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1→10で成功する5つのマインドセット
こんにちは!三条市CMO(チーフマーケティングオフィサー)の澤です。2021年10月1日より新潟県に移住し、三条市CMOに就任、三条市役所で働く公務員です。ふるさと納税や情報発信など、三条市のブランド価値を全国に広めることをミッションに働いています。
今年度はまだ3月末まで約3ヵ月を残しながら、ふるさと納税の寄付額は令和2年度の7.2億円からその6倍以上の45億円くらいまで到達するのではないかと見込んでおり、1年3ヵ月の在籍で大きな結果を残せているのではないかと思います。
私はスタートアップ企業や新規ビジネスの「1→10」のフェーズで今までも大きな結果を残していることが多く、この記事ではなぜ私が「1→10」を得意としているのか、5つのマインドセットとしてまとめてみました。当初スキルセットの記事を書き始めましたが、スキルセットはそこそこ普遍的で、どんなフェーズでもだいたい同じ(ファイナンス領域は違うと思いますが、ビジネス推進という意味では)であり、マインドセットのほうが大事なのではないかと思い始めました。実践し、結果も残してきた「1→10」ならではの心の持ち様を5つにまとめてご紹介します。
私がベンチャー企業でキャリアをスタートし、今回はその対極にある行政でも結果を残せていることから、中小企業、ベンチャー企業にお勤めの方から、大企業で新規プロジェクトを担当するリーダーまで、お役に立つ情報になるかと思います!
波に乗る勇気
私はズドーンと伸びる1→10のフェーズでチームがドライブしていく感覚が好きで、ついそちらの方向に行ってしまう傾向があります。とはいえ、素材(会社やビジネス)がよくないといくらチームが頑張ったところで、伸びていかない、ということが起きます。まず、プロダクトやサービスの「1」がイケているかどうか。ここの見極めは主観だけでなく、そのマーケットがどのあたりでビジネスができるサイズになるだろうか、などなど、客観的な視点も大事です。
すでにビッグウェーブになっているビジネスは、素材としては良いものの、伸びしろも少なくドライブ感も薄いため、私としてはそこまでエキサイティングではないことが多いです。スキームをこれから構築していって成功可能性が高いところやこれから伸びるところを見極めて、乗るべき素敵な波を選んできたところがあると思います。
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乗る波をなんとなく選んだとしても、その波に乗る勇気がなかなか持てないのではないでしょうか。これから来る波にダイブしていく勇気を持ち合わせているところが私の最大の強みだと思っています。どんなに世間で有名な企業にいたとしてもです。
なぜそれができるかというと、20代前半で順風満帆なスタートが切れず、何もないところからキャリアが始まったからです。(ここは長い話になるので、キャリアについては、また別の機会に!)。そもそも失っても最初に戻るだけ、という発想があります。
人間はすでに手にしているものを失うことへの恐怖のほうが強いと言われますが、私の場合、そもそも持ってなかったし、ゼロからここまでがんばったのだから、また失敗したとしてもやり直せるのではないか、という漠然とした楽観主義があり、それが紙一重でよく言うと「波に乗る勇気」となっているのです。
DAZNに入る前は、超安定していたソニー・ピクチャーズにいました。サッカーをしていた、という単なる主観的な憧れだけでDAZNに入社したわけではありません。
DAZNには広告部門(当時は分社化されており、DAZNという名前ですらなかった)で入社しましたが、当時は配信にCMも流れていない状態で、広告を伸ばしていく方針もありませんでした。
その中で、私が当時予測していたことは、DAZNの配信の中でCMを配信する日が近いうちに来る、ということでした。なぜなら、番組販売ビジネスをしていた私には、収支のバランスが継続的に保てないと入社前にソロバンをはじいていたからです。広告事業の立ち上げをやれるのは、テレビ局でデジタルに近いところで広告をやってきた自分に最適な仕事だし、憧れのJリーグや海外サッカー、プロ野球のビジネスに携われるというエキサイティングな機会に違いないと感じ、飛び込んでいきました。
実際に、入社から2年も経たないうちに、CM配信を始めることになり、そのスタートアップに携わることができました。
おおざっぱプラン、ほぼノーターゲット
サラリーマンなので事業計画的な数字をきれいにパワポで書くこともありますが、実際にビジネスが進んでいって、その通りになったことは一度もありませんでした!笑
マイルストーンとしてのプランニングを一旦する、という意味ではおおざっぱに自分の中に計画を持つことは悪くないですが、細かく落とし込むことは時間の無駄ですし、うまくいかなかったときに軌道修正が遅くなります。このフェーズではほぼ必ず予期せぬ問題が起きます。何が起こるかわからないVUCAの時代に新しいことをしようとしているわけですから、当たり前です。おおざっぱにプランニングをしておいて、臨機応変に軌道修正ができる気持ちでいるほうがこのフェーズではよいと思っています。
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また、うまくいきすぎて、目標値を大きく上回れることもあります。その場合に、目標を持っているとそこでチームメンバーのモチベーションは一旦落ち着いてしまいます。その意味でも明確なターゲットはあまり意識しないほうがよいと考えています。
そもそもロジカルな目標値をたてられたこともぼぼないです。一生懸命プランニングをしても、海外本社から、このくらい足りないからジャパンはこのくらいやってくれ、などという根拠のない目標値が上から降ってくるのが関の山です。そうであれば、おとなしくその数字は頭の片隅に置いておいて、実際の仕事ではシンプルにベストを尽くすのがプロフェッショナルができる仕事ではないでしょうか?プロスポーツ選手だって、毎回勝つことを目標としているわけですが、勝利を意識しつつも、彼らができることは試合中に臨機応変に戦い方を最適化させ、ベストを尽くすことしかないのです。シーズン前にいちいちシーズン最後の打率やホームラン数を計算しても打てるようにはなりません。
全集中
プライオリティを考え、大事なことに全集中します。逆に言うと、あれもこれもやらない。よく、上司やお客様からあれもやったほうがいいんじゃないか?というご意見をいただくことはあるのですが、謙虚に一つの意見として聞きながらも、それは来年やります、と心に秘めて蓋をすることが多くあります。なぜなら、「1→10」ではリソースも時間も限られているからです。(※もちろんプライオリティが高くて、気づいていないことなら絶対やります!)
