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屏風の虎の黄金の縞

思考の分裂
時々、無性に遠くを見たくなる
二本の足で歩くのが辛くて
座っていてもずっと怠くて
寝たいのに眠れない夜は
焦燥と不安でいたたまれなくなる
冷房が効き過ぎた寝室に横になれば
いつだって言葉が溢れかえるのに
そのどれもが嘘っぽくて
デタラメに並べてみても駄作
暗闇の中に潜む幽霊が目に見えればいい
得体の知れない恐怖に気絶して
そのまま朝を迎えたい
ありもしない欲求を生産して
筋の通っていない愚痴を逆算
憂い、弔い、戸惑いの三面鏡
目を見合わせて、守る気もない口約束
輪郭線のない無数の自分に社交辞令
いたずらに時間だけが過ぎ去って
うやむやになったあれそれが蠢き立って
瞼を閉じれば、部屋の隅
半透明になった自分が
横たわる自分を見つめている
悪夢のような幻想に苛まれ
途端にここがどこかがわからなくなる
一瞬、我に還る感覚が肌を伝う
並び立つ黒い影が冷笑する夢を起きたまま見る
物音もない静かな空間に
等間隔に配置された障壁は
どれもが傷一つない白色をしている
文字列におけるプレッシャー
空白は銃口のように深い眼差し
煙に巻いて逃げ出した矢先
自らも出口のない迷路の中
産声とも嬌声とも取れる奇声にまみれて
気を失いそうなほど同じ景色の泥濘を行く
漂う腐卵臭で壊れた鼻をそのままに
潜水する地下、澱む邪気は
それぞれが独立した呪詛の集合体
寄せて返す波間に溶けかけた飴を踏み抜く
割れた破片に映り込む男は
いつかの僕の冷や汗、ガラスの目
もはや快感とも取れる苦しさに悶えて
足掻き、手を伸ばしても空振り
断線して散り散りになった思考回路は
熱暴走の末に溶けて爛れて
見るも無残なチョコレート
正解はない空論上空に向かって吐いた唾は
すぐさま落下して自分の口内へと帰還
浅学で嘲る水溜まりを蹴飛ばし
冷静を欠いた脳が下した命令に従う
とめどない欲望にとどめを刺して
狂える獣一匹の悲願を祈れ
のたうち回る体躯から流れ出る血を啜り飲めば
次はお前の番だ、備えろ


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