
いわた書店 一万円選書
2024年4月、いわた書店さんの一万円選書に当選した。選書いただいた本の読書感想文を残していきたい。
※本のネタバレあります
いわた書店 一万円選書とは
https://iwatasyoten.jimdosite.com/%E4%B8%80%E4%B8%87%E5%86%86%E9%81%B8%E6%9B%B8/
今回選書いただいた本
パリのすてきなおじさん
評価:星3 ★★★☆☆
世界は広いし、生の今の情報を、ちゃんと見て今を生きなさい、という意図での選書のような気がした
自分がいかに狭い世界や価値観で生きてるのか、とか、地球に生きる人間の多様性に触れられる本だった
簡単そうに見える表紙と裏腹に、途中から読むの結構大変だった
1番印象に残ったのは、ユダヤ人でフランスでも昔迫害されていて、家族はみんな収容所で死んだけど奇跡的に生き残ったおじさんの話…。壮絶すぎて、改めて今の自分の日本生まれ&育ちは本当に恵まれてる…奇跡…と思ってしまった。
子は親を救うために「心の病」になる
評価:星3 ★★★☆☆
あっという間に読み終わった
おそらく、私がいわゆる出産適齢期で、そもそも子どもが欲しいのかいまよくわからん、自分が母親がちょっと苦手で、だからこそ自分もいい母親になれるのか不安、その辺の考え整理できる本をください、と言ったから選ばれた本なんだと思う
結論、この本を読んで考えを整理しきれたかというとそんなことはなかった
ただ、うちってめちゃくちゃこの本に出てくる過程に比べればド平凡な家庭だったし、普通に自分の母親いい母親じゃん、と思ってしまった
いい母親になれるのか、と言われれば、社会的に客観的にいい母親になることはできそう、と思うことはできた
ただ、その子どもにとっていい母親なの?っていうのはまた別問題というか
それってでも、やってみないとわからない話だから、今あーだこーだ考えても仕方ないのかもなぁなんて思った
最後の章で、40代後半で妻に先立たれて一人ぼっちになってしまった男性の話があって、こうはなりたくないと思った
よってもって、あまり悩まず流れで生きていこう、変に自分良い母親になれなそうと思い込まず、気負わなくていいかも、という境地には辿り着けたのかもしれない。
女たちよ!
評価:星1 ★☆☆☆☆
読むのにすごく時間がかかった。古い作品なこともあって、読み切るのがすごく大変だった
おそらく偽物の排除・本物を愛すること、だったり、一つ一つにこだわりを持つ人生、みたいなところがテーマ
とはいえ!刺さる部分が少なかったなぁこの本は。。
私たちの世代は
評価:星4 ★★★★☆
現代小説なこともあって、とても読みやすかった
この本をいわたさんが選んでくれた意図はすごく伝わってきて、気づいた時には思わず涙が出た。
この物語は2人のコロナ禍に小学生だった女の子たちが主人公なのだけど、その2人に対照的なお母さんがいて。特に色々娘に習い事をさせようとするお母さんの方。そのお母さんが、最初はうざったい存在として描写されてるんだけど、後半でお母さんの変化だったり、見えていなかった人間性が見えてきて、ハッとさせられた。
何か母親像みたいなものにヒントを与えて欲しいと(自分の母との関係や、自分が母になるかとかその辺り)リクエストしたからこれを選んでくれたんだなーって納得
どっちのお母さんも極端だったから、両者のいいとこどりしたいなぁなんて思ったり。
自分の母も大切にしたいと思える作品でした。
へろへろ
評価:星2★★☆☆☆
ちょっと変わった素敵な特養老人ホームを作る話
文章が面白く読みやすくはあった
この本を選んでくれた意図はなんだろう。先のことは何とかなる、目の前の課題に一生懸命に取り組んでみて、ということかしら。
あまり自分の中に強いメッセージとして残っていないので星2
下村恵美子さんは面白くてかっこいい女性だなとは思った
横道世之介
評価:星5★★★★★
映画化もされてる有名な小説、ずっと面白そうと思ってた
実際とっても面白かった
今の尊さをじんわり感じる一冊。みんな(家族や友人)が生きているのは、この時代だけ。いつかみんなと別れてしまう悲しさ(それは死別もさることながら、人生の流れでなんとなく離れていってしまう人たちも含めて)が、ひょうきんにあたたかく描かれている作品だった
とても綺麗な描写で、頭の中に映像が浮かんだまま読めるからノーストレスだった
続編を早く読みたい
おかえり横道世之介
評価:星3 ★★★☆☆
1が良かった分、2は物足りない気がした。登場人物の個性が薄い。1の恋人のキャラ強いお金持ちの女の子が好きだったから、2はあっさり味に感じてしまった
東京の台所
評価:星3 ★★★☆☆
台所図鑑。今賃貸で転居前提で暮らしている自分には大きな台所へのこだわりはないけれど、いつか自分の台所を持つ時に参考としたいと思った。
最も理解に難しかったのは、同性愛者の女性の章。同性愛者であると明かした上で男性の夫と結婚し、子どもまでいて。離婚して今は同性のパートナーと子どもとほぼ3人暮らしみたいな。昨今のトランプ政権の反多様性じゃないけど、それって幸せなの?どういう気持ちで子供作ったの?と困惑。故・りゅうちぇるの逆パターンみたいなものなのかしら。同性愛者でも異性も好きになるし、子どもまで作りたいと思えて実行まで行っちゃえるところがしみじみ不思議に感じたエピソードだった。