見出し画像

ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ⑥~ ヤクーツク編その2

ヤクーツク3日目、4日目は、周辺で鳥を見に連れてってもらいました!

■ 調査装備の購入

6/18朝。インガ氏が宿にやってきて、装備のチェック。我々の防寒着(ダウンジャケット)を見て一言。

「Impossible!」

インナーダウンとアウターダウンを持ってきていたが、どうやらそれじゃ足りないらしい。レナ・デルタの中をボートで何時間も移動するので、その時間がめちゃくちゃ寒いのだとか。
というわけで、ぼろぼろのぶあつーいコートを貸していただいた。

そして日本から持ってきた胴長を見てひとこと

「Too hot!」

なぬっ?今度は暑いのか?池内氏が言ってた、「スキーできる格好と水着を持って来いというのは真実だったのか?」と思ったが、どうやら、
胴長で歩き回るのは蒸れる。ツンドラの泥は深くない(これは後からわかることだが、ツンドラでは、湿地の中でも20cmほど泥に食い込めば、永久凍土層に届くので、コンクリの上に泥がのっているかの如く、すとんと歩ける)。ということらしい。
早速、装備を買いに行くぞと、連れてこられたのが、ハンターショップ。

画像1

おぉー、これは面白い!!なんか無駄なもん買ってしまいそうだ。
目的は、股下までのゴム製の特長(とくなが)であったが、それ以外に、なぜか、マガンのデコイやら、ナイフやら、ウサギの毛の帽子やらいろいろ買ってしまった!!

画像2

まだ鳥をろくに見てもいないのに、マガンのデコイにテンションあがる人たち。真ん中はインガさんのお嬢さん。

■ タイガの森へ

6/18昼。ロシア科学アカデミーのフィールドステーションがある、郊外のタイガの森に連れてってくれた。ロシアに来て初めてのちゃんとした鳥見!わくわくである。
ステーションはこんな感じのトレーラーハウス。

画像3

ステーションの周りは10年前に山火事が起こったようで、立ち枯れが残る若い森だった。

画像4

森の中を歩いていると早速!
きたねーアカゲラか!?と思ったらなんと、ミユビゲラ!!! 思わず、ごめんなさいと謝る。
そのほか、
ワタリガラスの巣、サンカノゴイ、アオアシシギ、タカブシギ、ユリカモメ、シマセンニュウ、アジサシ、アカエリカイツブリ、カッコウなど。見れなかったけど、カラフトフクロウもいるのだとか!!

タカブシギ

画像5

画像6

ロシア科学アカデミーの学生が研究しているクイナの巣↓

画像7

1時間ほどステーションに寄っただけだったけど、非常に満喫!

18:00 街に戻り、夕食へ。和服に着替えてピザ屋へ入る。すると、中学生くらいの女の子がやってきて。

「ジュードー、ジュードー」

と言ってくる。どうやら柔道を習っているようだ。一緒に記念撮影をしてほしいと。パチリ。
その後、もう一件、飲みに行く。
飲みに行った後、ピザ屋に鞄を忘れたことに気づいてすぐに取りに戻る。もうないかなぁと思ったけど、なんと、お店の人が保管しておいてくれたのだ!おぉ、なんといい人なんだ。ありがたや。

■ 街中の湿地帯

6/19 今日は、宿から徒歩20分くらいのところにある、街中の池に連れてきてもらった。なんの変哲もないただの池なのであるが、ハジロクロハラアジサシ、ユリカモメ、アジサシ、タカブシギ、マガモが繁殖しているではないか!!!

画像8

画像9

画像10

画像11

テンションあがる!!
そのほか、トビ、チョウゲンボウ、シマセンニュウ、アマツバメ、ショウドウツバメ、ニシイワツバメ。
家の近くにこんな湿地あったら最高ではないか!
次にヤクーツク来るときには、ここでユリカモメに足環をつけないと!!!

この時点で、1週間もたっていないのだが、なんだか旅のハイライトでおなか一杯になってきた気分。

■ 初めての観光

6/19昼。初めてのヤクーツク市内観光。
サハ共和国といえば、ダイヤモンドとマンモスの産地らしい!
2005年の愛知万博でのマンモスもサハから借りたようである。
ということで、いざ、マンモス博物館へ!

画像12

おぉ、立派!

画像13

なんと、定休日…
がっくり…

ヤクーツクには、口琴という、口で鳴らす伝統的な楽器があるらしい!
ということで、口琴博物館に行こう!!

画像15

画像14

なんとお休み…

というわけで、仕方なく、ショッピングモールへ…

画像16

ここで念願の口琴(ホムス)を購入。1つ1600ルーブル。売店のおばちゃんに鳴らし方を教わる。ずっとビョンビョンしてたら、赤トンボくらいはひけるようになった。

ホムス

口琴は、アイヌの伝統楽器でもあるらしい(ムックリ)。なかなか興味深い。
https://www.ff-ainu.or.jp/about/files/sem1304.pdf

さて、いよいよ、明日は北極海に面した町、チクシまで移動する。
出発前祝いということで、シャンパンを買って、宿で乾杯!
つづく

ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ①~ はじまり編
ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ②~ 資金集め編
ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ③~ 準備編
ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ④~ 出発編
ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ⑤~ ヤクーツク編



いいなと思ったら応援しよう!

澤祐介@渡り鳥調査中
渡り鳥の研究には、旅費や発信器購入、罠の作成など、そこそこのお金がかかります。もちろん科研費や助成金などを最大限獲得していますが、それだけでは大変厳しく、手弁当も多いです。渡り鳥についてもっと知ってみたいという方々のご支援よろしくお願いします。

この記事が参加している募集