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読んで学べる新企画!!【さわかみ投資教室】第1講:お金の不安をどう解消する?~前編~

こんにちは。さわかみ投信 戦略室 ライターの大田です。
 
今年から新NISAが始まり、「投資」という言葉を身近でも聞くようになりました。
皆さんの中にも、そろそろ知識をかじっておいた方がいいかな・・・と思い始めた方、いるのではないでしょうか?
とは言え、いまだ多くの人の本音は、こんな感じだと思います👇
正直、投資ってよくわからない(からとりあえず何もしないでおこう)!!
 
そんなあなたのために生まれたのがこの新企画、さわかみ投資教室です!
<企画主旨>
本企画の記事を読めば…
 ● 身近なテーマを通じて、楽しく投資を理解できる
 ● 投資のプロの話が聞けて、自分では気づけなかった視点を得られる
 ●「分からないから動けない…」が「分かったから動いてみよう!」に変わり、次のアクションに繋げられる
 
初回となる今回のテーマはずばり、「お金の不安をどう解消する?」
難しい知識は一切不要。お金の不安って何で生まれるの?というところから紐解いていきます。
話を聞くのは我らがさわかみ投信代表・澤上と取締役・熊谷の二人。
日々第一線で活躍するパワフルな彼らの、不安を打破する方法とは?
 
この記事を読み終える頃には、きっとあなたもお金との向き合い方が変わるはず。それでは早速、本編へと参りましょう!
(本記事は前編・後編の2部立てとなっており、こちらは前編です。
後編はこちらをご覧ください。)


▼対談者
澤上龍 / さわかみ投信 代表取締役
熊谷幹樹 / さわかみ投信 取締役
大田涼子(聞き手)/ さわかみ投信 戦略室


お金の不安はなぜ生まれる?

大田:
今日は、多くの読者が抱えているであろうお金の悩みアレコレをお二人に聞いていきたいと思います。
まず初めに、「将来に対する漠然としたお金の不安」がなぜ生まれるのか、教えてください。

代表取締役・澤上(左)と取締役・熊谷(右)

澤上:
漠然としたお金の不安というのは、元を辿ると「これから何が起こるか分からない将来において、いくらあれば足りるのか?それが収入として確保できるのか?」という不安に行き着く場合がほとんど。そこに対して未来が見えていないから大丈夫なのかな、となる。
 
熊谷:
漠然とした=目的・目標がない状態なので、まずは未来に目的を持ちましょうと言いたい。目的や目標があれば、そこに対してどれくらいのお金が必要になるか、そのために何をすれば良いかがクリアになり、おのずと不安は無くなっていくはず。
もう一つ意識してほしいのが、小さな達成経験を積んでいくこと。過去を振り返った際に達成経験がなく、自分はやれるという自信がない人は不安になりやすいけど、ある程度の達成経験がある人は不安への耐性ができる
 
澤上:
これはとても大事なことで、将来の目的・目標が見えて、自分はそこに到達できる・するぞという自信があると、現時点でそこに辿り着いていなくても不安はなくなる
自分でしっかりと先が見えていれば、例えば今話しているようなお金が足りないかもといったことも気にならなくなると思うよ。
 
大田:
それはお金がなくても自信をつければ、不安は消えるということですか?
 
熊谷:
自信がつけば、今はお金がなくともいざとなったら自分は稼げるだろうと余裕を持って構えられるようになる(=不安は消える)、と言うのが正しいかな。
ここで肝心なのは自信の裏付けがきちんとあるかどうか。例えばお金もないのに無根拠に自信があるだけではダメ。そうではなく、お金がない苦しい環境を乗り越えて、自分ならやれるという絶対的な自信をつけた人は強い。経験上、そういう人はその瞬間お金がなくても、培った経験でいずれお金を生み出せる可能性が高いね。

収入/貯蓄が少ないが、これから生きていける?

