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佐和島ゆら
2019年4月29日 20:07
……神様に選ばれた、神様に選ばれた。神様は許さなかった。 五月近くになり、最初に教室中に広がっていた緊張感はまるで排水溝に吸い込まれる水のように、なくなっていった。段々心の緩みが出てくるというか、そうだ、もう少しでゴールデンウィークだ。長い連休をどうすごそうか、新しくできた友達同士で語り合っている。私だってその一人だ、学校近くのショッピングモールで遊びに行こうとか、放課後は何を食べるとか、な
2019年4月20日 16:58
私はこんなに素晴らしいのに、どうしてあなたは顔を背けるの? 初めまして、こんにちは。私は天使の、ルシオと言います。仕事はそうですね、神様からサンプリングされた人間の一生を描く、小説家というものでしょうか。ふふ、そんな存在が目の前に現れて驚きましたか? そうですね、普段ならこんな月夜の晩、人間の住む家の窓になんて現れません。これでもそこそこは忙しいので、あまりそうするのこともできません。おお
2019年4月16日 15:29
すごい光景を見てみたいな……と思っていた。すごい光景ってどんなのと言われたら困ってしまうけれど、すごい光景を見たいなと思った。 「あ……お金を入れにいかなきゃ」 一人つぶやいて、銀行に向かう。今日は一般的に給料日と言われる日だからだろう。銀行には長蛇の列が出来ている。顔は皆どこかしら真剣味が見え隠れしている気がする。今日の給料でいろいろと支払わなければという思いがあるからだろう。私はイヤホン