お祓いを受けた話
今日は以前告知していた、お祓いの日だった。
先に申し上げておくが、私はこの手の霊的な存在に関しては半信半疑、ハーフ&ハーフだ。
私には霊感が全くないが、怖い話とかは大好きである。
だから、興味本位的な部分では存在した方が面白いなとは思っている。
ではなぜ今回お祓いを受ける事にしたのか。
答えは、もう行く病院にあてが無くなってきたからだ。
もう体調が良くなればどんな事でもいい。
そう思ったのだ。
今回お祓いをしてくれるNさん(仮名)とは事前に連絡を取っており、約束の時間にNさんの自宅へ向かった。
インターホンを鳴らすと、私より一回りくらい年上の小柄な女性が出てきた。
電話のイメージ通りの人で、物腰の柔らかい、言ってみれば「らしくない」人だった。
早速家に上がって部屋に案内される。
途中の廊下の突き当たりに茶道道具が置いてある。
誰か茶道をしている人がいるのだろうか?
通された部屋は6畳くらいの和室。
殆ど物は無く、2枚の座布団が2m程距離を空けて置かれていた。
これはコロナ対策かな?
それと、一般家庭より大きな神棚が置いてあった。
座布団に座り、話が始まる。
Nさん「それで、今回はどうされましたか?」
私は、めまいがした当日の事から、今までどんな病院にかかったか、今どんな状態かを細かく説明した。
直近、起立性低血圧が原因と考えられて、それに対しての処置をしている事を告げた。
N「私も低血圧で、低血圧のつらさは分かります。でも10年位常にめまいがしてるんでしょう?普通の低血圧ならそんなに長引かないわよねぇ。どうも病気という感じじゃないように見えます。最初に美容師さんから話を聞いた時も、病気じゃ無さそうとは思ったのよねぇ。」
ここから実際に彼女の能力を使ったやり取りが始まる。
N「ここには今までに色んな人が来て、見てきたけど、そうとぅーすさんも、それはご存じですね?」
そ「はい。それは美容師さんから大体聞いてます」
N「この間は、心霊スポットに肝試しに行った高校生がやってきてね、お友達がバイクに乗って事故して死んじゃったんですって。なんでそんな所行くのって言ったんだけど… 」
そ「まったくですね」
何が「まったくですね」だよ。私も若い頃面白半分で結構そういう所行ってたから、人の事言えないっつーの。
N「多分その子も怖くなって来たんだろうね。お祓いしてあげてその後来てないから、多分良くなったんだと思うんだけど」
本当にそうだろうか…?
N「そうとぅーすさんは、保険の営業か何かされてますか?」
そ「違います」
N「えっ、違うの?例えば外に出て色々な人と会う仕事をされてるような感じがしたけど… 一体何の仕事をしてるんですか?」
そ「こんな格好(ワイシャツにスラックス姿)をしてますけど、製造業で働いてます。総務なのでこんな格好をしてますけどw」
N「そうなんだ。いつも決まった人というよりも、違う人と会って仕事している姿が見えたから外を回るお仕事だと思ったんだけど」
私はちょっと揺さぶってみる事にした。
そ「それは今の仕事の話ですか?それとも過去の仕事も関係ありますか?」
私は過去に配達の仕事をしていた時期があるので、その時代の事なら話は合うが…
N「いえ、今の仕事です」
そ「まあ、手続きとかで出掛けたり、会社の設備関係の業者とやり取りしたりはしてますけど」
N「じゃあそれなのかな」
まあこれはどちらにも取れるかな。当たってもないしハズレでもない。
N「今の職場に、ガタイのいいというか、横幅のあるおじさんはいますか?上背はそんなに無さそうだけど」
そ「おじさんって言うくらいですから、私より年上ですか?」
N「そうですね」
ウチの会社、太っている人が殆どいない。いや、1人いるけど、私より年下だ。おじさんじゃない。
ここは正直に言った。
そ「1人ガタイのいい奴いますけど、年下ですよ」
N「そう…」
そ「でもそいつ日本人離れしてる顔してますけどねw」
N「ああ!そうかもしれないw」
まあこれも私が誘導したと言えばした形になるから、当たってるとは言えないかな。
N「その人とはうまくやってますか?」
そ「はい、話しやすいしいい関係だと思いますよ」
N「そうですか… では会社の中で、何か恨まれてそうな人とか嫌われてそうな人はいますか?」
ああ、いるいる!何人もいるよ!
