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おばあちゃんとシンクロする自分〜私のルーツを求めて〜

私が自分のルーツについて考え始めたのは、いつのころからだろうか。

きっとそれは、私が大人になり自分が他者と異なった生き方・考え方をしているような気がすると意識し始めてからかもしれない。

しかし、自分が他者と異なっているといった意識は、実際のところは幻想で、人間一人一人みんな違って、みんな違った生き方・考え方をしているものだ。

でも、自分らしさの背後には私のルーツに何かしらのヒントが隠されているのではないかとも思える。

私のおばあちゃん

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私には今年84歳を迎えるおばあちゃんがいる。そんなおばあちゃんは、強くて、元気で、活発的な女性である。

おばあちゃんの世界には、認知症という病気が存在しないのではないか?と思うくらい、おばあちゃんは、どこのおばあちゃんと比較しても若々しい。

おばあちゃんからは「生きたい!」というパワーを感じるのだ。
そして、おばあちゃんには、環境が変わっても、毎日の習慣は変えない強さがある。

朝の散歩、お庭の手入れ、お部屋の掃除、そして、新聞を読み、夜には簡単な腹筋運動10回と漢字練習。その小さな生活習慣の抜かりのなさは、天下一品だ。

東北地方の家族体系

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私は冬の厳しい東北地方で生まれた。

そんな私の両親も、小さな東北地方のとある町出身なので、私は純粋な地元育ちの家庭に育った。

そんな我が家は伝統を重んじる家系であり、東北でも主流な三世代一家族という家族形態をとっていた。

今もなお、都市伝説かのように「東北の女性は我慢強い」と言われることが多いのだが、それはある意味、事実のようにも思える。

伝統的に、東北の女性は「労働力」としての役割を担っていると考えられていた。なので、嫁ぎ先では、子供を産んでも、産後すぐに働きに出かけることが求められる。

一般的に、外で働きに出かけられないお姑さんは、お嫁さんの代わりに、子供の子守りをするのが東北地方でいう「当たり前」であった。

だから、そんな私も当然かのように、おばあちゃんに育てられたのだった。

おばあちゃんとシンクロする瞬間

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私は五歳までおばあちゃんの家で生活していた。その後から、おばあちゃんとは離れて暮らすようになったのだが、おばあちゃんの家には数ヶ月に一回遊びに行っていた。それは、私にとって、とても楽しみなイベントの一つであった。

そして今もなお、何かあればおばあちゃん所へ行って、お話をしたり、買い物へ一緒に行ったりしている。

ただ、不思議なもので、最近、おばあちゃんの話を聞いていると、なんだか私はおばあちゃんとシンクロする瞬間を覚える

先にも述べたように、おばあちゃんは誰にも増してストイックな女性である。きっちり、かっちり、毎日の習慣をこなしていく人だ。

そんなおばあちゃんを見て育った私は、きっと、ストイックであること、日々の習慣を続けることというのは、「当たり前のこと」であり、「理想とすべきこと」であると、無意識のレベルで感じているのかもしれないと思った。

だから、私は自分の生活習慣を一定に保つことを自分自身の美徳として考えているのかもしれない。

自分のルーツを求めて

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おばあちゃんの知的好奇心は無限大だ。

84歳ともなれば、きっと体力や能力の限界も感じているかもしれない。なのに、私のおばあちゃんは、なんでもやってみたいのだ。

美術館や博物館へ行けば、その作品がなんであろうと、楽しそうに一生懸命に眺めている。

そんなおばあちゃんの後ろ姿を見ていると、まるで私の半世紀後を見ているようだと思うのだ。

大人になり、物事を少し広い視野で見られるようになった私は、今、おばあちゃんと、一対一の個人として向き合えていることを、とても幸せに感じる。

世の中には、「核性遺伝」という言葉があるように、きっと私は一族の中で、誰よりもおばあちゃんに似た資質を持っているような気がする。

そしてまた、おばあちゃんも、私が一番自分に似ているであろうと感じているのかもしれない。

そんなおばあちゃんは、長い人生、酸いも甘いも経験し、それを全うするための大切な知恵を、その後ろ姿を私に見せながら、教えてくれているような気がするのだった。

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