観劇感想vol.33 柿喰う客「へんてこレストラン」
先日見た柿喰う客さんのお芝居かなりよかったので、ほかにもサブスクで見れるやつないかなーと思って探したやつ。
短めなのでちょうどいいかと。
短いながらも俳優さんの台詞運びや身体能力を感じられ、且つ話はみんな知ってる宮沢賢治原作なのでわかりやすいので
ちょっと気になるなぐらいのノリで見るにはちょうど良かったです。
柿喰う客さん主催らしい「こどもと観る演劇プロジェクト」なるプロジェクトの2013年版で公開された演目のもようです。素晴らしいとりくみですね。
個人の感想なので本来の演出意図と乖離した発言しているかもしれませんがご了承を。
あと一応、今回も感想にはめちゃくちゃにネタバレを含みます。
へんてこレストラン
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原作
宮沢賢治「注文の多い料理店」
脚色・演出
中屋敷法仁
キャスト
深谷由梨香
永島敬三
大村わたる
葉丸あすか
最初原作欄見ておらず、注文の多い料理店かな?と思って見始めたら果たしてその通り注文の多い料理店でした。
確かに短いしわかりやすいし、ちびっ子も大好き天丼ギャグが満載でしたね。
それにしても未就学児ぐらいの子供が見るには全体的に容赦がないというか
客席に雰囲気でビビっちゃって泣き出す子が現れないか心配しました……
原作どおり、主に動くキャストさんは男性俳優さんふたりで
ほかにはストーリーテラー兼犬役の女性、レストラン案内係のメイド服姿の女性の4人でのお芝居でした。
2人の俳優さんの序盤の能天気さや「無理があるだろ」って要求への飲み込みの良さ、全体通したキレキレな動きはちびっ子にもわかりやすく笑いを誘ってました。
コメディ風の表情やセリフの緩急はシリアスな演技よりも技術を要するものというのは通説ですが、やっぱり元が素晴らしい俳優さんなだけに安定感すごいですね。子供向けお芝居という妥協がない。
妥協のなさといえば前述の通り、いよいよこれはおかしいのでは?となったタイミングの全体の空気の変わりよう凄かったです。
メイドさんの序盤の普通の(とはいえやや不思議な雰囲気のある)ご案内からの、回を重ねる天丼形式からの最終段階でいよいよ本性が表れた捕食者の姿への雰囲気の切り替えがかなり良かったですね。
それにしてもこの規模感でこの会場の催しで脚本演出が中屋敷さんとはあまりにも豪華。いやハコに貴賎はありませんが。
マジ俳優さんが本気出した子供向けおはなし会って好きなんです。私の子供の頃も学校に劇団さんがやってきてお芝居やってくれた日あったな。走れメロスのオマージュみたいな話をやってくださりましたが、あの中にも今も変わらずご活躍されてる俳優さんとかいるのかもしれないな。
※柿喰う客「へんてこレストラン」