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「地罰上らば竜の降る」体験版がそこまで面白くなかったので、問題点・改善点と今後の期待を書いてみた

はじめに

「地罰上らば竜の降る」というインディーゲームをご存知でしょうか?
講談社から年1000万の支援金を与えてもらい、面白いゲームを作らせるというまあなんかそんな感じのプロジェクトです。
そんなプロジェクトも知らない方もいらっしゃるかもしれませんが、私は知っている前提で話します。

私自身このプロジェクトがHytacka氏がリーダーとなる前から結構注目しており、同氏のyoutubeチャンネルでゲーム開発の様子が細かくアップロードされていたのでそこそこ注目していた。

が!

実際に先日配信された戦闘体験版をプレイしてみた所、あんまり面白くなかった……!
ので、noteに問題点などを書いていこうと思います。
(ゲーム開発者はゲームをリリースした後にこういう感想を読み漁るという事を私は知っているので。)

戦闘システムについて

まず戦闘システムについて……というか戦闘体験版なので戦闘システムについてしか言う事はありませんね。

まず基本操作について。DualsenseでプレイしたのでDualsense基準でお話します。
L1でガード。L1+Rスティック方向でパリィ。
L2+方向もしくはL2単押しで回避。上手く回避すると巧避。
R1で攻撃。R1は長押しすると強攻撃。
R2+方向でメイ(特殊技)。R2単押しで武器回収及び地契(あとで解説)。
△でジャンプ。□で武器チェンジ。×で弓矢。
十字キーで視点変更。

さあ、ここまで読んで一発で理解できた貴方は天才かHytacka氏のどちらかです。
このゲームは高難易度なアクションゲームではあるのですが、所謂ソウルライクなゲームとはまるで異なる戦闘システムになっています。

まずこのゲームの特徴として、戦闘の面白さを謳っているところがあるので、上記の操作に加えて更に特殊な操作や戦術が加わります。これが曲者過ぎてあまり肌に合わなかったです。

では込み入った戦闘システムの話をしましょう。

・パリィに関して

まずこのゲームにはパリィという相手の攻撃をはじく概念が存在するのですが、それを成立させるためには「相手の攻撃の方向を把握し、方向キーで合わせて弾かなければならない」という点です。
まずゲームの面白さを担保する理論として、有名なものに桜井政博氏がよく提唱している「リスクとリターン」というものがあるのですが、パリィという動作はそもそも「失敗したらダメージを負う」というリスクと引き換えに「成功すると相手に致命的なダメージを与えられる」というリターンが存在するシステムになっています。
このゲームはそれに加えて方向キーという動作を要求されるものになっており、これがかなりの反射神経を求められます。
まず前提として我々プレイヤーは製作者と違って敵のモーションを1個1個把握していないので、どのモーションがどの方向から来るかなどの知識は全くゼロな訳です。正直普通にタイミングを合わせてパリィするだけで結構難しいのに、操作の段階でここまでの難しさにされるとあまり面白くないかな、と感じました。
それに加えて、このゲームはパリィに成功したとしてもそれに見合ったリターンが得られません。普通の攻撃で反撃が出来るだけです。
NPCもパリィをしてくることはあるのですが、プレイヤーに限り致命的な攻撃を行えるシステムでも良かったのではないかな、と思いました。パリィに関して、このゲームはプレイヤーに対する忖度(おもてなし)が足りない。
改善するのであれば、パリィの方向指定は完全に無くし、パリィに成功した場合のリターンを大幅に追加したほうが良いと思いました。

・回避に関して

回避に関しても実は仕組み的にはパリィと似たようなシステムになっています。
普通に回避する事も出来るのですが、これまた相手の攻撃方向に合わせて回避すると「巧避」となってなんかすごい攻撃チャンスが生まれるらしいです。
「なんか」「らしい」という言葉を使ったのは何故かと言うと、この「巧避」をした時の旨味というものがイマイチ実感できなかったことにあります。
他のアクションゲームでいう所謂ジャスト回避システムなのですが、まあなんか……「今のジャスト回避できたの???んん?」みたいなそういう気持ちになりました。
これも成功する事でめっちゃ距離を取れたり、ゼルダBotWみたいにラッシュを叩き込めるといったようなリターンがあると良くなるのではないかなと思いました。

