餓 王 鋳金蟲篇 1-3
「小僧、何を企んでいる」
無言の重圧がひしめいている。迂闊であった。遠巻きに囲まれている。
目を覚まして、こちらが気づくと同時に一気に寄せてきた。
なぜ気が付かなかったのか。それはこの闖入者どもが、体温を持たなかったのだ。蜥蜴や蛇の類ではない。彼らは今のこの気温では動けないだろう。
「・・・すまない、とは思っている。集めすぎてしまってね。どうにも独りでは斃しきれないと思ってね」
「拙僧に殺生を強いようてか」
「なに、兎を狩っていただろう? もう戒律上の問題などない筈だ」