ボルサリーノにタンゴパンプスー私の性自認、性的志向、ナルシシズムのこと 19
さて。いよいよ私のコンプレックスの核心に迫っていきます。書くのは正直きついし、もう本当にクズでどうしようもない、歪んでどす黒いところがむき出しになりますので、要注意です。道徳的、倫理的に人間性を疑われることが満載ですが、こうなったら書くほかありません。
こんなことあんなこと、長々と書いているし、これからも続くんだけども。もう、いきなり色々すっ飛ばして結論を言ってしまうと
「私は、(あの)母にさえ劣る存在なんだ」という、どうしようもない劣等感ゆえにこんなにも苦しんでいるということ。
ボロボロの衣服をまとい、顔も洗わず歯も磨かず櫛も入れない。入院した病院では検査をする設備がないとまで言われたほどの肥満体。いつも家でゴロゴロしてまともに家事もしない、出来ない。私の人格を破壊するほど毎日毎日罵倒する。家族の生命保険や学資保険を勝手に解約する。一日一万円以上スーパーで買い物してはその大半を廃棄する。サラ金や近所の人からお金を借りまくる。子供(私)が借りた奨学金を使い果たして大学退学に追い込む。子供(私)の職場に母の借金取りが押しかけたので自主退社に追いやる。刃物を持って喚いて暴れる。
けれど、父に離婚を言い渡されもせず(父にも大いに問題があったのだが)、死しても人としてきちんと葬られた。
そもそも、なんであの人が世間一般の幸せをたとえ形だけでも手に入れることが出来たのだろうか。結婚して、子供も2人もいてーー誤解しないで下さい。結婚、子供をもうけることが人生最高の幸せ、それに勝るものがないと私は思っているのではありません、いや、分からない。この苦しみは一体どこからやってくるんだろう?本当に苦しい、苦しいのだ。なぜあの母は何をしても離縁されず、最期まで面倒を見てもらえたのだろう?私が母のあの所業をたった1つでもしたならば、一発で相手に去られても何ら不思議ではないのに。ああ、やはり私は母に劣る存在なのだ。
私は、父や母のようにはなりたくないと幼少期から死に物狂いで勉学に励んだ。逃げ場のない6畳一間のアパートで虐待を受けながら。この家から離れるためには、そして幸せをつかむには自分の力で何とかするしかない、そのためには身なりを清潔にしなくてはならない、周囲の人たちに真っ当に見られなければならない、一人でも生きていける力を身につけなくてはいけない、けど誰か、どこかの誰かが私を気にかけ、愛してくれればもっといい、いや、それは贅沢だ。なんとしてでも生き延びなくては、いや、死んでもいいけど苦しいのは嫌だ。ああ、どうしていいか分からなかった。
結局、そうした私の血のにじむような努力は意味がなかった。私を愛してくれた人などいなかった。私を選んで生涯を共にしようという人なぞついには現れなかった。母は父に暴力を振るわれたけれども、それでも養ってはもらえた。好き放題しても離縁されなかったーー私は何だ?身を、魂を売ってでも這いつくばって生きてきた(何のために?)。ああ、それも私の行いのせいなのか。私は愛されるに値しない存在なのか。汚れた存在なのか。いや、愛されなくてもいい、ただテキトーに愉しく暮らしたかった。自由に、なんぴとにも邪魔されずに。けれど矛盾してはいるが一般的な、平凡な幸せに憧れたのも事実だ。
「普通の人生なんてつまらない、普通なんてものはない」だなんて、安全な場所にいる奴らに言われたくない。一旦でもそういう幸せを自ら望んで享受した人に上から言われたくない。私は「普通」の暮らしが欲しかったんだ。けれどそれは生まれたときから既に諦めなくてはいけないものだったのか?それを手に入れられなかったのは私の努力不足、もしくは人格に著しく問題があったからなのか?もし、そうならばやはり母に劣っていることになる。いくらなんでもあの母よりは私はまともではないか?いや、分からないーーこういうの、なんていうんだろ。エレクトラコンプレックス?ちょっと違うか。けれど私が愛着障害を抱えているのは明らかだ。
過去や亡霊や思い出と闘ってもまったく勝ち目はない。だからこそ苦しい。生きている人間相手ならば、たとえ困難でももしかしたらひょっとしたらワンチャンで何とかなる可能性があるのだから。私は永遠に母を超えることは出来ない。勝ち負けじゃないのは分かってる。けど、私はある意味において、あの人が羨ましくてたまらないのだーー私は私の脳内にいる母を葬りたい。そのためには自分と闘うしかない。克服したい。幸せになるために。