マンガで考察シリーズ⑰鬼滅の刃で無一郎の記憶喪失
多大なストレスは、脳の中で記憶を司る海馬(かいば)という所の血流を悪くします。
海馬の血流が悪くなると記憶を思い出せなくなり、認知機能の低下にもつながります。
これはストレスから身を守る防衛本能であり、ストレスとなることを忘れることで自分を守っています。
ですが、嫌な記憶だけを忘れるという事は難しいものです。
無一郎も兄を殺された痛みを忘れるために、それ以外の記憶も引き出せなくなってしまいました。
確かに嫌な記憶を思い出したくはありませんが、それらを全て捨てようと思えば他の記憶まで失う恐れがあるのです。
私は高齢者の認知症の原因の一つに、嫌な記憶を忘れようとする防衛本能が働いているとも考えています。
だから、どんな記憶も忘れるだけでなく向き合う事も大切なのです。
なぜなら嫌な記憶の近くに楽しかった記憶などもあるはずなのですから。
人間が記憶を失う順番は一般的に聴覚・視覚・触覚・味覚・嗅覚と言われます。
意外に見たことや聞いたことは忘れやすいのです。
無一郎のような過去の体験を忘れることは記憶障害に分類され、脳の細胞自体が破壊されたときに起こる症状に似ています。
脳細胞が破壊されると集中力が無くなるので、新たに記憶することが困難になります。
そんな状態の中で柱になるという事は、脳の記憶細胞に頼ることなく身体が反射的に動くまで何度も鍛錬を繰り返した証拠です。
だから記憶を取り戻した途端に強くなったのは、闘いに集中できるようになったからなのです。
普段から集中力を高めることがスポーツなどのパフォーマンスに影響することに似ていますね。
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