ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ⑦~ チクシ編
いよいよ、レナデルタでの調査の入り口、北極圏に位置する町、チクシにたどり着きます。
■ 飛んでヤクーチア
2016/6/20 いよいよ北極圏の町チクシに向けて出発である。11:00にアカデミーの運転手サーシャさん(ロシア語しかしゃべれない)に迎えに来てもらい、空港に向かう。ロシア語なので、何を言っているのか全く分からなかったが、どうやら、
急げ!
と言っている。13:20発予定の飛行機が12:00発に変更になったらしい。
そんなことあるのか!?と思い、空港につくと、、、、
13:20発と表示されている…。なんだったのだろうか…。11:15空港着。
搭乗手続きが開始されるのを待っていると、電光掲示板に
「チクシ行き キャンセル」の文字が表れた。
「なんだって!?」と顔を見合わせる3人の日本人。
サーシャさんが航空会社に何回も確認しに行ってくれる。するとおもむろに、異なる目的地(14:00 バタガイ行き)の飛行機の搭乗手続きの列に並び始めた。何が何だかわからずついていく。
ありゃ、荷物預けちゃった。
どうやら、チクシ行きの便とバタガイ行きの便の利用者が少なかったため、ヤクーツク→バタガイ→チクシの経由便として合体されたとのことであった。なんとわかりにくいことか…。我々だけでは確実にわからなかった。
少しバタバタしてしまったが、14:00無事に飛行機が出発し、バタガイに降り立つ。だだっぴろい砂利の空港
待合室でしばし待機。ここで再び飛び立たなかったらどうしようという一抹の心配をよそに、再びチクシに向け離陸。
プロペラ機はずーっと低い高度を飛んでくれた。この周極地形。テンションがあがる!
しばらくすると、北極海に抜けた!!! まだ一面氷におおわれている!!
18:10 チクシの空港に降り立ったら、国境警備隊がまず飛行機に入ってきてパスポートを回収していった。
空港で、これから調査地で行動を共にするウラジミール・ウォズニャコフ氏(愛称:ワロージャさん)とウラジミール・イルス氏(愛称:ボバさん)と合流し、空港の一室で国境警備隊の手続きを済ませる。スタンプをついた紙っぺらを渡される。
ついにやってきたぜ、チクシ!!!
北極圏のツンドラの大地!!!
ワロージャさんが、本日の宿(レナデルタ自然保護区の副所長の妹一家の家。バカンスで不在らしい)まで送ってくれた。
チクシの町は人口3000人ほどらしい。冷戦時代は重要な軍事拠点として栄えたらしい。古びた集合住宅がならぶ。
しかし、部屋はもちろんセントラルヒーティングであったかいし、内装もおしゃれ!
ロシアは初めてやけど、ロシアっぽいね!!
■ レナデルタ自然保護区事務所
2016/6/21 レナデルタ自然保護区事務所に手続き、打ち合わせに向かう。
事務所に入ると、まずマンモス!
なんか思ったよりもちっちゃいなー
そして、ワロージャさんにルートやレナデルタでのコクガンの繁殖分布などを教えてもらう。
そして、またもやここでもお金の話。ボード代はいくらだ、保護区の入場料はいくらだ、と。
無事交渉成立の模様。
(一番左の人は所長なのだが、後に横領がばれて首になったらしい…)
■ ツンドラ散歩 ~チクシの鳥~
副所長のイリーナさんに、散歩に連れてってもらった!
ユキホオジロが早速お出迎え!最初はテンションがあがるのだが、日本のスズメのようにあちこちにいる鳥。
オガワコマドリ!!このとき限りだった!!これはテンションあがる!
そのほかあまり鳥はいなかったけど、セグロカモメ、ムネアカタヒバリ、ニシトウネン、ニシイワツバメなどなど。
高山植物多数で、いろいろ学名で教えてもらったけども、全くわからず!!もったいない。勉強しなきゃ。
(つづく)
ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ①~ はじまり編
ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ②~ 資金集め編
ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ③~ 準備編
ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ④~ 出発編
ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ⑤~ ヤクーツク編
ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ⑥~ ヤクーツク編その2