大事なことをいくつか絞って、つべこべ言わずに徹底的にやりきる。話はそれからです!
時間の使い方も「ここぞ!」というときは徹底的にやります。スイッチを入れて、集中したほうがダラダラするより、よいアウトプットが出ることが多いです。一方で、ずっと集中していると心も体も疲弊してしまうので、このタイミングは別にいいや、と思えるときがあれば、緩やかに仕事をすることも大事です。いわゆるメリハリが肝要です。
おまえの仕事は俺のもの、俺の仕事は俺のもの
何でも自分の仕事だと思ってやる、「ベンチャー的お仕事ジャイアニズム」を実践してきました。手柄を自分のものにする、という意味ではなく、圧倒的当事者として、仕事の線引きをせずにやってしまう、ということです。
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あるお仕事が苦手な人が同じ部署にいれば、即座に代わってやってしまう、隣の部署にお仕事に前向きではない人がいれば、こちらも自分でやってしまう、何でもかんでもやってしまうのです。理由としては、2点あります。
スピードが大事
新規ビジネスはスピードが大事。モタモタしていると競合が出てきたり、シェアを奪われます。もちろん教育することも必要なのですが、1→10のフェーズではまず自分でやってしまう、そのやり方を見てもらいながら覚えてもらう、くらいのスピード感を持っていたほうがよいように思っています。
前向きに働きたい
「1→10」のフェーズを乗り切るには圧倒的なモチベーションも必要になります。後ろ向きな人にお願いして、心をすり減らすくらいなら、圧倒的な迫力を持って、その人の仕事すらしてしまい、進めてしまったほうが精神衛生上よかったりするのです。ウダウダ言う人を相手にするより、「お任せください!それもやっときます!」と笑顔で言って、やってしまったほうがはるかに効率的なことが多いです。
チーム全体としてのパフォーマンスが数字として出てくるわけですから、誰がやる、誰の責任だ、などと言っている場合ではないのです。
仏の心
「0→1」も同様ですが、「1→10」も当たり前のことが当たり前に進まないことが多いです。大企業しか経験されていない方はだいたいここで驚かれますが、整えるのはチームメンバーである自分です。そこに憤ったり、怒っても何も変わりません。寛容な心を持って、始まったばかりなのだから、できていないことは普通で、これから自分が変えていこう、という心意気がほしいです。
いやいや、こんなことあり得ないでしょ、という事件的なことも日常的に起きます。これも粛々と改善は行うものの、いちいち動じていると精神的にやっていられません。自分がコントロールできることは、ベストを尽くして改善するものの、コントロールできないことは、やむを得ない、と腹をくくる胆力、動じない心を持っていたいです。
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「ベンチャー的お仕事ジャイアニズム」を発揮して、バリバリ社内の仕事を獲っていっても、手柄を独り占めしないようにする広い心を持つことも大切です。「あの人の仕事をやってあげたのに!」などと言っていても、「勝手に自分で仕事をしといて文句を言う変な奴」レッテルを貼られるだけなので、いいことは何もありません。見ている人は見ている(そして、大抵の人は見ている)ので、将来的にはだいたいいいことが待っていますし、待っていなければ辞めてしまい、自分の心の中の勲章として転職時の面接で堂々とアピールすればよいのです。
カオスながらも、ジェットコースターのようにエキサイティングな世界で生きてきた心の持ちよう。ぜひ参考にしていただければ嬉しいです!
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