大田:
とは言え、大半の人は現在の収入や貯蓄の少なさを見て、将来に不安を感じてしまうのではないでしょうか。
 
熊谷:
僕の友人Kくんは月1万円しか投資してないけど、20年間で2千万~3千万円の資産を形成している。日本人の大半は、頑張ればKくんのように月1万円くらいなら投資できると思う。
この話のポイントは何かというと、月1万円の少額でも20年間やり続けたこと。今収入が少ないと悩んでいる人も、行動と持続で人生は変わるので、まずは行動を起こしてほしい。
 
澤上:
根本的なところに立ち返ると、収入が少なくて不安・支払いができないかもと思っているだけで、何か見直そうという行動や努力をしたのか?と聞きたい。何もせずに不安と言うだけなら、永遠に不安はなくならない
例えば今話に出たKくんのように、出費の無駄を削って1万円を捻出して、そのお金を投資に回してみるとする。それだけでも、生活を見直して節約する&投資でお金を働かせるという2つの行動を取っている。これを20年以上続けたら、ものすごい差が生まれるのは当然のこと。
ただただ不安と言うよりも、今自分に何ができるかを考え、少しずつチャレンジしていくことが大事。仮に失敗したとしても、そこから何か学べるわけだし。
 
大田:
一にも二にも行動ということですね。
続いて、「金銭面の不安があり、やりたいことに挑戦できない。このまま生活のために働く人生で良いのか?」という悩みについてお聞きしたいのですが、今の流れで行くと「行動あるのみ!」で一刀両断されそうな気がしています。笑

澤上:
ほぼ察しのとおりだよ!笑 やはり現状を変えたいなら行動するしかない。
でもまずは、このままで良いのか?と気づいたことがすごく大事。本当は現状に満足していないのに、それにすら気づいていない人も世の中にはたくさんいるからね。一足先に気づきを得たのなら、次は行動に移すしかないよね。
 
熊谷:
今の思考回路のままだと何も変わらないので、変化を起こすしかない。そのためには仕事を変えるのか、生活コストを落とすのか、お金に働いてもらうのか、はたまた3つ全てやるのか。どうするかは本人次第だね。
 
澤上:
「変化を起こす」と聞くと皆踏みとどまりがちだけど、何もそんな大それた変化を起こせと言っているわけじゃなくて、例えば投資信託を買うとして、月1万円を捻出するのってそこまで大変じゃないと思う。やってみて合わなければそのときやめればいい、くらいのスタンスで試してみると良いよ。
 
大田:
それでも、頭で考えてばかりで行動できない・変化を起こせない人に喝を入れるとしたら、何と言いますか?
 
澤上:
そういう人には喝を入れるのではなく、行動の先の未来を手に入れたら楽しいってことを伝えたい。
自分の場合はその未来を「志」と呼んだりもするが、志があれば、どんなに辛くても頑張れる。明るい未来しか見えないので使命感のような負のオーラがないし、その未来に対して今の苦しみを乗り越えられる
例えて言うなら、半年後の秋の全国大会の出場権を得て、それまでの間チーム一丸となって真夜中まで一生懸命練習しているイメージ。もちろん練習は苦しいけど、優勝したい未来が見えるから頑張れる。
 
熊谷:
そのためにはやっぱり先ほど話したように、最初は小さな成功体験から積んでいくしかない。小さくても数を重ねるとやがて自信がついていって、大きな未来に向けて行動できるようになる。
結果的に成功している人というのは、失敗の数が多くても、それを失敗と思わずに学びの場に変えていることが多い。彼らは次はこうやればいいと工夫し、成功するまで決して諦めない。そうして挑戦を続けるうちに、気づけばさらに上のレベルへ行っていたという感じじゃないかな。

世の中に溢れるお金の情報を、どう選べばいい?

熊谷:
ここまで二人して行動の大切さを伝えてきたけど、もう一つ大事なのが、行動を起こしてもらうために我々のような投資会社が、知る機会をどう作っていくかということ。でないと、行動を起こすどころか、知らない人は永遠に知らないまま終わってしまう。Kくんも自分の友人だからたまたま投資という方法を知っただけで、さもなければ彼は投資の存在を知ることもなく、2千万~3千万円の財産も築かれることはなかった。
今年から新NISAが始まったとは言え、日本人の多くが預貯金を抱えたままでいる。だからこそ我々は長期投資家デビュープロジェクトなどを通じて、投資を始めてもらう機会を積極的につくっている。それが我々のミッションでもある。
 
大田:
知る機会を提供するのは投資会社の役目ですが、反対に一般の人が自分で情報を取りに行くときに気をつけることはありますか?
 
