もう何も覚えてない、ということだけ確かに覚えている或る夜の日の光跡露光
生ぬるいコーラ弾けた
汚れたゆりかごゆらゆら揺れた
たどる季節の走馬灯が託した過去
刺青の夜
38度、適温のお湯溢れ
肉と肉その毛と毛、また血と血
夢見がちな瞳は作り物で紛い物のガラスの目玉
人形の様
葬
心臓抄のめくれた目次
今宵はミイラの夜明けみたいな
イミテーションと心理の境界を
ふらりふらりと彷徨うような
ワカラズ屋たちの宴の絵巻
青姦通りをそのまま進めば見えてくる
真っ黄色ギラギラの街並み
空を映した川面は墨汁
穴という穴から染み入りやがて
心までも染めてしまえ
誘惑の森は深海の零度
見えない世界がまぶたの裏に
くっきりと朧げに見えてくるならそれが真実
事事ゆえの祭り囃子(黒竹の猿山蠢き湧く)は
俗っぽさ故の筋道、一目散に真っ逆さま
踊子の羽は半透明で触れられないから
仕方なくなぞる曲線と窪みの間をしたたるは汗
ツクツクボウシが鳴きやんで
暮れ行く空の桃色、濁った残像風景
たちまちのうちに消え去った
余韻絵画に亡者の行進
くっきりとくっきりとくっきりとくっきりと
描き出された
間違い探し師の胸に染まる赤
禍の根本
走馬灯
#詩 #自由詩 #現代詩 #ポエム #note文芸部 #100日詩チャレンジ #94日目