タヒチの女 ー母の死についての覚書 20
母の火葬が終わったという知らせが入った。
私たち3人のみが骨を確認するようにと案内され、骨になった母を待っている間に父が小声、けれど得意気に
「骨の色付いてる部分っていうのは、身体の悪かったところなんだってよ」と言った。
いざ対面した母の頭蓋骨が、緑青のような色で覆われていたので父は気まずそうな表情をしていた。ガンに侵されていた腹部辺りの骨には色が付いていなかったからだろうか。それとも......?
「お母さん、随分小さくなっちゃったねぇ......」と妹がつぶやいた。
私は