猫を噛む
雨叩く窓の夜
絡まりあう腿、指、舌
肉の肉の当たる音が
一定のリズムで響く部屋の隅っこで
二つの生命体の荒く
湿っぽい息遣い
伝わる熱に垂れる雫
濃度と高いCO2で
曇るガラスが視界を閉ざして
そうして二匹は神様の目を掻い潜り
ここで、思う存分愛し合える
言葉よりも体で
体よりも精神で
満たし、満たされる幸福は
一筋の快楽を伴って
カーテンのないこの部屋に
朝日が差し込む時間まで
全てのしがらみから解き放たれた
二匹は神と獣の中間地点で
重なり合い、首の根本に口付けて
そのあと、優しく噛みついた
剥き出しのコンクリ
コッポラの映画
字幕の文字を二人で読んで
大げさに互いを求め合えば
それで良かった
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