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葬儀の祭壇と持ち帰る花束の役割
植物の色が秋の装いを帯びてきた季節
もともと、植物は好きなほうであったけれど葬儀に携わるようになって祭壇に使われる花々に詳しくなった
思ったよりも洋花(バラ、チューリップ、スイートピー)が多く使われていることに気が付いたときは、驚いたものだ
葬祭場によって、また花屋さんによって祭壇の作り方は様々ある。
あまり葬儀に行ったことのない人は菊をたくさん使った祭壇がなんとなくイメージとしてあるのではないだろうか。
よくニュース等でイメージ画像に使われている祭壇は菊を整然と生けているからか…
意外と、洋物祭壇と呼ばれるものも増えてきていて
菊に限らず季節の花々をふんだんに使っている、結婚式のテーブルセッティングにも似た華やかなものを得意とする斎場も増えてきているように思う。
緑の葉物で高さを出してみたり、枝もので強弱をつけたりといつ入るかわからない仕事に対して、入荷できた材料でいい仕事をされるなぁと素人ながら感動することも多かった。
時には、遺族の注文がなくても葬儀施工担当者のリクエストにより、花材の色身を指定されたりとすることも多い。
生ものでもあるので、花材が少したりないときもあるようだけれど、そんな時は上手にさしてボリュームがあるように見せてくれるのも花屋の腕だと感じるものだ。
手持ちの材料で最大限心を尽くす跡が見えているとき、頭が下がる思いがする。
ご家族からお話を伺うとき、私たちも最大限力を尽くすけれど相手のあることでもあり難しいときも正直ある。
そんなとき、会場の空気を作ってくれている花々が様々に助けてくれていた。
時には会話を始める糸口になり、心を整えるための励ましにもなり、あるいはお別れの時のご希望を知るためのきっかけにもなる。
季節を知らせてくれる花輪は、大切な思い出を呼び起こすこともあれば、誰が送ってくれたかが大切なときもある。
花々は沈黙をもって語り、つぼみを持ち帰れば家で花開く時間をもって追悼の気持ちに寄り添ってくれる。
花束を持ち帰る案内をしても、なかなか移動や花瓶の世話が難しく持ち帰りを断られる方も多い。
しかし、ただの花ではなく共に偲ぶ時間、悼む仲間としても花は寄り添ってくれると思う。