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ロンドン旅2日目に39度の熱って

ゴールデンウィークに夫婦でロンドン4泊、パリ4泊の旅をした。
ロンドンでは市内から地下鉄で10分ほどの友人宅にお世話になる。

ロンドンでは絶対大英博物館へ行きたい。ロゼッタストーンを見たい!
ナショナルギャラリーにも名画がずらっと揃っているらしい。絵画は当時の時代背景や空気感を現代の私たちにリアルに伝えてくれる。絵画の持つストーリ、その絵はどんな時代に、なぜ、どんな目的で描かれたのかを知ると臨場感が増し、製作者の想いも伝わってくる。
中野容子さんの「怖い絵シリーズ」にもハマっていた私は、イギリス王、ヘンリー8世と彼を取り巻く女性たちとのドラマティックな話に興味津々。
イギリスがカトリック教会から離脱したのは、ヘンリー8世が正妻と離婚をして愛人アンブーリンと結婚がしたかったからであった。なんとも人間味あふれる王だろう。

希望通りイギリスはカトリック教会から離脱し、離婚も成立、アンブーリンと再婚したが、その後、女児(エリザベス1世)しか生まれない。後継となる男児にこだわっていたヘンリー8世は、アンブーリンと離婚するばかりではなく処刑してしまう。あまりにもドラマチックなヘンリー8世は、様々な映画やドラマにもなっている。
実際現地で絵画を見る前に、西洋史を本やポッドキャストで楽しく学び直していた。

出発

羽田0:00発、ドバイ経由、ロンドン行き。
ドバイまでは12時間弱飛んだ。レイオーバーが1時間半あるはずだったが、飛行機は遅れ、到着とともに乗り継ぎの飛行機のボーディングが開始していた。焦る。エコノミー席は、すぐに飛行機から降りられない。前のクラスが降りてからなので最低5分は待つ。やっと、飛行機から降りることができ、エスカレーターを上がると空港係員が「London」と書かれたボードを持っていた。私は、「London!」と手を挙げると、係委員の男性は、

「セキュリティーを通って、ターミナルをまっすぐ行くと、奥にもう一つのターミナルにつながります。そうしたら、26番ゲートを目指して、走ってください。」と言われた。

私たちは言われた通り、セキュリティーを通り、ターミナルをダッシュした。12時間弱飛んだ後のダッシュはきつすぎた。私は途中必死すぎて、持っていたコートを落としたことにも気付かず走った。26番ゲートに到着すると、なんとボーディングは未だ始まってもいない。

「なんだ、あんなにダッシュしなくても良かったじゃない。」その後、7時間ほど飛んで、無事ヒースロー空港に到着した。

ロンドン街ブラ

翌日、友人宅から地下鉄に乗ってロンドンへ向かった。まだ肌寒いロンドンは、コートなしではきつかったが、持ってきた長袖を何枚か重ねて着込んだ。
まずは大英博物館へ向かう。

「あれれ?」予約していた時間を過ぎても行列は動かない。前の列から嫌な噂が回ってくる。

「どうやら今日はプロテストでやらないみたい」

気がつくと、行列はいつの間にかバラバラになり、ポツンと私たちは残された。

「がっくし」。
気分を切り替えないとだ。

イギリスやフランスはプロテストをすることで政治に積極的に参加しているのだ。

「しょうがない」っと、切り替えロンドン街ブラをスタートさせた。

古い煉瓦造りの建物、教会、通りが交わる広場、街角のパブ、ロンドンらしい風景を赤いロンドンバスが行ったり来たり。翌週、チャールズ国王の戴冠式を控えているので、街にはユニオンジャックの国旗がそこらじゅうに飾られとても華やかだ。歩き出すと、「がっくし」していた気持ちはすっかり「ルンルン」に切り替わっていた。

私たちは、カラフルでおしゃれニールズヤードでふらりとギャラリーに立ち寄る。あれも素敵これも素敵、衝動買いしたい気持ちを抑えながら、楽しい街ブラは続く。

コベントガーデン、ソーホー、メイフェアでは老舗デパートリバティとフォートナム&メイソンに立ち寄る。チャールズ国王の戴冠式関連の品物が多い。観光客もいつもより多いようで、老舗デパートは人で溢れていた。

そろそろランチにしよう。パブへ入り、地元っぽいものを頼んだ。

ビーフポッドパイ。
サクサクのパイに煮込んだビーフが入っている。なかなか美味しかった。

午後になり、予約しておいたナショナルギャリーへ向かう。
ルネッサンスからバロック、ロココ、印象派までまんべんなく名画が揃う。

岩窟の聖母 ダビンチ

まわるのにちょうど良いサイズの美術館で大変気に入った。

「え? 39.1℃!!」

翌朝、猛烈に体が熱い。
あれ、なんかおかしい。
友人に体温計を持ってきてもらい測ると、

「39.1℃」!
「え?見間違い?」

私も夫も友人も、赤く点滅した体温計に引いている。
「やば!」
友人は、とっさにアイスノンを用意し、後のことは心配しないでとにかく寝なさいと、私を寝かしつけた。
半日後、なんと夫も38℃の熱を出し、夫婦二人で完全にダウン。
「どういうこと?!なぜに?いやになる。」

Healing Time

そこからは、ひたすら寝る日々。
友人は、臨床心理士でセラピストとして自宅で仕事をしている。
彼女自身がデザインした3階建の自宅兼仕事場は、ホワイトを貴重にし、光がたくさん取り入れられるよう設計された家。

私たちは地下の寝室を使わせてもらっていたのだが、天窓がついていて、そこから太陽光が降り注ぐ。各部屋に彼女が選んだ絵画がかかっていて、ターナーを連想させる光あふれる絵画もあれば、モネの睡蓮を連想させる、いや、それよりも華やかな印象の絵画が飾ってある。

私自身が大好きなクリムトの模写の絵画もあった。

私たちは、彼女のヒーリングハウスで2日間何度も熟睡した。まさに、癒されていった。おかげさまで、3日後のパリへの移動日にはだいぶ動けるようになり、名残惜しくもパリへと旅立っていった。

ユーロスターでパリへと到着し、パリ北駅から地下鉄でホテルのあるサンジェルマン地区を目指す。その地下鉄で、夫は財布をすられる。あんなに気をつけてって言われていたのに、見事に、しかも全くどの瞬間にやられたのか分からないほど巧みにすられた。しかし、財布は空の状態にしていたので被害はなく良かったのだが、私たちは、少しの恐怖を覚えた。いやいや日本の感覚で行動してはいけないねと。

まだまだ体調は、本調子ではなかったが旅は続く。パリ旅行のあれこれは、またの機会に書くとしよう。

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