そ「結構いますよw 今の会社未だに古臭いしきたりがあって、時代に置いていかれている感じがあるんですよ。それを今の時代の基準に見合うように変えていこうという過程で衝突した事が何度もありました。年上にも容赦なく怒鳴り散らかしてきたので、その内の何人かは嫌ったり恨んだりしてるんじゃないですかね。その後大体の人とはいい関係を築く事ができてますけど」
N「そういう恨みとかいう思いって、相手に飛んでっちゃうのよ。生霊とかそうなんだけど。でもそれだけじゃ10年間も長い間体調が悪くなったりしないからね。やっぱり最初にめまいがしたあの運転中に何か持って帰っちゃって、それが悪さしてるんだと思います。しかもかなり強いから、1回目お祓いしただけじゃ足りないかもしれない」
N「さっきも言ったけど、何かの病気という感じには見えません。どちらかと言うと体質を改善していく方向に向かって行かなきゃいけないのかな。でも、持って帰っちゃった物に邪魔されて、いい病院に出会えなかったり、正しい薬に出会えなかったりしてるんじゃないかしら」
その後も半分世間話みたいな話をしてたけど、全部書くととんでもない量になるので、割愛する。
N「…というのが私の見える範囲のお話です。もちろん私にしか見えないので信じる信じないはあると思いますが、話の内容は分かりましたか?」
そ「はい、大体分かりました」
N「では、お祓いされますか?」
そ「はい」
N「そうとぅーすさん、霊感はありますか?」
そ「いえ、全くありませんw」
N「霊感が強い人がたまにお祓い中に体調が悪くなる事がありますけど、そのままの状態で続けてください」
N「では、お祓いは15分位です。その間は目を閉じで、手を合わせてください」
そして、お祓いが始まった。
大きな数珠をジャラジャラ言わせて何か唱えている。
私は目を閉じて手を合わせて、お祓いを受けていた。
Nさんはその場を動く事なく、ただ呪文のようなものを唱えているだけだ。
しばらくすると、数珠のジャラジャラは聞こえるが、呪文は止まった。
しばらくするとまた何か唱え始めた。
この2番的なものが始まって数分後、突然体調が悪くなった。
吐き気がする。
様子が変わったとしてもそのままでいるよう言われたので、とにかく深呼吸して乗り切るしかない。
早く終わってくれ。
そう思いながらお祓いが終わるのを待った。
N「はい、お祓いが終わりました」
私は安堵した。
目を開けて、手を下ろす。
N「大丈夫ですか?」
そ「後半しんどかったです」
N「後半のは結構強めだったから、それでかもね。今は大丈夫ですか?」
そ「大丈夫です」
N「これで大体のお祓いはできたと思うけど、さっきも言ったとおり、連れてきた物が強いはずだから、1回では祓いきれないかもしれない。また様子を見て良くならないようだったらまた来てください」
そ「はい」
(あ〜あ、また通う事になるのかな)
N「あっ、待って!神が何か言ってる!」
ちょw 今のスゲー胡散臭いんですけどw
N「一時的に良くなるかもしれないって」
そ「一時的っすかw」
N「さっきも言ったけど、連れて帰った物が強いから1回じゃ祓いきれないって事だと思うの。でも病気じゃないから、今後いい病院に出会って良くなっていくといいわねぇ」
最後に祈祷料的な物を渡して終了。
今のところもう行かないつもりだから次の約束とかはしなかった。
簡単だけど、以上がお祓いを受けた話。
一時的でも体調が良くなるかどうか。
自分の中ではいい方向に行きそうな確率は30%くらいって感じかな。
そこまで手応えは無かった。
今思えば、お祓い中に気持ち悪くなったのも、目を閉じて10分もうつむいてれば気持ち悪くなってもおかしくないし。
一つ、家を出た後に思い出した事がある。
そう言えば、恨みを持たれたり嫌われてそうな人の中に、年上の上背のない少しガタイの良い奴がいる。
もしかしたらそいつが元凶かもしれない。
でもその人とは直接やり取りした事ないんだけどな。
話をした事も無い。
数日前、そいつが会社で私の前を歩いてて、私が後ろからついてきているのを知っててドアを思いっきり「バァン!」と閉められたという出来事があった。
仮に手を出していたら指の1本や2本はたやすく飛んでいただろう。
でもいくら考えても、なぜ話すらした事ない人が私を嫌っているのかは分からない。
でも確実に私を嫌っているのは分かる。
恐らくこの先この会社で働き続ける限り、この問題に付き纏われ続けるだろう。
これから良い方向に流れが向くといいなあ。
まとめ
●Nさんは霊媒師とかじゃなくて、ただ他人の姿を見て色々な物が見えるタイプの人
●お祓いはできるが、どこの宗派か分からない
●体調不良の元凶は、同じ職場の人間からの恨みや嫌悪感だけど、それをこれ程までに増幅させているのは、初めてめまいが起こったあの場所で連れて帰ってしまった何かによるもので、私が適切な治療を受けられないよう邪魔している
●体調不良の原因は病気ではなく体質的なもの
●お祓い自体が体調を回復させるものではないし、仮に良くなっても一時的
●強めのお祓いをしたら気分が悪くなった
●あくまで医学的療法で体質改善を行う事で解決する
●家を出た後に、Nさんが見たという同じ職場のガタイのいい人物に心当たりがあるのを思い出したが、その人物がどの様な影響を及ぼしているかは聞いていない
●恐らく再びお祓いに行く事は無い
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