観劇感想vol.42 ミュージカル「ケイン&アベル」

話題になっているなあとは思ってて気にはなっていた作品ですが
偶然チケットをゲットできたので行ってきました。
定期的にぴあを巡回しているとこんなこともあります。
あと多分1席だと中途半端に余ってるところを取りやすい。ぼっちだとこういう時は得をしますね。

そんなわけで感想です。
個人の感想なので本来の演出意図と乖離した発言しているかもしれませんがご了承を。
あと一応、今回も感想にはめちゃくちゃにネタバレを含みます。

ミュージカル「ケイン&アベル」
※プロモーションムービー

日時/場所
2025/1/22(水)〜2/16(日)
東京 東急シアターオーブ
2025/2/23(日)~3/2(日)
大阪 新歌舞伎座

キャスト
松下 洸平
松下 優也
咲妃 みゆ
知念 里奈
愛加 あゆ
上川 一哉
植原 卓也
竹内 將人
今 拓哉
益岡 徹
山口 祐一郎
ほか

対照的な境遇に生まれた2人の男の人生を描く話かなと思ったら
果たしてそうではあったのですが、スタートは別々なものの
同じように父親を思い、同じように夢を描き、同じように凋落する
アメリカという大地と時代が2人の男に見せた夢というかんじの話でしたね。

ずっと赤と青の対照的なカラーリングで、舞台上のスペースも上手側と下手側で割とクッキリ分かれて
最後にお互いが相手の陣地に踏み出したところは
敵意に呑まれるあまり全てを失って、その時はじめて「喪失」っていう点に於いて歩み寄れたというか分かり合えたイメージなんですかね。
とはいうものの、熱くなってる時は憎らしい相手でしかない存在ですが
お互い能力を信じてるからこそ並走していたというか。
この2人ならここまで張り合わずとも若干敵対する程度の存在はたくさんいて
そんな人達はその都度難なくあしらっては思い出しもしないでしょうからね。
お互い死地にいた時(片方は比喩ではなく本当に)実は助けていたというのもいいですよね〜
でもアベルも倒れてるのがカインだって気付いても助けただろうな。

最初の移民たちが舞台上で服脱いでパーティの参加者に変わったのは
なんとなく、2人のいる立場が表裏一体というか
どちらもどのようにもなり得るという雰囲気を出してたのでしょうか。
あとこのパーティのシーンで後ろのオーケストラも活用されていたのはたいへんよかった。
ミュージカルは勿論大概は生オケですが、オーケストラを作中の装置に使うのは何気にはじめて見ました。その手があったわね。

こういう、時代の激流に飲み込まれながら生きた人の物語っていうのは
個人的にも大好きなストーリーなんですが
違う立場からのふたつのパターンを一緒に見れたのはお得でしたね。
スタートは違っても、各々の信念と上昇志向で以て同じ高さまで登りつめるし
それでも畝る時代に呑まれて各々に絶望は訪れて
最後には、そんな時代を渡り歩いた友として素直に相手を認められて
途中経過は激動でしたがだいぶスッキリするラストを迎えた
アメリカの歴史を旅したような清々しい作品でした。

あと、更に個人的な感想ですが
スーツにロングコートで踊ってるのは本当にかっこいいね…………
衣装もみどころのひとつです女の子のドレスもかわいい。


※ミュージカル「ケイン&アベル」

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