ありふれた厦門人家庭の晩ごはん
中華街以外は東京ではなかなか買えない、
でも厦門(アモイ)ではどの市場にもあるマナガツオと
ド中華食材の紫菜(ムラサキノリ)と葉ニンニクを
わざわざ上野から買ってきて
ありふれた厦門人家庭の晩ごはんを作った。
そのまんまの味だ。
マナガツオの新鮮な甘みと香り、紫菜卵スープの素朴さが相まって、「はぁ〜」と心がほっとする美味しさ。
食べ物はこんなにも人の心を動かせるんだとしみじみ。ウェェェっと絶叫するような感覚でもなく、
静かな感動が胃袋から広がる。
故郷の厦門は沿岸都市なので、シーフードが有名。
市場から買ってきた魚は、直接蒸して食べるか、生姜と葉ニンニクなどでさっと醤油煮にすることが多い。その方が食材の新鮮さが味わえるので。
厦門では「煮醤油水」という。
醤油煮にして、お汁をお粥やご飯にかけて食べる。
空芯菜炒めのほか、我が家では出現頻度が一番高い料理かも😅
家族で郷土料理の露店をやっていたある夏休み、私が晩ごはんを担当していた。
その時はほぼ毎日お魚の醤油煮を作ってて、結局醤油煮が上手くなって、親から認めてもらえた🤣
しかし日本にきたあと、自分でも理由がようわからないほど、郷土料理を作ってこなかった。
ここの食事にすぐに馴染んだのもあるけど、たぶん心を忙殺してしまったのもある。
スーパーですぐに買える食材をさっと炒める以外は考える余裕がなかった。丸ごとの魚を買うのもどれくらいぶりだろう。
東京でなかなか食べられないからこそ、故郷のありふれた食事のありがたさを初めて感じた。
ありがとう。
ごちそうさまでした。