第40回開示請求 木川南小 久保校長先生はなぜ処分されたのか
今年5月、大阪市立の木川南小の久保校長先生が、大阪市長および教育委員長に対して「提言」を送りました。
これに伴い、久保校長先生は、8月20日付で文書訓告処分を受けました。
私は、これの経緯・理由が知りたく、同日付で下記の通りの文書開示請求を行なっており、本日文書を入手いたしました。
(下記のうち、②は文書不存在。①③④が開示対象)
文書を計14点開示いただきました。
01 事情聴取議事録(令和3年5月19日実施)黒塗り.pdf
02 顛末書(令和3年5月26日作成).pdf
03 検討資料(令和3年6月3日時点).pdf
04 検討資料(令和3年6月9日時点).pdf
05 検討資料(令和3年6月10日時点).pdf
06 相談記録(令和3年6月14日時点).pdf
07 事情聴取議事録(令和3年6月24日実施)見え消し.pdf
08 教育長レク資料(令和3年7月7日).pdf
09 メール(令和3年7月15日送信).pdf
10 教育長レク資料(令和3年7月20日).pdf
11 大阪市人事監察委員会への案件の付議について(令和3年7月15日決裁).pdf
12 教職員に対する行政措置について(令和3年7月27日決裁).pdf
13 市長レク資料.pdf
14 報告第13号(職員の人事について).pdf
まず、皆さんに読んでいただきたいのは、久保先生が提出された顛末書です。
久保校長先生が、突然のオンライン授業化に驚き戸惑いながらも、何よりも児童生徒のことを第一に考え、できるだけ児童生徒や保護者への影響・負担が小さくなるように気を配りながら準備を進められたことが、痛いほど伝わってくる内容です。
小学校を預かる校長の立場で、保護者の声や教職員の声を聴きながら、児童生徒に対して様々な配慮や気配りをされている、先生の優しくも芯のある人柄が伝わってくる文書だと思います。
また、今回問題とされた「提言書」を送るまでも、久保校長先生の中で葛藤があり、熟考されたうえで出されたものだということを感じました。
もう1つ、取り上げたいものは、6/24の事情聴取記録です。
この事情聴取の様子からも、久保校長先生が児童生徒のことを誰より考え、現場の実情を踏まえて行動されているのに対して、教育委員会は杓子定規に物事を進めていこうとしている様子が窺えます。
最終的に、事情聴取などを踏まえて、『教職員に対する行政措置について』で下記の通り事実認定され、信用失墜行為として処分が決定しました。
また、訓告文書は下記のとおりです。
皆さんは、この文書から、何を感じられましたか?
久保校長先生は、騒動後にインタビューや取材などを受けられ、そのたびに素晴らしい教育者であることが記事から伝わってきていました。
私は、今回開示いただいた文書から、久保校長先生は、ご自身が持つ生徒児童を思いやり、大きな心で包み込むような教育理念にもとづいて、教育を行なわれていることを改めて感じました。
また、それに対して、松井市長や市教委が問題視し、処分された事由となったものは、その中のとても小さな些末なことのように感じられました。
どちらが本当に生徒児童を想っているかは、一目瞭然だと思います。
過日、自民党大阪市議団が、大阪市内小中学校オンライン学習についてアンケート調査を行ない、公開しました。
この内容を見ても、久保校長先生だけが市長や教育委員会に対して批判的な見方をしていたのではなく、他の多くの先生方も同様にとらえられていることが、よく分かります。
私は、皆さんに、特にお子さんを持つ保護者の方、そして教育に携わっている方に、多方面からご意見をいただくキッカケにしていただけたらと考えましたので、今回開示いただきました文書をすべて公開いたします。
この文書をもとに、様々な場面で、様々な議論が生まれたら、幸いです。
こちら↓↓が、今回開示いただきました全14の文書です。(上記で抜き出した文書も含む)
2021年10月5日 1:48追記
この文書を読み解くうえで、またこの件を解釈するうえで、松井市長が本件に対してどのように言及をしていたかは重要な情報だと思い、
この「提言」が問題視されて以降、松井市長が本件について言及した部分を掲載したものを、別のnoteにまとめました。