「勝間式超コントロール思考」ー仕事も生活もここまで自由にセルフコントロールできる!! 究極の「選択理論実践本」
勝間和代さんは、選択理論を学んで実践されている著名人のお一人です。
ご本人いわく、自由の欲求と楽しみの欲求が、飛び抜けて高いとのこと。
自分のことは全て、自分が一番好きなようにセルフコントロールしたい人であり、逆に言えば、人から束縛されたり、他人からコントロールされることが大嫌いな人です。
私が、この「勝間式超コントロール思考」という本を読んだ印象は、
というものです。
最近よく、「人が最も幸せを感じられるのは、自分が自分の人生をコントロールできている感覚が持てているとき」というようなことがいわれますが、仕事、家事、育児などに振り回されて忙しい毎日を送っている多くの人に(10人中、8人か9人は当てはまるのでは?)、少しでも余裕を取り戻し、主体的に毎日を過ごせるヒント(処方箋)が詰まっています。
この「勝間式超コントロール思考」では、勝間さんが、自分が人生の主役として、幸せな生活に不可欠な要素(仕事、お金、健康、人間関係、家事、娯楽)と、人生の全般をどうやって主体的にデザイン(カスタマイズ)し、セルフコントロールするかについて、数多くの具体的な方法を、最新のIT機器、家電機器を使うものまで含めて、すぐに実践に移せるレベルに落とし込んで、これでもか、これでもかというくらい、紹介してくれています。
アマゾンの読者コメントによれば、勝間式ライフハックの要約版であり、最新版のような本、とのことです。非常にコストパフォーマンスが良い本です。
ところで、選択理論は、ウィリアム・グラッサーというアメリカの精神科医が創始したものですが、「私たちが、できるかぎり自由に、自分らしく、それでいて、大切な人と良好な人間関係を維持しながら、幸せに生きていけるか」についての考え方と方法を説く、「個人の幸せのための、内的コントロールの心理学」です。
そして、選択理論には、次の2つの基本原則があります(このあたりの説明は、筆者の私によるものです)。
第1の基本原則は、「人は、自分の行動を、自分の内側でコントロールしている」というものです。
第2の原則は、「人は、自分の行動だけをコントロールできる(他者の行動をコントロールすることはできない)」というものです。
「勝間式超コントロール思考」によれば、勝間さんは、このような、選択理論の第1と第2の基本原理を前提として、
第1の原則に沿って、勝間さんの生活全般(仕事、お金、健康、人間関係、家事、娯楽)にわたって、周りの他者や状況に振り回されることなく、ご自身の行動(行為、考え方、ものの見方)を、徹底的にセルフコントロール(内的コントロール)して、ご自身の個性、才能、能力、諸々の資産、最新のIT機器、家電機器などを、自由自在に駆使し、ご自身が望まれている、上質な生活と人生を、相当程度実現されているようです。
その一方で、人間関係では、第2の原則である「人は、自分の行動だけをコントロールできる(他者の行動をコントロールすることはできない)」によって、自分の側では、他者をコントロールしようとすることなく(相手を自分の思い通りに変えようとせず、自分の正しさを相手に押しつけることもせずに)、相手の行動選択(相手の内的コントロール)を尊重する対応をとられているようです。
・勝間さんからは、他者に対して、情報提供やアドバイスをし、また、してほしい行動をリクエストするが、相手がどうするかは、あくまで、相手の選択を尊重する。
・相手と意見が異なる場合には、交渉する前から「(立場的に)自分には交渉できない」と諦めるのではなく、交渉してみて、相手とすり合わせてみる。そして、できるだけ自分の願っている方向での調整努力を試みる。
・苦手な相手に対しては、相手を批判したりすることなく、自分の側で、適度な、心理的な距離や物理的な距離をとって、自分の基本的欲求が阻害されないようにする。
・他者に対して、自分が親切にできる対応は、できるだけするようにする。他者に協力や貢献をすることで、自分の基本的欲求が満たされるような行動を、努めて選択していく。
というような「選択理論のエッセンス」をしっかりと身に付けられて、すごく高度なセルフコントロール(内的コントロール)を実践し、体現されているように思います。
まさに、
です。
一方で、アマゾンのこの本についての読者コメントでは、
・「勝間さんの環境で言える論理であり、生まれた時から恵まれている人の論理が多い気がする」
・「この人のようにお金も含めてある程度バッファをもたなければ人生をコントロールしていくことは現実には難しい面もあり、万人に向いているとはいえない」
・「自分がやらされ仕事を断ったら他人にいくし、利他ではないただの自分勝手になり、他人をコントロールすることに繋がってしまうことに矛盾を感じた。」
というようなコメントもありましたが、
選択理論の考え方は、私たち一人一人が、個人として、「自分が自由にコントロールできること(自分の自由域)」と「自分にはコントロールできないこと(他者、状況、過去の出来事など)」を見分けましょう、
そして、とにかく、自分が自由にコントロールできる「自分の自由域」で、様々な願いごとを明確にして、自分の行動(行為、ものの見方、考え方)を柔軟にセルフコントロールすることで、願いごとの実現を図っていこう、満たされていない基本的欲求を満たしていこう、というものです。
それぞれの人が、それぞれの立場や環境の中で、「自分が変えられないこと」にばかり意識を向けて、不平不満を言うのではなく、
意識(自分の目)の向け先を切り替えて、
「自分が自由にコントロールできる領域(自分の自由域)」に目を向け、精一杯の効果的な行動の選択に努力すること、
その代表的な方法が、自分が一人でできることをすることであり、柔軟に自分自身の行為や思考を変えること(セルフコントロールすること)です。
そうすれば、どなたにでも、少なくとも、「今の状況に比べて、未来に向かって基本的欲求をより満たし、幸せ感を増やすこと」は可能だということを、グラッサーは選択理論で説いています。
その意味で、選択理論は、それぞれの人が、それぞれの人なりに、効果を上げやすい「個人の自由と幸せのための心理学」だといえるでしょう。
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