・攻撃について

R1ボタンで攻撃が出来るのですが、これもまた曲者。
なんと攻撃に加えLスティックで方向を指定しないとNPCにパリィされます。
これは鎖撃システム(だったっけ?)というもので、これは順番通りに相性のいい方向の攻撃をすると相手に弾かせる隙を与えさせない、というものです。
これ自体は気持ちが良かったのですが、いったいどの方向から攻撃すれば相性が良く、弾かせる隙を与えさせないのか全く理解できず、そもそもこれちゃんと相性良く攻撃出来てるのか?みたいな不安すら覚えます。

これに関しては次にどの方向から攻撃すれば相性が良いのか?というのをきちんと攻撃中に示してあげる事が大事かなと思いました。チュートリアルだけではだめ。ちゃんとわかりやすく表示してあげる。
そして、現状では攻撃を無限に繰り出すことが可能になっているので攻撃にスタミナを付けるなど、ある程度攻撃するとラッシュが止まるといったシステムも必要なのではないでしょうか。

というか総じて方向システムは必要なかったと感じます。現状めんどくさいだけ。

・弓矢について

気軽に撃てて楽しい。矢の本数管理は無くても良いけどそこそこ面白い。
だたし弓矢使った後、納刀状態になるのはダメ。弓矢使った後は直前に使っていた武器をスタイリッシュに抜刀してください。

・メイと「地罰」について

メイとは特殊技のことです。必殺技?スキル?まあなんでもいいか。
エルデンリングでいう所の戦技。
方向+R2、またはR2ホールドで放てる強力な攻撃です。
私は正直このメイ周りのシステムが一番良くないシステムだと思っています。
このメイは相手に攻撃しつつ後退したり、砂煙を巻き起こし相手の隙を作ったり、強力なダメージを与えたりガードを崩したりするものなのですが、これを使用しすぎるとなんか大地の神の怒りを食らい急に地面からタケノコが生えてきてダメージを受け、吹っ飛びます。
自分が気持ちよく攻撃していると思っても容赦なく吹っ飛びます。相手を殺す直前のフィニッシュムーブだとしても容赦なく吹っ飛びます。
そしてそのタケノコを攻撃すると何故か相手が吹っ飛びます。
これが「地罰」だそうです。

要するにメイはその技の強力さをリターンとして置き、「地罰」をリスクとして置いているシステムとなる訳です。
が、別にメイは特殊技という立ち位置に恥じないくらい強力な技という訳でもありません。

メイを使っていても別にそこまで強みを感じる事も出来ず、使っているとなんか時間経過で地面からタケノコが生えてきて吹っ飛ばされ、相手にボコボコにされます。

これを回避するためにR2ボタンを単押しする「地契(ちぎり)」というシステムがあります。
メイを使うと自身の周囲にエネルギーがバチバチしてきて「もうすぐタケノコが生えますよ~」みたいなお知らせをしてくれるのですが、地契をすることでそれを緩和できるらしいです。

なぜ「らしい」と書いたのかと言うと、別にこれを使った所でタケノコを喰らう時は容赦なく喰らうからです。あくまで緩和されるだけ。

(追記)どうやら地契を完全に終える前にタケノコが生える制限時間が来るとダメだったようです。だとしてもストレスが凄いので、地契をしている最中はタケノコが生えないようにする修正が必要かなと思いました。

