムカつき、腹が立って仕事が手につかず、しかもお客さんからクレームの電話が入ってさらに感情が掻き乱され、クレーム対応で戻ってきた時には、プレゼンの準備なんて、さらさらやる気にならない。
なんてことが起こる可能性は、考慮していないですよね。
でも、実際には、毎日そういうことが起こる。毎日、感情は掻き乱される。その感情のままでは、思考が働かない。座っても、進まない。今日は無理だ、他のことをしよう、となる。
なので、計画倒れに終わるのです。さらに、これに、ベストコンディションだったとしても想定より時間がかかることを見込まず、計画に余裕を持たせていない場合、輪をかけて計画に大きく遅れをとることになります。
経済学と一緒です。
経済学は、人間が常に合理的に判断する、ということを前提に進展してきた学問です。
「安い品物が50メートル先のお店にあったら、
近くの高い品物よりそちらを買いに行くはず」
ですが、実際にはどうでしょうか。あまりに疲れていたり、寝不足だったりすると「50メートル歩きたくない」という感情が生まれ、「もうこっちでいいや」となって、高い方を買う。
見たいドラマがあったりしても、「早く帰りたい!」という感情が生まれ、「もうこっちでいいや」となって、高い方を買う。
一度、そうなったら、次からも毎回、「もうこっちでいいや」となり、あと50メートル歩けば安く品物が買えるのに、そうしなくなる。
経済学は、このように、人間は合理的ではない行動をとる、思考より感情に動かされて行動する動物である、ということを考慮せずに発展してきました。
だから「実際には使えない学問」と揶揄され、感情を考慮した「行動経済学」という学問が新たに登場することになったのです。
私たちも、計画を立てるとき、同じことをしています。
なので、計画というのは、3日で崩れてしまうのです。
この4ヶ月の計画を見直す時に、上記を考慮して、見直してみましょう。
8ヶ月間を振り返る時のポイント
その前に、この8ヶ月、「自分は何もやっていないなー」と思ったらー。年初から取り組んだこと、体験したことをひと月ずつ書き出して、何を『DONE』したかを振り返ってみてください。
自分は、いかに、「やれなかったこと」を覚えていて「やったこと」「できたこと」「やれたこと」「素晴らしい経験」をスルーしてしまっているのか、に気づくと思います。
やったこと、やれたこと、素晴らしい経験、を書き出せたら、その事実をしっかり認識してください。
「やれなかったこと」の方だけが大きく意識され、あーあ、とがっかりしたり、ダメだなー、としゅんとなったりしているか、にも気づくと思います。
認識したら、「けっこうやってきたじゃん」と思えると思います。
そこで、自分を褒めてあげてください、ではありません。
そこで、自分を褒めるから、そうではない時に、自分を叩くことになります。自分からも他人からも、褒められると気分が良くなり、そうではないと気分が良くなくなる(落ち込む、叩く、相手または自分を責める)、というループは、
「褒められた」時にアドレナリンが出て、それに喜びを感じる状態
だから、発生します。
誰かに「褒められる」ことを無意識に目指している方は、本当に多いです。
それは、他人の価値観に生きることに他なりません。自分の生きたい人生から遠ざかり、常に不満、批判、非難、愚痴、言い訳、が発生する人生になります。
なぜなら、その人が「褒めるかどうか」は、その人の主観で、事実に則っているものではなく、あなたの中では「今のは褒められて然るべき」だったとしても、その方に取ってはそうではない、ことが頻発するからです。
「褒められて然るべき」「認められて然るべき」と自分が「期待」していたことが発生しないと、その人に怒り、不満の矛先が向かいます。
それを繰り返す人生になります。すると、計画(思考で、自分がこう行きたいと立てたもの)とは、かけ離れた現実が展開されることになります。
できた自分を褒める代わりに、「それは誰のお陰で、できたのか?」を考えましょう。
人間は、すぐに慢心し、傲慢になります。特に、自分が組織やチーム、コミュニティのトップの地位にいると、誰からも指摘されないので、どんどん傲慢になっていきます。そして、それに気づくこともありません。
その傲慢さの源が、「誰のお陰で、この〜ヶ月の人生をこのように送ることができたのか?」の視点を忘れてしまうことです。
周りの人に、「ほ〜」と感心され、あなたのお陰です〜と感謝される毎日を送っていると、10人中10人が知らず知らず、傲慢になっていきます。それが人間です。
そうなってるなー、と思う方には、受講生・卒業生さんでなくても、お伝えすることにしていますが、受け取ってもらえないことも多いです。
自分は傲慢になんてならない、と一蹴するのではなく、そうなることを前提に(自分だって人間なのだから←これが謙虚ということです)、
『意識して』誰のお陰で生きているのか?を考える。
そうすることで、100万人に賞賛され、慕われ、感謝されても、謙虚でいることができます。
そんな振り返りをしながら、24年の行動計画の練り直し、をしてみてください。これまでとは、異なる計画が出来上がるはずです。
愛と感謝と叡智を込めて
高衣紗彩
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