観劇感想vol.32 ミュージカル「ナビレラ 〜それでも蝶は舞う〜」
シアタークリエ、銀座駅からも全然徒歩圏内ということを今更知りました。
本日見てきたのは、Web漫画原作でネトフリでドラマ化もされた韓国の作品「ナビレラ」のミュージカル版です。
漫画版を少し読んだことありますがすごいいい話だった記憶あったので、日本で舞台化と聞いてめちゃくちゃ楽しみにしておりました。
川平慈英さんが主演と聞いた時は「だいぶお若くない?」と思ったんですが(実際ちゃんとしたお年寄りらしいお年寄り役は初めてだったもよう)舞台見たら本当にハマってたし歌声もすてきだった。楽天カードマンの印象しかない人は損してますマジで。
そんなわけで感想です。
個人の感想なので本来の演出意図と乖離した発言しているかもしれませんがご了承を。
あと一応、今回も感想にはめちゃくちゃにネタバレを含みます。
本当に素晴らしい話だった、ずっっっと号泣してた……
人生って死ぬまでは終わってないんだ。
ぜひたくさんの方に見て欲しい当日券出てるらしいので。おそらく年齢性別等々どの層の人が見ても感じるところある作品だと思います。
認知症になって、いつ自分のことすらわからなくなるかってなった時
やり残したことを叶えようって動く姿から迸る
蝋燭が燃え尽きる前の最後の輝きというとアレですが、
「これをしないまま追われない」って本気度と、まだ新たなことを学べる幸せを噛み締める姿は
周りも突き動かされざるを得ない熱量を感じますねやっぱり。
自分の限界を知った気になって達観ぶれるのはまだ人生の残りに余裕があると思ってるからできることだわ。
それにしても、周りがみんな最終的にはドクチュルさんを応援するようになるのは
そんなドクチュルさんのバレエへの熱意もそうですが
これまで本当に家族のために自分を顧みず働いてきたことや
若い子たちにも年の差を理由に驕らず、且つ大人として優しく温かく包み込んで背中を押す姿勢というか人となりが
みんなに「この人の夢を叶えてあげたい」って心から思ってもらえるようになる所以ですね。
最後の発表会のシーン、家族が1人ずつ出てくるのも
家族を蔑ろにして自分のやりたいことやってるというわけではなく
家族への愛は根底にありつつ、且つ家族の支えや理解があって自分の夢が叶えられてるっていうドクチュルさんの意識が反映された感じがして良かったですね。
ドクチュルさんとブンイさんの2人のシーンもとてもよかった……
今までの人生を共に歩んできたし、これからも何があっても傍に居続けるっていう深い愛を感じる場面でしたね。
当たり前ですがアンサンブルの方のダンスもバレエがメインなので群衆のダンスや歌唱のシーンもずっと美しい。
やっぱりバレエの話だし、実際に(できれば多めの人数で)踊る方が華を添えてこそ完成する舞台ですね。
三浦さんのダンスも、ドクチュルさんが過去のバレエへの憧れの原体験を呼び起こされるのに説得力のあるすてきな踊りだった。
人生の時間が残り少なくなってきたときに
自分の心の奥に取り残されていることはないか向き合うっていう
勇気はいるものの誰もが必ず目の当たりにする局面を描いた
どんな人が見ても何か感じられるところのある素晴らしい話だった。
明日も生き、そして前へ進む力が湧く作品だと思うので
お時間あればぜひ当日券買ってみてくださいませ。
※ミュージカル「ナビレラ 〜それでも蝶は舞う〜」当日券販売のご案内