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遥か旅の記憶 1987.春②
1987.2.8.
いよいよ旅が始まった。
まずは成田に前入りし、
フィンエアでフィンランドのヘルシンキへ。
トランジットを経てポルトガルのリスボンまで。
11,190kmのロングフライトだ。
①オーロラを見たのは幻?
成田発ヘルシンキ行きのフライトが午前便だったので、前入りして成田空港近くのホテルで一泊した。
ホテルから成田空港へはリムジンバスが出ていた。
バスに乗ったまま成田空港のゲートをくぐる際、
重装備の警察官がバスに乗り込み、席の最前列から最後列まで見回りをしてから降りて行った。
当時はテロへの警戒態勢が厳重だった。
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フィンエアの内装は北欧らしい、ブルーと白を基調とした爽やかカラーのインテリア。
座席はエコノミーなので広くはないが座り心地は悪くなく、
リクライニングしても後ろの人に迷惑がかかるほど狭くはなかった。
そして客室乗務員は男女半々。
美しい金髪に青い目で、まるでディズニープリンス&プリンセス。
思わず見惚れてしまった。
機内食も申し分なく、
約17時間のフライトは快適だった。
途中うとうとしながら窓の外を見ると、暗闇に虹色のカーテンがたなびいている。
オーロラだ。
飛行機の中からオーロラが見えることなんてあるのだろうか?
隣りで熟睡している友達に声をかけたが起きなかった。
「一応、起こしたからね!後で怒らないでね!」
ひとりでオーロラが見えなくなるまで楽しんだ。
②リスボンでいきなりのラテン系洗礼
ヘルシンキからトランジットでリスボンまでもうワンフライトし、
遠路はるばるリスボンに到着したのは深夜だった。
夜到着であることから、この日だけは日本からホテルを手配しておいた。
宿泊したい旨を英語で記し、日程と人数も記入して手紙を送った。
2週間後くらいにそのホテルから書簡が届き、私たちの到着を心待ちにしております。というご丁寧な内容の手紙が入っていた。
その手紙を握り締め、リスボンから空港タクシーに乗り込んでこのホテルまで。と告げた。
タクシーは迷わずホテルに到着したが、何やら様子がおかしい。
エントランスも客室も全く灯がついておらず真っ暗で人影もない。
ポルトガル語で張り紙がしてあった。
タクシーのおじさん曰く、
「潰れたらしいよ。」
さあ、どうする?
見るに見かねたタクシーのおじさんが近くのホテルに連れて行ってくれた。
「四つ星だけどそんなに高くないと思うから。」と。
深夜予約もなく到着したので、ホテルのフロントにも事情を説明してくれた。
おじさんには、「ムイトオブリガード」と礼を言って、フロントで鍵を受け取り部屋に雪崩れ込んだ。
疲れた。シャワーを浴びて爆睡。
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野宿せずに済んでよかった
③金髪青年との出会い
翌朝、とりあえず近くのカフェで朝ごはんを食べながら、
「いきなりやられたねー。」
とラテンの洗礼に爆笑した。
2人だから笑えるけれど、1人だったら泣きそうだ。
そうこうしていると、
金髪の青年に声をかけられた。
リスボンの町を案内してくれるという。
身なりからして怪しそうではないので、
「じゃあいっしょに行こう!」ということになった。
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市庁舎や海沿いの街並み、
あちこち案内してくれて、
「ブエンビアッヘ」(良い旅を!)とスペイン語でお別れをした。
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④旅の予感
このリスボンでの偶然の出会い。
これが私たちのこれから始まる旅
がどんな旅になるかを予感させる
ものだということに、
この時は気づいていなかった。
人から人への数珠繋ぎの出会い旅の始まりだったのだ。