とある風景のスケッチ【詩】
2人で一面の芝生を躓きながらかけ登っていく
と、そこは海と空の世界だった。
消えてしまいそうな空に淡いグラデーションがかかっていて、それが海に反射してホワイトとオレンジが自由に駆けあっていた。
全面に大きな星をばら蒔いたみたいに煌めいている。潰れた形の雲が左から右へと気だるそうに移動する。
空と海の境目は夕日の精霊たちがもたらす光で曖昧になっていた。
もったりと進む時間の中でねじれが生じて、隣にいる異国の少女と魂の交換が行われたようだ。
産まれる前から今進行する現在まで全て互いに見透かしてしまった。
私たちに流れる温かい血はお互いを温めあった。
こんな気持ちになるのは久しぶりだった。
ありがとう。Dankon。