森は海の恋人-人の心に木を植える-
この言葉は畠山重篤(はたけやま しげあつ)さんがおっしゃったこと。
畠山さんは気仙沼のカキ養殖業者で大学の先生である。初めて畠山さんの講演を聞いたのは3.11の東日本大震災の後。漁師でありながら山に木を植え続ける畠山さんの活動に興味をもって、たまたま岐阜県で講演をされるという話を聞いて出かけて行ったのだった。
なぜ、漁師である畠山さんが山に木を植えるのか。それは食物連鎖によって、海と川と山は一つにつながっているからだ。
山に降った雨は土壌を潤し、木の葉などが積もった腐葉土を通して地面に染み込み、やがて川を通って海へと流れていく。それは植物プランクトンを育てる肥沃な土壌を流していることにもなる。
❝昔、小学校の先生に教えられ何となく理解していたつもりの食物連鎖が、実はとてつもない意味かあったのです。例えば1キロの魚が誕生するには、その10倍の餌(小魚)が必要。10キロの小魚には100キロの動物プランクトンが、100キロの動物プランクトンには1000キロ(1トン)の植物プランクトンが必要なのです。
さらに、植物プランクトンは光合成生物ゆえに海に溶け込んでいる二酸化炭素を固定化しています。海にも大森林が存在しているのです。じつは温暖化の切り札は海の森の復活しかないとも言われています。ー「森は海の恋人」~人の心に木を植える~-畠山重篤 より❞
この話を聞いた時、私は茫然となった。なんて壮大な話だろう。でも現実にそれは行われているのである。
このお話を聞いて、その後、私は思った。人の心に種を蒔く人でありたいと…
私はいなかの里山育ちである。里山とは人が暮らしていくための資源を供給することのできる山、気軽に人が入れる山である。昔は山の上に畑があって、両親についてよく山に入った。山は遊び場であり、山菜やキノコの採れる場所でもあった。そして、燃料となる薪を拾える場所だった。
しかし、燃料革命によって薪は不要なものとなり、山もお荷物となり果てた。そうなると無情なもので、顧みる人はほとんどいない。人は山を見捨てたのである。
ところが畠山さんはそうではなかった。たとえ燃料を供給しなくなっても、山は必要なものだった。私はそのことに気づかされたのだ。
講演の中で覚えている言葉の一つが、フルボ酸鉄。これは腐葉土などの土壌で形成される物質で、山や森林で形成されたフルボ酸鉄は海に鉄を届けてくれる大切な役割を持っているのだそうだ。
園芸用資材を売る店にフルボ酸鉄の液肥?が売っていて、これを薄めて庭木にやったところ、とても効果があった。
畠山さんは東日本大震災によっておかあさまを亡くされた。それでも海を憎むことなく、仕事を続けておられる。
今日HPを作り直していて、私はとても大事なこと、自分の原点を思い出した。それが畠山さんの言葉「森は海の恋人ー人の心に木を植えるー」だった。
参考:講師派遣 システムブレーン 畑山重篤 https://www.sbrain.co.jp/keyperson/K-4527.htm
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