澤上:
情報過多の今、その情報が本人にとって正しいか正しくないかは、本人にしか分からない。性格・生き方・家族構成などにも左右されるので、Aさんにとって正しい情報でも、Bさんにとっては間違っている場合もある。
大事なのは、自分がどう生きたいかを考えること。それが分かれば、その上で自分にとって有用な情報が見つかる。情報だけを取りに行こうとすると、量が多すぎてその渦に飲まれてしまうので、そうならないよう自分の生きざまに照らし合わせて情報を取捨選択する必要がある。
 
もう一つ大事なのが、ネットの情報を鵜呑みにするのではなく、実際に見に行く・会いに行くこと。でないと表面的な情報にばかり振り回されて、本質的な部分に気づけない。
分かりやすい例で言うと、お見合い写真だけ見て結婚を決めますか?という話。写真はいくらでもごまかしがきくし、大半の人は実際に会ってから決めるよね。会ったときのフィーリングが大事なのは金融商品も同じで、自分が納得する情報を取りに行くことも大事。やっぱりそれなりの手間をかけないと、いい情報は得られない。
ただ何もそんな大げさな手間をかけるわけじゃなくて、まずは気になった投資会社のHPを見てみるなど、自分のできることから少しずつ始めるといいと思う。
 
熊谷:
情報を取りに行くのもそうだけど、これからはもっと主体的に行動しないと生き残れない時代になっていくと思う。
日本はこれまで、学校教育や会社の昇進体制などあらゆる面において、受動的なシステムでやってきた。税金が給料から天引きされていることからも分かるように、政府や会社など、個人に代わって機関がそういった手続きをやってくれていた。
一方、世界を見渡せば、アメリカではタックスリターン制を採用している。これは日本で言う確定申告のようなもので、自分の支払う税金を自分で申請する仕組みだ。このように全てにおいて自主性が求められるので、彼らには人生設計を主体的に考える習慣が身についている
繰り返すが、日本はずっと平等を重んじて、全員共通の受動的なシステムでやってきた。それが日本の強みでもあったけど、これからはもっとアメリカのように個々人の意思に委ねられた自由な社会になっていく、いやならざるを得ないと思う。言い換えれば、行動した人には相応のリターンがあるし、そうでない人にはリターンはない。動ける人・意思のある人・目的のある人とそうでない人との差が開いていく未来になるだろう。

澤上:
そのような状態を格差と捉える人もいるかもしれないが、逆に言えば、それぞれが選択したい未来を選んでいけるということでもある。本来、心の豊かさやお金の不安の解消の先にあるものってそれぞれ違うはずなのに、これまでは全員が(世間的に)良い大学・会社に入ることを目指す画一的な社会だった。でもこれからはもっと自由に選べるようになるわけで、バリバリ働いて大金持ちになりたい、最低限のお金で趣味を楽しんで悠々自適な生活を送りたいなど、どんな夢を持っても良い。
それは格差とは言わず、選択肢が広がるということじゃないだろうか。そういう社会の中で自分に合った選択をするためには、なおのこと自分の生き方・軸を見つける必要がある。

自分に合った生き方・軸の見つけ方

大田:
これまで自分の生き方を特に意識してこなかった人もいると思いますが、ここからどうやって自分の生き方を見つければよいのでしょうか?
 
澤上:
最初からこれってものを見つけるのは難しい、でもだからと言って動かないのも違う。まずは今、目の前にあるものを本気で死ぬ気で頑張ること。そうして走り抜いた上で、自分に合う・合わないがわかってくるので、やりもせずに頭の中でくよくよ悩むのではなく、身体で学んで見つけていくことが大事
もしあなたが今仕事をしているなら、まずはその仕事に全力投球してみるとか。やっていく中で、ポジションが上がったり、スキルが上がったり、たまたま手伝った別部署の仕事が実は向いていると気づいたりして、どんどん自分の軸というのが出来上がっていく。
もちろん、やってみて合わなければ変えるという手もある。ただし、1~2回だとただの運に左右されるところもあるので、合わないと感じても、一旦やりすぎだと思うくらいまでやってみた方がいいんじゃないかな。
 
熊谷:
自分の生き方を見つけるというのは、自分の未来をつくっていくことでもある。そして未来は、行動でしか変わらない。行動すれば成功・失敗のどちらもあるが、その結果によってまた学ぶことができ、次はどこに向けて動くべきかのアンテナを張れる。そうして色んな人と会って、色んな成功・失敗をしているうちに、自信がついていき、さらに良い未来を選択できるようになっていく。
すでに何遍も繰り返しているけど、結局は行動せよ!の一言に尽きるね。

>>>後編へ続く!


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