メチャクチャ気持ちよく攻撃してた所をこのタケノコで邪魔された時の不快感は本当に計り知れないです。

このシステムに対する要望なのですが、まずメイを使用するためのゲージなどを用意し、いつ地罰が来るのかを視覚化したほうがよいと感じました。
次に、時間経過で地罰が来るのではなく、ゲージがゼロになった時に地罰が来るようにすればよいと思いました。使いすぎに注意。
地罰システムは基本的に発生してしまうと面白くないのですが、「地罰上らば竜の降る」というタイトルの通り、多分地罰というものが世界観にも重要になってくるのでしょう。なのでこのシステムを消せとは言わないのですが、基本的には発生しないようなゲーム作りが必要だと思いました。
所謂MP切れとかスタミナ切れと言ったような概念にしてしまう訳です。
ただ地罰というシステムを活かすのではあれば、「ゲージが足りない時でもメイは使用する事が出来るが、その後地罰が発生してしまう」とったような調整が望ましいのではないでしょうか。

R2で使用できる地契に関しても、使用する事で「相手に隙を見せる」というリスク、「ゲージが回復する」というリターンのシステムにすればシンプルで分かりやすいと思いました。
使用するとゲージが回復する。それだけでいい。

(追記)どうやら地契をわざと生やしてそれを攻撃する事で相手を吹き飛ばす戦術があるようです。そしてそれを軸に戦っていくのが面白いみたいです。
いや、私がやりたかったのは「剣と盾のバトル」であって「タケノコ殴り合いバトル」ではない!

・UIに関して

体力などの情報がL1を押さないと見れないのは単純に不便。
ゲーム上の不便さとユーザーに対する不便さを履き違えている気がしました。

ゲーム上の不便さに対する例を挙げてみましょう。

・ニーアオートマタ
「自動セーブが無く、セーブポイントによる手動セーブオンリー」

・NEEDY GIRL OVERDOSE
「くすり使用時、大量にウィンドウがポップアップする嫌がらせ」

・アトリエシリーズ
「アトリエに帰らないと調合が出来ない」

といった不便さです。こういったものはゲームの世界観やサイクル上、敢えて不便にしなければならない。あるいは不便にした方が望ましい。

しかしこのゲームにおいてはUIが普段見えないことがそこまで必要にも見えなかった。世界観上必要なシステムなようにも思えなかった。
ただただ、単純に不便なだけである。
つまりこれがユーザーに対する不便さという訳だ。

早急にUIを常に表示する修正をお願いします。

・タイトルやテキストが鼻につく

ダサいとかではない。鼻につく。これはもうセンスの問題だったり、私自身の好みの問題なのだが、非常に鼻につく。
なんかユーザーを下に見ている感じもちょっと感じる。(あくまで私の感想)
それでは私が鼻に付いたテキストをご覧いただこう。

「製作者からのメッセージ」感が拭えていない。
製作者からのメッセージは基本的に煽りではなく、
プレイヤーに対する称賛のみ許されると思った方が良い。
ビートたけしを思い出せ。
安易なパロディ。
ダクソ3を彷彿とさせる。
作者のHytacka氏は元フロム社員との事だが、
こういった部分にも未練タラタラ感がにじみ出ている。
特に意味の無いタイトル回収。
クリア画面。

・ボロクソに言ったものの……

ボロクソに言ってしまったものの、私は基本的にこのゲームのことは応援している。決してアンチではないし、Hytacka氏にも頑張って欲しいと思っている。
というか凄く期待が大きかったのでその分の落胆も結構大きかったのだ。
なんというか……こんなものだったのか!?という落胆だ。

いやほんと、今からでも間に合うかもしれないんで改善できるところは改善してほしいです。正直今のままじゃあんまり買いたくないです。ネガキャンとかではなく。
リトルウィッチノベタ買った方がシコれてお得です。

でもまだメチャクチャ期待してるんで、これからも開発がんばってください。
応援しています。

皆様もぜひプレイしてフィードバックを投稿すると良いのではないかと思います。

地罰上らば竜の降る/Rise of Rebellion ストアページhttps://store.steampowered.com/app/1795510/Rise_of_Rebellion/

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