観劇感想vol.27 劇団お座敷コブラ「斯くして」
伊藤裕一さん主宰劇団、お座敷コブラさんの本公演を見てきました。
会場は中野のザポケットやらMOMOやらの並びにあるテアトルBONBON。
お芝居見に来たな〜ってかんじのする立地ですね。
すぐ近くにセブンもあるのでうっかりチケットの発券忘れて会場に向かってしまっても安心です(今日の私)。
そんなわけで感想です。
個人の感想なので本来の演出意図と乖離した発言しているかもしれませんがご了承を。
あと一応、今回も感想にはめちゃくちゃにネタバレを含みます。
幽霊もののラブストーリーといえばやっぱり「ゴースト ニューヨークの幻」ですが
今回のこちらのお話も、しっぽり悲しい話というよりは悪霊はいるわ霊媒師はいるわポルターガイストは起こるわドタバタラブコメ的な展開が中心でした。
つまり最高ってことです。
因みにゴーストも、かの有名な陶芸のシーンはマジで一瞬で基本的には面白幽霊コメディなのでよかったら見てみてください。
ただ、コメディベースと言えどそこは我々の信頼する伊藤氏の脚本なだけあり
喪失を如何に受け入れ、亡くした人への気持ちをどうやって折り合いをつけていくのか
故人へ、そして生きている人へ向けた祈りのような優しさや前向きさをしんみりと感じました。
全体を通して、ありがちな「あの子もきっとあの世でお前の幸せを祈ってるよ」って言説への疑問、そしてそれに対しての一旦の答えというか解釈みたいなのがあり
結局のところ生きている側のエゴでしかないのでは?という問いかけへ
幽霊自身の立ち位置から、なんだかんだこう言うしかない(し、本音ではある)という落とし所にするのは
すごく爽やかに腹落ちするエンディングとなっておりましたね。
最後めちゃくちゃ泣いてしまった。
あと、伏線というほどでもないですが
節々に描かれた細かい描写が最後にキレイに回収されて爽快感すごかったです。
うちの近所にも「ありゃ悪霊憑いてるな」ってテナントありますね。
沙織が部屋出ていったあとの、いっくんが部屋の中と外の匂いに違和感を感じてる瞬間の顔は鳥肌立ちました……
お座敷コブラさんの過去公演「RPG」も、平たく言うと恋人を喪う話ですが
今回はだいぶコメディ寄りなものの、遺された人の背中を優しく押す〆は変わりなく
めちゃくちゃ笑いがっつり泣いて、見た後はすっきりした気持ちになれるお話でした。
90分とは思えない濃い時間を過ごせて最高だった!
チケット購入ページにある煽りの「三角の次は視覚」てのもすごい……
※お座敷コブラ「斯くして」