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⑤私たちには子供がいない〜想像妊娠〜

想像妊娠、、、それはなんだか不思議で、なんか思い込みが激しそうな響きだ。そして気恥ずかしさも伴う。若い子が好きな人の子供が産みたくて妊娠のような症状が出て結婚するがそうじゃなかった、、、みたいな漫画のようなアレだ。

私は40をとうに過ぎたある日のこと、私はそれをしたことがある。というかそれはどうも"それ" だったらしい。

*~*~*

ある時、私はエネルギーの先生の遠隔治療と言うものを受けていた。その先生は腕はとっても確かで、電話を持ちながらなのだが、じわーんとしたエネルギーの流れ?を感じ、その箇所が軽くなるから不思議だ。

『もう、大丈夫ですよ』

先生はそう言った後、治療の最後に聞いてきた。

『〇〇さんは、お子さんいないの?』
『いないんです』

『欲しくないの?』
『欲しかったけど、できなかっんです』

『あなた、体が元気だからちょっと頑張ってみたら?』

子供のことを聞かれ、ちょっぴり「またか」と心の中でため息をつきながら、今まで何ども繰り返したことのある通り一辺倒の会話をした。

先生は、きっと私の見た目が若いから先生は私の年齢を誤解しているのだろうと思って、
『先生、私もう4○歳なんですよ?』そう言うと、それでもたじろぎもせず
『子供作るの、あと半年くらい頑張ったら?』といったのだ。

友人から、その先生は独身や子供がいない女性に『子供を作りなさい。母のエネルギーは人をどしっと安定させる』といつも言っているんだよと聞かされていたので、先生はそのことを強く信じて、いろんな人にそう言っているのだなとそう思っただけだった。(、、、と思っていた)

それから私は別にじゃあ半年頑張ろう、、なんて思わずにいた。
それは子供がいないことにもうとらわれがなかったし、何より自分の今の生活もなかなかなものだと思い始めていた頃だった。

それからすぐに生理が来て、このサイクルが続くのだと思っていた。

けれど、その後2ヶ月以上、生理がこなかったのだ。
もちろん妊娠したなんて思わなかった(笑)
更年期でもう生理が遅れたり、止まったり、また来たり、そういう時期が来たのだとある意味、年齢を受け入れながら悟ったのだ。

しかしながら心も体も元気で、更年期特有の症状はないけれど、きっとそうなんだろうと思い、とりあえずホルモン値でも測ってみようと思い立った。それは体のことをちゃんと受け止めたいと思ってのことだった。

女医さんのいる産婦人科に行き、診察を受けると、先生は『あれ、もう生理が来てもおかしくないわね、生理くるわよ』と言った。
それを聞いて、、そうか生理が来るのか、、と、止まったわけではないことに安心していた。

それから3〜4日後に生理は来た。先生の言った通りだった。
ホルモン検査の結果を聞きに行くと、『ホルモン値も正常で更年期ではありません』と言われて、拍子抜けした。生理がこなかったのは、更年期が始まったからだと思っていたからだ。じゃあ、なぜ止まったのと頭の中で???が浮かびだした。

その時、普段だったら世間話のように身の上話なんてしようと思わない私が、女医のY先生に話し出した。

『 Y先生、私、エネルギーの先生に、「体がものすごく元気だから、ちょっと頑張ったら」って言われたんです。頭では無理だと思っていたけれど、心のどこかでは、ちょっとその気になって欲しいと思ったからか、想像妊娠でこなくなったんですかね?』

私は西洋医学医を目の前にして、怪しいエネルギーの話をすることに少しためらいを感じたけれど、思い切って聞いてみた。
すると先生は、ちょっと笑って一呼吸おいた後、こういった。

『そうかもしれないわね。でもね、子宮から何も子供を生み出すことだけにとらわれなくてもいいんじゃない?

子供を産み出すのもエネルギー
想像妊娠をするのもエネルギー

そのエネルギーを(子どもを)産み出すだけに使わなくても
人を幸せにしたり、自分が幸せでいることで周りも幸せにしたり
そういうエネルギーの使い方もあるんじゃない? 』

私は唖然となった。

この言葉が私の心の奥底に響いて、捉えて離さなくなった。
目の前の先生からそんなことを言われるなんて思ってもみなかったというのもあるが、直感的に私への大切なメッセージだと体が反応したからだ。

先生の言った言葉を頭の中でリフレインしながら、

想像妊娠するのもエネルギー。確かにそうだ、そこには生理が止めてしまう、体の機能をストップさせてしまうような大きなエネルギーが働いている。何て勿体無いエネルギーの使い方をしたのだろう、、、というかそんなことができるくらい、強いエネルギーがあったということか、、、

そして体はなんてけなげなんだろう、無意識に応えようとしてくれたなんて、、自分の体に愛おしさが湧いてきた。

そんなことを頭の中で思いながら、私もひと呼吸をして、

『本当にそうですね。先生ありがとうございます』

そう言って病院を後にした。

*~*~*~*

本当にそうだ。全てはエネルギーだ。
そして私たちは生きているだけで何かを生み出している。

こうして何もしていないと思っているが、私たちの心臓は鼓動していて、磁場エネルギーを放っている。

私たちが動く時、そこにはふんわりとした風が起こる。それは気づいてないだけで、それが起こっているのだ。

口から『おはよう』という言葉が出て、相手がこちらを見て『おはよう』の言葉が返ってくる。口から漏れ出た空気が音を伴って流れ、相手に響き、『おはよう』という言葉を生み出している。

思考が生まれ、こうして文章を綴っているのも生命エネルギーの脈動だ。

私たちは瞬間瞬間エネルギーを生み出しながら生きている。
生きているだけでもう何かを生み出しているのだ。

そしてそれは自分が思っているよりもはるかに大きく、私たちはそのエネルギーを交換しあったり、影響しあったりして生きている。

だからこそ私たちが生み出し続けているこのエネルギーに、
意識を超えて私たちを生かしているこの生命エネルギーに、

もっと呼吸を合わせて、

まず自分を幸せに導く方に使っていきたいなと思うのだ。


最後にこの健気な体にありがとうが言いたくなってきた。
この体があるから、私は、”わたし”を感じることができるのだから。


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