【stand.fm放送要約⑤】2021年9月17日「恨みを超えて輪廻の輪を脱するー「比叡山焼き討ちから450年の時を経て…」視聴ー」
音声配信スタンドstand.fmのアカウント閉鎖前に、番組内で配信した放送を自分で聞きなおして内容を要約してこちらに収録しようと思います。
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「比叡山焼き討ちから450年を経て···」と題したシンポジウムのアーカイブ動画を視聴しました。
明智光秀のご子孫と織田信長のご子孫が比叡山にいらして対談をなさるという企画です。このお二人をつなげたのは、江戸無血開城を実現した勝海舟のご子孫だということでした。ーーこれもまた不思議なご縁ですが、時期も時期ですので、皆さんグーで手を軽く触れて閉会となりました。
特に印象深かったのは明智光秀のご子孫の方のお話でした。いらしていた方の三代前の方が、明治の時代に明智の名を名乗らせてほしい(それまでは違う姓を名乗っていた)と政府に働きかけて、ご先祖の名誉を回復されたということでした。
それを聞いて私は、これまで参加したことのない歴史のグループのイベントに参加した時のことを思い出しました。そこに集まっていた人たちの多くは、歴史の中で敗者となった人物のご子孫か、歴史を陰で動かしていた一族のご子孫でした(そのような方たちが集まる会とはまったく知らないで参加しました…)。
敗者であるとか陰で活躍だとかいうことであると、記録が残っていない、思いもよらないような土地に住んでいるといったことで、ご子孫であることを証明するものはほぼありません。それでもなぜかそこに集まった人たちには、妙な存在感の説得力がありました。
以前、マンボウの研究をされている方からマンボウの歴史について聞いたことがありました。その方は、記録に残っていないだけでマンボウは現代と同じように各地で生息していたはずだとおっしゃっていました。マンボウを食べるにせよ、不気味な存在として扱うにせよ、そうした特定の地域にたまたま記録が残っているというだけであって、記録が残っていない場所にも、現代と同じようにマンボウは存在していたにちがいないというお話でした。
目からウロコでした。歴史もそれと同じじゃないか?……私はそう考えたのです。
もうひとつ、伝教大師最澄の「怨みを以て恨みに報ぜば 怨み止まず、 徳を以て怨みに報ぜば 怨み即ち盡(つ)く」という言葉にも気づかされたことがありました。
※盡(つ)く…尽きる。
家系的に持っている恨みのカルマ(業)のようなものを無意識下に持っている人がいることを、サビアン占星術の鑑定をしていて何となく気づくことがあります。これについては、自分に思い当たる節があったために気づいたのですが、多くの人はこんなこととは無縁であると思われます。
しかしながら、何でこんなものにという対象に過剰に反応したり、恐怖を抱いたりという場合、それが子々孫々の受け継がれた恨みである可能性は否定できない気がしています。今を生きる自分のものではないはずなのに……恨みの持つパワーには根深いものがあります。
その一方で、真に先祖を思い、先祖が子孫を思うということは、〝恨み晴らすべし〟の思いを受け継ぐのではなく、子孫の幸福と繁栄を願って〝赦す〟ことであるのだと、伝教大師最澄は遠い昔にすでに説いていらっしゃるのです。
井上ひさしさんの『ムサシ』という舞台では、命の大切さを訴えてお芝居の好きだった幽霊たちが、武蔵と小次郎を生かすために一芝居を打つという必死の姿が描かれていました。ずっと知らずに持ち続けてきた恨みの思いも、風の時代となった今、もう手放してもいいのだと思うのです。
私の好きな古典文学の『太平記』では、輪廻転生といったテーマが描かれると同時に、ご先祖様の活躍を知りたいというニーズもあったそうです。一族の恨みを何度生まれ変わっても忘れないことよりも、一族の持つ優れた特性を、時代に合わせて個々に生かして活躍して良い時代になったのだと、私は想像するのです。ーーご先祖様方の願った「太平」の世がやっと訪れたのかもしれません。
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この放送とnoteでのこの話題に関する記事は、ほぼ見向きされていない状態です。必要な方には届いてほしいと切に願っています。
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〔2021年9月17日にstand.fmで収録した内容を2023年5月4日にブログで文字にして再構成しております。〕
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