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「マイナス感情の原因を考える」という間違った方法 2

の続きです。

感情に関連する記事が上がっていれば目にするようにしていますが、どれもこれも「マイナス感情の原因と理由を考える」方法ばかりです。

そこに書かれている内容はこんな感じのものが多いです(今まで読んだもの、聞いたものをベースに私が作った話です)

↓ ↓

私の家事が雑だ、もっと丁寧にやれ!と夫に怒られてとても悲しくなった。
その悲しいの原因と理由を「考えて」みたら、子供の頃いつもお母さんにあれしろ、これしろって言われてて嫌だった記憶がよみがえった。
でもお母さんの言う通りにしておくと、お母さんは喜んでくれた。だから我慢した。
でも私はもっと自由で居たかった。
やりたい事をやりたいって言いたかった。誰かのために自分が嫌な事はしたくなかった。我慢もしたくない。
私は私を喜ばせたい!!
だから夫に「私は自由に生きます」宣言をして、家事を一切しない事にしました!!
そうしたら、夫が自ら家事をやってくれるようになって、私は家事から解放されて夫婦円満です!みたいな。

自分の内なる声を聴く
自分の本心に従う
自分を大切にする、という女性たちからこの類の成功体験を何度聞いたか分かりません。
実際に話の辻褄も合いますから説得力もありますし。
結果的に女性は家事から解放され、夫は自分の好きなように家事が出来て、夫婦円満なら最高じゃん!って思いますよね。

が「その後」についてネットに公開する女性が居ないので「良かったね」で終わったままですが
私のところには「その後」の状態の人が居らっしゃるわけで・・・

たとえ話で書いた女性の「その後」は
最初は夫は家事をしてくれていたけど、仕事をしながらの家事だったため、当然家は荒れ放題になった。
夫からは離婚を切り出され、財産分与で揉めて現在裁判中・・・。
自分を喜ばせたかっただけなのに、離婚したかったわけじゃないのに
始める前よりも状況は想像を超えて悪くなった人ばかりです。

原因と理由を考える方法を実践している人は、夫に家事について怒られた事象1つにだけした訳ではなく
日常の中で揺れた感情全てにやっていることもあるため
「原因と理由を考えた」回数が増えるほどにより人生が混乱していくのは想像できると思います。
だから、やめた方がいいと伝えています。

*      *

たとえ話の冒頭で「私の家事が雑だ、もっと丁寧にやれ!と夫に怒られてとても悲しくなった」と書きました。
そして、この人はこの「悲しい」の原因と理由を探ろうとして「考えた」わけですが
が、最初の「悲しくなった」というスタートが実は間違っている可能性が高いため、そこから何をどうしても間違いに間違いを重ねてしまうのです。

ここで大切なことは、夫に怒られたときの感覚、体感に目を向けて、その感覚、体感に合う言葉を見つける事
最初の段階で「これは悲しいだ」と決めつけない事。←これ超重要。

その感覚、体感に対して、嬉しい、楽しい、悲しい、寂しい、苦しい、良かった、ダメだった、虚しい、認めてもらえない、助け合う・・・などあらゆる言葉を投げかけてみると
感覚、体感がフッと変わる瞬間が出てきます。
その変化は微細な物かもしれませんが、自分の感覚に合う言葉、近い言葉に触れると必ず感覚、体感が変わります。
例えばこの場合「寂しい」と言った時に身体が緩んだ感じがしたり、今まで左胸の奥にあった重たさが軽くなったり、違和感を感じている場所が変わったり、色が変わったり、みたいな感じです。

すると、この人は夫に怒られて悲しかったんじゃなくて、夫に怒られたことで寂しさを感じていたという事が分かります。
これが感情の言語化の基本です。
※あとは同じことの繰り返し

そして「寂しい」を軸に言語化を進めた場合「夫と一緒になんでも楽しみたい。家事も夫と一緒に楽しみたい、それが出来ていないのが寂しい」と言う本心が自分の中にあったとしたら
「マイナス感情の原因を考える」という間違った方法によって「私は自由に生きます!」なんて言葉に辿り着け
それが本心だと思い込んで宣言をした結果、離婚することになったら
どれだけ本心を抱えたままの自分が苦しむことになるか。

「マイナス感情の原因を考える」は簡単な方法かもしれませんが、これくらいの危険をはらんでいるのです。

厳密に言えば「言葉の並び」も感情の感じ切りには超重要になり
ここがキッチリ感覚と合致しなと、思い込みの解除は出来ませんが
初期の段階ではそこまでは気にしなくて大丈夫です。

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