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途絶えた書簡

泥の足跡、轍は黒く
落ち窪んで血となり
濡れた肩に照る光
焼ける肌と熱る目
南山向け泡街道
軒並み2.5キロの渋滞
テールライト!
いくつもの赫い点が連なり線になる感覚
居心地の悪いほど気持ちの良い形へと
代わる代わる変化する遺伝子
レッド・ロング・チューブの輪郭
淡く艶めきながらぬめり蠢く白色
有象無象の事柄がことわざになり
語り継がれて、月の満ち欠け
凍てついた轍が足を掬い牙を剥く
舌の上で点字をなぞるような
曖昧な希望を語ろう
無味無臭、多くの思いが礫になり
一心不乱に降り注ぎ、彼の肉
皮膚、眼球、股座その他様々な箇所を
抉り血を散らせ彼の肉胸に押し寄せる死の予感
帰路、は、いつも殺伐としていて
空には群青、灰色のアイロニー
混濁して飲み込む、ホワイトノイズがうるさい
指の腹を指す針、球体の血が孕む火
光、固まって朽ちて落ちろ
幽かに、ガラスのひび割れた試験管
電子顕微鏡越しに見る宇宙は潮の香り
読めない漢字と意味のない横文字
揺らして、手で仰いで覚えた
貝の耳、そこから飛び立った青い鳥
その鳴き声、囀りは祈り
手を合わせて目を瞑る
呼吸は静かに想いを馳せる
脈打つ蚯蚓の悲しみ
ボウフラの溜息、蠢き
季節の神は家賃4.5万の部屋で首吊り

だって脳の裏、心の深層
精神の奥底、21gの魂
驟雨に濡れた射手座の指す方向
玲瓏な殺意は血濡れたナイフ
玩具の病院で処方されたお薬は
その場しのぎ思い込み
抗鬱と鎮痛の痛み分けの花束
軟弱なイデオロギーに打ちのめさせれ怠惰
瞼の内側、血が熱を持ち青く腫れた顔は
なぜか笑っているようにも見える
点線に沿って切り落とす肉
これがポイント、広がる点差は
格差に変わり上下を作り
でっちあげの三角形、底辺の烏合の衆
その中の一匹
飛ぶときにはお茶を濁しトンズラ
今に見てろって固めた拳
成り上がり夢に見る、噛みしめる
奥歯から流れる血の味、鉄の香
立てる中指が差す蒼天はお日様がうざったい
精子が卵を割り、入る映像
地球の歴史、生命の始まり
赫いセピアのintroduction
膣深く差し込まれるペニスは固くあれ
奥に突け、泣き声にも似た喘ぎ声を貪り
柔らかいところを満遍なく斬りつけてみろよ
光る目が濃霧の中で移動する
恐怖、連帯責任、自己暗示
垂れ流す脳内BGMですかさず威嚇して
消して触るな、動くな
あまり敵を刺激するな
抵抗せず、手を上げろ
そのままできるかぎり頭を下にして
無言で祈り、赦しを請え

拝啓。こんにちは。久しぶりです。覚えていますか? 私はあれからずっとあなたからの写真を待っています。今月はきちんと壊れています。平和です。そちらはどうですか? お返事待ってます。敬具

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