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魔法の言葉

 盛夏といってもいい。
 いや暦の上ではもう立秋どころか処暑も終えた。すっかり秋なのだが、太平洋高気圧という熱波が未だに離島を覆っている。数年前だともう潜らない日付になるが、午後の日照りをみて海へと向かった。
 お盆を過ぎると、海月がでる。
 という魔法のような言葉で、地元の人たちは海に入らない。
 そのために透明度はあがり、素晴らしい光景が広がっている。

産卵期を終えたのか稚魚が群れている

 海中の岩を巻くようにして稚魚の帯ができている。
 産卵期を終えたらしい。海中できらきらと光が跳ねている。
 またそれを狙ってより大型の成魚が群れの周囲を窺っている。

 検索して調べたらゴンズイという魚らしいが。群れとなってお互いに身を寄せ合いながら海底を這っていた。それも身を護る手段なのだろう。
 その異様な光景を見ると、メデューサの姿が脳裏に浮かぶ。
 お互いの動きが収斂して、その塊にも魂があるようだった。

今日の透明度


 

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