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小説「羽菜と雄」まとめ

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羽菜と雄の青春小説。 キャラ原案、設定→共同。ネタ→主にさとさん。文章化→さわば。
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#小説

羽菜と雄9

お客さんが途切れ、休憩にしていいよと言われて、羽菜は店内の花を一つ一つ見て回っていた。
色を楽しみ、香りを楽しみ、形の違いを観察し。それはもう、楽しそうに花に触れる。
商品なので、本当に触ったりはしないが、心で触れ合っている。

そして、羽菜が目を止めたのは、マーガレットだった。

「…マーガレットって、いいですよね。特別豪華ってわけでもないですけど、心が洗われるっていうか…」

白い可憐な姿を見

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羽菜と雄8

「あ…ありがとうございましたー…」
「ありがとうございましたっ!」

お客さんを見送りながら、羽菜と店長の声が重なる。
ちなみに前者のちょっとこもって小さめの声が羽菜で、はきはきと明るい後者の声が店長だ。
一通り仕事を教えられて、羽菜は接客係に割り当てられた。
花の手入れの時はキビキビハキハキ受け答えできる羽菜だが、それ以外となるとどうも気恥ずかしくなって、声が小さくなってしまう。

「羽菜ちゃん

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羽菜と雄7

すっかり緑が生い茂り、日差しが夏色を帯びてきた5月の連休。

「落ち着いて…大丈夫…大丈夫…っ」

羽菜は、どきどきと跳ね上がる心臓をなだめつつ、一軒の花屋へ向かっていた。
…向かっていたというか、行ったり来たりしているというか…。
何度か目的の花屋の前を通っているのだが、入ることなく通り過ぎてしまう。

よし、今度こそ、と心を決めた時、後ろから声をかけられた。

「…三島?」
「うひゃぉおおう!

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羽菜と雄2

今日は始業の日と言うことで、あっさりやってきた放課後。
この後は部活動勧誘や委員会活動に充てられることになっている。
美化委員の会議室に向かいながら、羽菜は勇気を振り絞って声を出す。
少し前を行く雄に向かって。

「えと、立花、くん。改めまして…三島です。よろしくお願いします…」

雄は、立ち止まって少し振り返り、軽く目礼した。

「…よろしく。」

………。
落ちる沈黙。二人は再び歩き出した。

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羽菜と雄3

美化委員の会議室で、一通り自己紹介が終わると、一年生はさっそく仕事を覚えるためという名目で中庭に連れていかれた。
除草に植え替えにゴミ拾いに、と、仕事は山ほどあった。
大半の者がやっつけ仕事というか、適当に終わらせようとしている中、羽菜はくるくるよく動いた。

「燃えるごみはこっちですね」
「スコップが足りないですね、置き場はどこですか?」
「あっ、それ、雑草じゃないですよ…!」

一方雄はという

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羽菜と雄4

一目置かれるのはいい事か悪い事か…少なくとも、仕事量は増えた。
先輩方には説明の手間が省けると重宝がられ、同級生には何やかやと理由をつけて仕事を代わってほしいと頼まれ。
羽菜は特に部活動にも入らず、進んで仕事を引き受けては中庭いじりをしていた。

「ヴィオラさんーヴィオラさんー綺麗に咲いてくださいねー♪」

作業をしながら時々、気分に合わせて歌を口ずさむのだが、それはそれは小さな声で、羽菜は聞かれ

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羽菜と雄5

それは5月の連休に入る前、美化委員による休み中の学内整備についての会議だった。
説明を受ける羽菜の顔はどんよりしていた。
曰く、委員全体を5班程度に分け、一日交代、1班辺り2回の担当で見回りすること。
学内を清潔に保つこと。
そして――
中庭の整備は最低限度の水やりで可とする。

砕けた感じで言えば、
休み中の仕事は学内の清掃が主です。みんなでちゃっちゃと見回って終わらせましょう。中庭はテキトーに

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羽菜と雄6

突然の申し出に、羽菜は戸惑っていた。

「…あ、せ、せっかくのお休みですものね。休みたいのは当然だと…」

俯きながら早口にそう言うと、

「…いや、休みたいからじゃなくて…」

はあ、とため息をつく雄。休みの過ごし方を思っての事だ。

「…姉の店を手伝わせられる事になってる。生花店なんだが、バイトを雇う余裕は無いが人手が足りないらしくて…」
「…生花店…」

羽菜は大きく目を瞬かせた。

「それ

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