インタビューは「創作」だった!ー記事の質を上げるカギは「構成」にありー
自立&起業に向けてチャレンジ中のさわです。
「書くこと」を仕事にしたい想いから、「書く」+αのスキルが身につくスクールMarble(マーブル)に参加しています。
全3回にわたるインタビューライティング講座が惜しまれつつ終了しました。講師は『書く習慣』が3万部を超えAmazonベストセラーになった、いしかわゆき(ゆぴ)さんです。
最終回は【執筆編】。
インタビュー後に「素材整理~構成案作成~執筆」を経て記事にまとめるまでの話です。ボリュームたっぷりの内容は、ざっくり「構成」「タイトル&リード文」「執筆」と3つに分けてアウトプットします。
今回は素材整理~構成案作成までをまとめます。
さっそく「おもしろく、読みやすく、楽しめる」記事にするためのポイントを見ていきましょう!
【書き起こし】ー素材は「生もの」と心得よ!
インタビュー終了後、ライターの手元には
●録音した音声データ
●写真
●取材時のテンション、雰囲気、温度感
この3つが残ります。
3つの素材が新鮮なうちになるはやで調理するのが大きなポイント。
そうすることでインタビューの雰囲気やテンションが「読者に伝わりやすいよい記事」になるといいます。
音声データはつぎの手順で「書き起こし」状態にしておきましょう。
【構成案づくり】ー「記事が面白くなるかどうか」の分かれ道!
「構成案作り」はスムーズな執筆のために大切な工程です。同時にこれをやっておくかどうかで「記事の質」も変わってきます。
どういうことなのか、その理由と進め方のポイントをみていきましょう。
まずは書き起こしから、「金言」や「キーワード」をピックアップ。これを中心に1行程度の「要約」にまとめます。
それを読みやすさを考えながら「切る・貼る・くっつける・入替える」作業をするのです。
ポイントは、ストーリーを意識してふせんを使い、順番を入れ替えること。このとき質問した順番にはこだわらず、また本筋に合わない内容は潔く削ります。
この工程は、是非タイトルの言葉を意識しながら進めてください。
取材時そのままの質問の順番・答えを単にまとめるだけならただの「ログ」でしかありません。
エピソードを違った角度からクローズアップしたり、順番を入れ替えてなんてことのない話に光を当てたり。構成を経てはじめて単なるログを「おもしろく、読みやすく、楽しめる」記事にできる可能性が出てくるのです。
また、取材で得た情報は「あれもこれも」と使いたくなり、削るのにためらいを感じるかもしれません。その場合は、いったん「記事の目的・テーマ」を振り返ります。
▶「誰に」「何を」伝えて「どうなってほしい」?
▶メディア・読者・取材対象者それぞれに◎な「三方良し」な内容?
再確認したら作業がやりやすくなるはず。
不要な部分はカットし、分かりやすいよう離れた文章をくっつけ、順番を入れ替える。そうすることで、本当に伝えたいことが読者に伝わりやすくなるのです。
これができたら[本文]→[見出し]→[仮タイトル]を考える工程にうつります。
ポイントは先に「書く内容」を決め、それに合った見出しやタイトルを決めること。
「見出し」で大事なのは「リズム感」と「エモさ」です。
この2つを意識すると「ゴロのよい格好つけ言葉」に行きつきます。
残念ながら「見出し付け」はメソッド化が難しい工程。たくさん良い記事を見て参考にすることがおすすめです。
目に留まった「ゴロのよい格好つけ言葉」はストックしておくと良いそう。
構成案作りの手順とポイントまとめると、
①「金言」or「キーワードを軸に1文で要約作り
→重要な要約を選ぶー何をどれからどれくらい?
②①の要約を並べ替える(「ふせん」の利用がおすすめ)
→聞いた順番にこだわらないー思いきり入れ替えるのが◎!
③思い切りよく「並び替える・くっつける・捨てる」
→テーマに沿わない、本筋からずれることは切り捨てる
④「本文→見出し→仮タイトル」を決める
→見出しは「リズム感」と「エモさ」で決めるー「ゴロのよい
格好つけ言葉」
①~④まで完了したら「構成案」の完成です。ここでいったん編集部に提出し、意見を聞いてみましょう。
そうすることで、万が一削ったエピソードが必要だったり別のポイントを前面に押し出した記事に仕上げる必要がある場合、「大工事」にならずに済みます。
「構成案を作っておくと執筆がスムーズ」な理由は、ここにもあるのです。
【おもしろく、読みやすく、楽しめる原稿】に するために
構成案は家づくりでいう「設計図」と同じだといいます。
先に作っておかないと、後で修正が必要になった時に大工事になってしまう。
同時に構成案は「脚本」でもあります。
どんな順番で、何を、どれだけ扱うかをじっくり考えて決めることで、単なるログが読み手の印象に残る魅力的なストーリーに生まれ変わるかどうかが決まるからです。
「構成案作り」は重要だからこそやり甲斐のある工程。
要約の順番を入替え「何に光を当てるか」を、ためつすがめつしてじっくり考えます。
取材後はふせんと頭を使って素材を新鮮なうちに料理し、思う存分「創作」しましょう。創作次第で、単なるログも「おもしろく、読みやすく、楽しめる原稿」にできることを忘れずにおきたいですね。