and I am
一時間の昼休憩、3月の風は冷たく肌に当たっては砕け、僕だけがひとり。まだ濡れている路。しけたタバコの吸殻はどれもフィルターぎりぎりまで吸い尽くされてくたばっている。政治家の不祥事、虐待と洗脳、埋め立て土砂の中に人骨。ニュースは弾丸のように容赦なく次から次へと飛び込んで、そのたびに絞まる胸の糸も今ではだいぶほつれ衰えた。仕事のこと、家庭のこと、将来のこと、自分のこと。優しさだけじゃ生きられないことを痛いほどに思い知ってしまっただから、こうして、残り10分ほどの休憩中にもこんな詩がかけるてしまえる。「現実は残酷」と昔の本で読んだが「現実は過酷、故に残酷にならなくてはならない」と、今はそう感じる。考えれば考えるほどに乱れる思考が残像してバグり、またいつもの我。呼吸が無意識的であるように僕らはいつだって剥き出しの刃を知らぬ間に傷つけ、傷つき血に塗れ、泣き事さえも夢の奥。絶えずのたまう神言を知ってか知らずか、瞼の裏に彫刻の跡。疑わしきは罰せず。臭いものに蓋を。中耳炎の冥利には図らずも戸惑いの窓。潤うようにゆるやかにゆるやかに、死ぬがいい。
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